スタッフブログ
2015年12月31日 木曜日
新米獣医師カーリーのつぶやき-part60~ズーノーシス④~-
こんにちは、獣医師の苅谷です。
今日は大晦日で今年もあと残すところわずかになりましたね。
現在お家やお部屋の片づけ、おせちの仕込み等でてんてこ舞いな状況の方がほとんどであると思います。
年が明ける前には全て片付けてスッキリとした状態で新年を迎えたいですね。
今回は今まで紹介した以外の微生物とプイオンの人獣共通感染症についてお話しします。
まずは残っている微生物ですが・・・
こちらにはリケッチアやクラミジアが含まれます。
これらの微生物はどんなものかというと細菌より小さく、ウイルスより大きい微生物のことを示します。
さてこのリケッチアやクラミジアにはどんな感染症があるかというと・・・
オウム病やQ熱といったものが挙げられます。
まずオウム病です。

この感染症はクラミジアの一種でオウムから初めて病原体が確認されたことによりオウム病と名前がつきましたが、実際にはハト、インコ、アヒルなど鳥類全般に感染することが知られています。
またズーノーシスであるため人にも感染します。
鳥類におけるオウム病は感染はしているけど、症状が出ない不顕性感染の場合が多いですが、若齢の鳥類や不顕性感染して移動などのストレスにより免疫力が弱い状態だと、元気・食欲消失、鼻汁、下痢といった症状を示し、最悪の場合なくなってしまいます。
人の場合はインフルエンザに似た症状の発熱、頭痛、咳、関節痛、全身の倦怠感が現れてきます。
この感染症は感染している鳥の糞便中に病原体であるクラミジアが放出されるため、糞便が乾燥して、風などで舞い上がったものを口から吸ってしまうと感染してしまいます。
また感染鳥と濃密に接触していると感染する確率はかなり上がってきます。
予防としては鳥にストレスをかけないこと、こまめに部屋の掃除をすること、野鳥への接触は注意するなどがあります。
次にQ熱についてです。

この感染症はリケッチアの一種のコクシエラという病原体によるものでオーストラリアで原因不明の発熱(Query fever)ということで頭文字をとってQ熱と名づけられました。
犬や猫、牛や鳥などの場合では無症状のことが多いですが、軽い発熱や流産や不妊症などの繁殖障害があります。
人の場合ではこちらもオウム病と同じく、インフルエンザ様の症状を現わします。
感染経路はマダニにより媒介されることもあれば、環境中にいる病原体を体の中に取り込んでしまう場合もあります。
また牛にも感染し、牛乳中にも病原体が排出されるため、現在の牛乳の殺菌条件の基準はこのQ熱を殺菌できる条件に設定されています。
予防に関しては現在特にないため、死流産した動物の取り扱いには注意し、流行している地域に行く際には注意する必要があります。
最後にプリオンによるものです。

このプリオンによって引き起こされる感染症は伝達性海綿状脳症と呼ばれるものです。
伝達性海綿状脳症は日本でも平成13年9月に確認された牛海綿状脳症(BSE)や人におけるクロイツフェルト・ヤコブ病などが含まれます。
この感染症は体の中にできてしまった異常なたんぱく質が脳の組織を変性させて、スポンジ状にしてしまい、異常行動、運動失調、性格の変化などの神経症状が現れ、急速に症状は進行し、死に至ってしまう病気です。
この病気は病気になった動物の異常なプリオンのある組織(脳や脊髄)を少しでも食べることで発症してしまいます。
そのためBSE問題が発覚する前は牛の成長を促す目的で肉骨粉を使用されていました。
この肉骨粉は食肉として使用しない部分の部分(内臓、脳、脊髄、血液など)を加工したものであり、そこにBSEとなったものの肉骨粉が正常な牛に与えられたことによりBSE問題として発展していきました。
現在は脳や脊髄といった組織を含むものを資料に加えないといった規制と国内の検査体制の強化、輸入検疫の強化により現在では日本では発生は認められなくなりました。
プリオンに関しては個人での対策は使用がありませんが、現在の食肉検査や輸入検疫で今後の発生はまれになるだろうと思います。
今回は以上で終わります。
ズーノーシスは感染経路を知ることで対策をとることができるものもあります。
感染症はなる前に予防することが重要だと思います。
特に海外へ渡航する際は事前にどのような感染症がその国にあるのかをインターネットなどで調べたり、空港でも感染症に関する注意喚起はされているものに目を通すことをお勧めします。
今回は以上で終わります。
それではまた来年もよろしくお願いします。
感染症について少し興味を持った方は

こちら
のクリックをよろしくお願いします。
今日は大晦日で今年もあと残すところわずかになりましたね。
現在お家やお部屋の片づけ、おせちの仕込み等でてんてこ舞いな状況の方がほとんどであると思います。
年が明ける前には全て片付けてスッキリとした状態で新年を迎えたいですね。
今回は今まで紹介した以外の微生物とプイオンの人獣共通感染症についてお話しします。
まずは残っている微生物ですが・・・
こちらにはリケッチアやクラミジアが含まれます。
これらの微生物はどんなものかというと細菌より小さく、ウイルスより大きい微生物のことを示します。
さてこのリケッチアやクラミジアにはどんな感染症があるかというと・・・
オウム病やQ熱といったものが挙げられます。
まずオウム病です。

この感染症はクラミジアの一種でオウムから初めて病原体が確認されたことによりオウム病と名前がつきましたが、実際にはハト、インコ、アヒルなど鳥類全般に感染することが知られています。
またズーノーシスであるため人にも感染します。
鳥類におけるオウム病は感染はしているけど、症状が出ない不顕性感染の場合が多いですが、若齢の鳥類や不顕性感染して移動などのストレスにより免疫力が弱い状態だと、元気・食欲消失、鼻汁、下痢といった症状を示し、最悪の場合なくなってしまいます。
人の場合はインフルエンザに似た症状の発熱、頭痛、咳、関節痛、全身の倦怠感が現れてきます。
この感染症は感染している鳥の糞便中に病原体であるクラミジアが放出されるため、糞便が乾燥して、風などで舞い上がったものを口から吸ってしまうと感染してしまいます。
また感染鳥と濃密に接触していると感染する確率はかなり上がってきます。
予防としては鳥にストレスをかけないこと、こまめに部屋の掃除をすること、野鳥への接触は注意するなどがあります。
次にQ熱についてです。

この感染症はリケッチアの一種のコクシエラという病原体によるものでオーストラリアで原因不明の発熱(Query fever)ということで頭文字をとってQ熱と名づけられました。
犬や猫、牛や鳥などの場合では無症状のことが多いですが、軽い発熱や流産や不妊症などの繁殖障害があります。
人の場合ではこちらもオウム病と同じく、インフルエンザ様の症状を現わします。
感染経路はマダニにより媒介されることもあれば、環境中にいる病原体を体の中に取り込んでしまう場合もあります。
また牛にも感染し、牛乳中にも病原体が排出されるため、現在の牛乳の殺菌条件の基準はこのQ熱を殺菌できる条件に設定されています。
予防に関しては現在特にないため、死流産した動物の取り扱いには注意し、流行している地域に行く際には注意する必要があります。
最後にプリオンによるものです。

このプリオンによって引き起こされる感染症は伝達性海綿状脳症と呼ばれるものです。
伝達性海綿状脳症は日本でも平成13年9月に確認された牛海綿状脳症(BSE)や人におけるクロイツフェルト・ヤコブ病などが含まれます。
この感染症は体の中にできてしまった異常なたんぱく質が脳の組織を変性させて、スポンジ状にしてしまい、異常行動、運動失調、性格の変化などの神経症状が現れ、急速に症状は進行し、死に至ってしまう病気です。
この病気は病気になった動物の異常なプリオンのある組織(脳や脊髄)を少しでも食べることで発症してしまいます。
そのためBSE問題が発覚する前は牛の成長を促す目的で肉骨粉を使用されていました。
この肉骨粉は食肉として使用しない部分の部分(内臓、脳、脊髄、血液など)を加工したものであり、そこにBSEとなったものの肉骨粉が正常な牛に与えられたことによりBSE問題として発展していきました。
現在は脳や脊髄といった組織を含むものを資料に加えないといった規制と国内の検査体制の強化、輸入検疫の強化により現在では日本では発生は認められなくなりました。
プリオンに関しては個人での対策は使用がありませんが、現在の食肉検査や輸入検疫で今後の発生はまれになるだろうと思います。
今回は以上で終わります。
ズーノーシスは感染経路を知ることで対策をとることができるものもあります。
感染症はなる前に予防することが重要だと思います。
特に海外へ渡航する際は事前にどのような感染症がその国にあるのかをインターネットなどで調べたり、空港でも感染症に関する注意喚起はされているものに目を通すことをお勧めします。
今回は以上で終わります。
それではまた来年もよろしくお願いします。
感染症について少し興味を持った方は

こちら

投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL
2015年12月25日 金曜日
☆MERRY CHRISTMAS☆ ~X'mas衣裳の患者様紹介~
みなさんこんにちは(
)/"

HAPPY MERRY CHRISTMAS


今日25日は、クリスマスですね
みなさんどんなクリスマスを過ごされますか?
ペットを飼われている方は、このクリスマスどんなふうに
過ごされていますか?
当院の看板犬のベティは
みなさんから素敵なプレゼントをもらって
大満足中です
今日のブログはクリスマスに合わせて
クリスマス衣装を着て来院されたペット達の紹介です
トイプードル の シフォンくんです

真っ赤なコートとサンタ帽子がお似合いですね

ミニチュア・ダックスフンドのかりんちゃんです

ミニーちゃんのかわいい水玉の服が
クリスマスパーティーに似合いそうですね

ネザーランドドワーフ つららちゃん・よもぎちゃんです



みなさんカワイイですね
そして看板犬のベティ

みなさん、素敵なクリスマスになりますように
ブログランキングに参加しています

こちらまで
クリックおねがいします






今日25日は、クリスマスですね

みなさんどんなクリスマスを過ごされますか?
ペットを飼われている方は、このクリスマスどんなふうに
過ごされていますか?
当院の看板犬のベティは
みなさんから素敵なプレゼントをもらって
大満足中です

今日のブログはクリスマスに合わせて
クリスマス衣装を着て来院されたペット達の紹介です

トイプードル の シフォンくんです


真っ赤なコートとサンタ帽子がお似合いですね


ミニチュア・ダックスフンドのかりんちゃんです


ミニーちゃんのかわいい水玉の服が
クリスマスパーティーに似合いそうですね


ネザーランドドワーフ つららちゃん・よもぎちゃんです




みなさんカワイイですね

そして看板犬のベティ


みなさん、素敵なクリスマスになりますように

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投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL
2015年12月24日 木曜日
ベティへのクリスマスプレゼント★''-ケーキ-
みなさん、こんにちは!
今日は、クリスマスイブですね
私も今日は予約してあったケーキを取りに行こうと思ってます
今日はベティもクリスマスケーキを食べたんですよ
↓ ↓ ↓

以前当院のブログでご紹介させて頂いた
「ペキニーズの峻くん」の
オーナー様から頂いたケーキなんですよ!
ケーキの箱を開けた瞬間
「これは人間のケーキなのかもしれない・・」と思うぐらい
苺の甘い香りがしていて
とても美味しそうでした
奇麗なケーキの写真を今のうちに撮っておこうとしている間
ずっと近くで食べるのを待っているベティさんが
早く食べたくていじけていたので・・・・

わかったわかった
もう食べていいよ!


凄い勢いで食べ始めたベティ
1分もかからず全て食べてしまいました

そして今年も私達スタッフから
ベティにメリークリスマス
!
来年も一緒にクリスマス過ごそうね

今年もたくさんプレゼントが貰えたベティさん!
よかったね

ベティよかったね
と思った方は

こちらクリック
お願いします
今日は、クリスマスイブですね

私も今日は予約してあったケーキを取りに行こうと思ってます

今日はベティもクリスマスケーキを食べたんですよ

↓ ↓ ↓

以前当院のブログでご紹介させて頂いた
「ペキニーズの峻くん」の
オーナー様から頂いたケーキなんですよ!
ケーキの箱を開けた瞬間
「これは人間のケーキなのかもしれない・・」と思うぐらい
苺の甘い香りがしていて
とても美味しそうでした

奇麗なケーキの写真を今のうちに撮っておこうとしている間
ずっと近くで食べるのを待っているベティさんが
早く食べたくていじけていたので・・・・

わかったわかった

もう食べていいよ!


凄い勢いで食べ始めたベティ
1分もかからず全て食べてしまいました


そして今年も私達スタッフから
ベティにメリークリスマス

来年も一緒にクリスマス過ごそうね


今年もたくさんプレゼントが貰えたベティさん!
よかったね


ベティよかったね



こちらクリック

投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL
2015年12月20日 日曜日
No.432 フェレット ももちゃん (東海市在住)
みなさん、こんにちは

あっという間に12月も半ばに入り、
例年より暖かいとはいえ、朝晩は冷え込む日が続いていますね

インフルエンザが流行っている地域も増えているそうなので
皆様体調にはお気を付けください

それでは、さっそく患者様紹介に移りましょう(●^o^●)
本日ご紹介させていただく患者様は
フェレットのモモちゃんです


まだ生後3ヶ月のモモちゃん

体も小さくて表情もとっても可愛らしいです!

今日で二回目の病院になりますが、
暴れることもなくお利口さん



優等生だねっ


飼い主によく懐く性格とクリクリの目

愛らしいこのお顔


そしてもうひとつ!この日の診察で発見した
モモちゃんの魅力は・・・

このカメラ目線


カメラを向けるとしっかりレンズを見つめて
動きも止めてくれるんです


ブレることなく上手に撮らせてくれるので
ついたくさんシャッターを切ってしまいまいた


モモちゃん協力してくれてありがとう

まだ体重も650gしかないちびっこなので、
これからすくすくと成長して元気な姿を見せてね


愛嬌たっぷりなモモちゃん可愛いな



こちら



投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL
2015年12月18日 金曜日
新米獣医師カーリーのつぶやき-part59~ズーノーシス③~-
こんにちは、獣医師の苅谷です。
今年は暖冬と言われておりますが、昨日より冬らしい寒さになってきましたね。
今日は陽の光で少し暖かかったですが、それでも寒いことにはかわりありませんね。
今回は寄生虫のズーノーシスについてお話しします。

はじめにアニサキス症についてお話しします。
このアニサキス症は魚介類を生食する文化である日本において起こりやすいものです。
このアニサキスはイカやサンマ、サバなどの内臓や筋肉に寄生しており、その部分と一緒に幼虫が口に入ることで感染します。
感染すると激しい腹痛や嘔吐があります。
アニサキスの幼虫はよく加熱すること、もしくは長時間冷凍(-20℃で24時間以上)することにより死滅させることができます。
また鮮度の高い状態であれば、アニサキスは内臓にほぼいるため、内臓を取り除けば刺身として食べられます。
厚生労働省の指導では以上のことなどが挙げられており、この指導をしっかりと守っているスーパーなどの販売店で刺身用として売られているものは食べることができます。
ただ踊り食いといった魚介類の生食は感染する危険性が高いので避けるかそのリスクを理解したうえで行ってください。
また魚介類の生食で問題となるものとして顎口虫症や横川吸虫症、裂頭条虫症などがあります。
次にエキノコックス症です。

これは北海道や青森といった緯度の高い地域で認められる感染症です。
キタキツネなどの野生動物、犬や猫などの糞の中にいるエキノコックスが口から入ってしまうと感染してしまうのですが、症状が出てくるまで成人だと10年以上かかり、深刻な肝障害を引き起こします。
対策としてはエキノコックスがいる地域のキツネや野犬に近づかないようにすることです。
現在日本の本州に広がってきてはいませんが、去年愛知県でも感染経路は不明ですが、エキノコックス症と診断された野犬が報告されたので注意が必要です。
ちなみにこのエキノコックス症は間違いはありますが、某無免許天才外科医が主人公の漫画において取り上げられたことがあります。
次はトキソプラズマ症です。
これは食肉(特に豚)や妊婦さんで問題となってくることが多いです。
ヒトにおいては免疫がしっかりしている大人は症状が出ない、もしくは軽度の症状で済むことが多いのです。
ただし、妊婦さんが初めて感染してしまうとお腹の中の子供にこの寄生虫が感染してしまい、流産してしまったり、胎児の脳や眼に障害が出てしまったりします。
ヒトの場合、トキソプラズマに初感染した猫経由の感染が考えられます。

外に出ていく猫ちゃんだとこの寄生虫に感染する可能性があり、初感染すると数週間オ―シストという寄生虫の卵を排出し、人はこれを摂取してしまうと感染してしまいます。
ただし、室内飼いで生肉を食べず、市販のキャットフードを食べている猫ちゃんの場合はほぼ感染することはないです。
また便中に出たオ―シストが感染する力を持つまでには1日以上かかるため、毎日しっかりトイレを片づけていれば感染することはないです。
そのため妊婦さんがいる家庭で飼っている猫ちゃんを手放したり、隔離したりする必要はなく、トイレの片づけをできるだけ家族の方にやってもらったり、自身で片づけるにしても使い捨ての手袋を使用して行えば問題ありません。
最後に疥癬についてお話しします。
皮膚にヒゼンダニが寄生することにより激しい痒みを伴う皮膚疾患です。
疥癬については過去の院長のブログで犬や猫やハリネズミの動物種で紹介されています。
この寄生虫に関しては診療を行っている上で遭遇することが多く、時に手が痒くなることがありました。
対策としては症状の出ている動物がいる場合は治療を行い、駆除することと飼っているケージや使っている毛布などを熱湯などで消毒をするといったことが挙げられます。
今回は以上で終わります。
もしよろしければ

こちら
のクリックをよろしくお願いします。
今年は暖冬と言われておりますが、昨日より冬らしい寒さになってきましたね。
今日は陽の光で少し暖かかったですが、それでも寒いことにはかわりありませんね。
今回は寄生虫のズーノーシスについてお話しします。

はじめにアニサキス症についてお話しします。
このアニサキス症は魚介類を生食する文化である日本において起こりやすいものです。
このアニサキスはイカやサンマ、サバなどの内臓や筋肉に寄生しており、その部分と一緒に幼虫が口に入ることで感染します。
感染すると激しい腹痛や嘔吐があります。
アニサキスの幼虫はよく加熱すること、もしくは長時間冷凍(-20℃で24時間以上)することにより死滅させることができます。
また鮮度の高い状態であれば、アニサキスは内臓にほぼいるため、内臓を取り除けば刺身として食べられます。
厚生労働省の指導では以上のことなどが挙げられており、この指導をしっかりと守っているスーパーなどの販売店で刺身用として売られているものは食べることができます。
ただ踊り食いといった魚介類の生食は感染する危険性が高いので避けるかそのリスクを理解したうえで行ってください。
また魚介類の生食で問題となるものとして顎口虫症や横川吸虫症、裂頭条虫症などがあります。
次にエキノコックス症です。

これは北海道や青森といった緯度の高い地域で認められる感染症です。
キタキツネなどの野生動物、犬や猫などの糞の中にいるエキノコックスが口から入ってしまうと感染してしまうのですが、症状が出てくるまで成人だと10年以上かかり、深刻な肝障害を引き起こします。
対策としてはエキノコックスがいる地域のキツネや野犬に近づかないようにすることです。
現在日本の本州に広がってきてはいませんが、去年愛知県でも感染経路は不明ですが、エキノコックス症と診断された野犬が報告されたので注意が必要です。
ちなみにこのエキノコックス症は間違いはありますが、某無免許天才外科医が主人公の漫画において取り上げられたことがあります。
次はトキソプラズマ症です。
これは食肉(特に豚)や妊婦さんで問題となってくることが多いです。
ヒトにおいては免疫がしっかりしている大人は症状が出ない、もしくは軽度の症状で済むことが多いのです。
ただし、妊婦さんが初めて感染してしまうとお腹の中の子供にこの寄生虫が感染してしまい、流産してしまったり、胎児の脳や眼に障害が出てしまったりします。
ヒトの場合、トキソプラズマに初感染した猫経由の感染が考えられます。

外に出ていく猫ちゃんだとこの寄生虫に感染する可能性があり、初感染すると数週間オ―シストという寄生虫の卵を排出し、人はこれを摂取してしまうと感染してしまいます。
ただし、室内飼いで生肉を食べず、市販のキャットフードを食べている猫ちゃんの場合はほぼ感染することはないです。
また便中に出たオ―シストが感染する力を持つまでには1日以上かかるため、毎日しっかりトイレを片づけていれば感染することはないです。
そのため妊婦さんがいる家庭で飼っている猫ちゃんを手放したり、隔離したりする必要はなく、トイレの片づけをできるだけ家族の方にやってもらったり、自身で片づけるにしても使い捨ての手袋を使用して行えば問題ありません。
最後に疥癬についてお話しします。
皮膚にヒゼンダニが寄生することにより激しい痒みを伴う皮膚疾患です。
疥癬については過去の院長のブログで犬や猫やハリネズミの動物種で紹介されています。
この寄生虫に関しては診療を行っている上で遭遇することが多く、時に手が痒くなることがありました。
対策としては症状の出ている動物がいる場合は治療を行い、駆除することと飼っているケージや使っている毛布などを熱湯などで消毒をするといったことが挙げられます。
今回は以上で終わります。
もしよろしければ

こちら

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