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チンチラの疾病

2023年8月14日 月曜日

チンチラの陥頓包茎(ファー・リング/Fur ring)

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、チンチラのペニスが包皮から飛び出て戻らなくなる症状(陥頓包茎)とその原因となる輪状の被毛(ファー・リング)についての考察です。

チンチラのチロ君(雄、3歳10か月齢、体重540g)は陥頓包茎を発症して受診されました。

チロくんは包皮から飛び出たペニスが戻らないままの状態となりました。

本人も患部を気にして舐めたり、排尿しずらそうな様子です。



下写真黄色丸は陥頓包茎を示します。



下写真矢印は、露出して戻らなくなったペニスの付根にリング状に毛が絡んで締め付けている状態を示します。





早速、このファー・リングを摘出するために流動パラフィンを染み込ませます。



ファー・リングにパラフィンが馴染んだ所で、ピンセットで少しずつファー・リングを外します。







ファー・リングが取れました。



暫くの間、ペニスが戻らない(陥頓包茎)状態にありましたので、包皮内にペニスを戻します。



綿棒で優しくペニスの先端を押します。

ペニスが、流動パラフィンで濡れているため容易に包皮に完納出来ました。





下写真は、ペニスから外したファー・リングです。

そんなに厚い被毛の輪でありませんが、それでも十分ペニスの付根と包皮間に食い込むと陥頓状態を招きます。

一般には、成熟した雄で過剰な身づくろいや発情に伴う尿のマーキングをする個体にファー・リングは良く見られます。



陥頓状態が続くと排尿障害で尿毒症に至る場合があります。

あるいは、細菌感染で亀頭包皮炎を起こす場合もあります。

長時間に及ぶペニスのファー・リングによる絞扼でペニスが壊死を起こす可能性もあります。

陥頓包茎が認められたら、まずはペニスの付け根まで包皮をめくり、ファー・リングの存在を確認したら速やかに上記の処置で外して下さい。





ファー・リングを外すことで、快適に排尿も出来る様になります。

チロ君、お疲れ様でした!



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2023年7月26日 水曜日

チンチラの骨肉腫

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、チンチラの骨肉腫です。

骨肉腫とは、組織学的に腫瘍性の類骨・骨を形成する悪性腫瘍と定義されます。

特に原発性悪性骨腫瘍の中では最も発生頻度が高い腫瘍です。


チンチラの陽君(雄、13歳、体重470g)は右後肢の第2指が腫れているとのことで来院されました。

下写真の黄色丸が患部です。

明らかに右第2指が著しく腫大しています。





下写真黄色矢印が、爪先から中節骨の横方向へと腫れている患部を示します。



レントゲン撮影を実施しました。

末節骨と中節骨にかけて既に骨融解を示すレントゲン像(下写真黄色矢印)が確認出来ます。

患部骨の辺縁が波状の突起(骨融解像)を示している点から骨腫瘍を疑います。

因みに陽君の肺野への腫瘍転移はレントゲン上では認められませんでした。



側臥の画像です。



原発性骨腫瘍であれば、断脚が第一選択となります。

確実な断脚であれば、膝関節もしくは足根関節(足首の関節)から下を離断する方法もあります。

しかし、チンチラは体重のほとんどを後肢に荷重します。

膝関節から下の断脚は、健常側の後肢に荷重が偏ります。

特に足根関節から下を離断すると床面との摩擦で薄い皮膚は慢性的にはがれ、皮下から骨が露出して常時疼痛に悩まされ、最悪骨髄炎になると思います。

陽君の場合は、中足骨と基節骨の間の関節(つま先から数えて3番目の指の関節、中足趾節関節というから離断することで腫瘍患部を切除できます。

次いで、周辺の軟部組織で中足趾節関節を包み込む形で縫合できれば、今までどおりに歩行が見込めます。

その離断すべき関節部を下写真の黄色矢印で示します。



関節を外すには、正確に関節包に硬性メスで切開を加え、指骨周囲の靭帯・血管・神経を整理する術式を執ります。

飼い主様の要望もあり、術後に大幅に歩行困難になる術式は避けて、私の提案する指の関節を外す術式で手術を行うこととなりました。

陽君を全身麻酔します。

いつものように麻酔導入箱に陽君に入ってもらい、イソフルランで麻酔導入を実施します。



麻酔導入が完了しました。



マスクによる維持麻酔に切り替えます。



断脚する患部を綺麗にカミソリで剃毛します。



中足骨と基節骨の周囲を目票にメスで皮膚切開します。





切開部を鉗子で広げると靭帯の走行が認められます。



血管の走行も密に走っており、出血もありますので電気メス(バイポーラ)で止血します。



慎重に皮膚と皮下組織を指骨から分離していきます。





中足骨と基節骨による関節(中足趾節関節)を黄色丸で示しました。



この関節包にメスの先を当てて切開していきます。



下写真の関節の切開部(黄色丸)から滑液が漏れ出てます。





下写真黄色丸は関節を外した基節骨の近位端です。



基節骨に付着している軟部組織を剥離します。







下写真黄色丸は、完全に離断された基節骨から腫瘍を含んだ爪先までを示します。





剥離した軟部組織からの出血が著しく、バイポーラで止血します。



出血は止まりました。



指の周囲の皮膚を6-0と5-0の縫合糸で縫合します。





指骨を関節から摘出していますので、縫合のための縫い代が広く取れます。









縫合は終了です。





下写真の黄色丸が離断した基節骨から腫瘍を含んだ爪先です。



患部の拡大写真です。



側面の写真では、露出した基節骨(黄色矢印)が認められます。



患部の病理所見です。

下写真は低倍率像です。

既存の指骨組織と連続して周囲間質へ拡大する充実性の腫瘍増殖巣が形成されてます。



中等度の倍率です。

増殖する細胞は、核小体の明瞭な卵円形核と紡錘形細胞から成り、錯綜する束状の配列で密に増殖してます。



高倍率の画像です。

多巣状に粘液から軟骨様の基質、類骨の産生巣が散在し、多角巨細胞も多数認められます。



病理検査の結論として、肉巣に相当する間葉系の悪性腫瘍性病変が認められました。

指骨との連続性や軟骨・骨様の基質産生の存在から骨肉腫と診断されました。

病理医からは、病巣部は切除断端に及ばず、標本上は完全切除と判断されました。



手術が終了して、麻酔から半覚醒の陽君です。



麻酔覚醒から一時間後の陽君です。





特に右後肢を拳上することなく、接地歩行出来てます。



陽君は術後の経過も良好で、2泊3日で退院して頂きました。

下写真は、退院当日の患部です。



特に縫合部からの出血、腫脹も気になりません。









実際、チンチラの骨肉腫の報告例は少なく、その挙動は不明とされています。

一般的には、局所浸潤と肺を主体とした遠隔転移が問題となる腫瘍のため、今後の陽君の摘出患部と肺を含めた転移病変の有無についてモニタリングが必要です。



陽君お疲れ様でした!






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2023年2月14日 火曜日

チンチラの脛骨骨折(創外固定法 その2)

こんちは 院長の伊藤です。

前回、チンチラの脛骨骨折(創外固定法 その1)でチンチラのしずくちゃんの脛骨骨折の手術をご紹介しました。

その詳細(チンチラの脛骨骨折 創外固定法 その1)はこちらをクリックして下さい。

本日は、その後のしずくちゃんの骨折治癒までの経過をご報告します。



骨折は治癒に至るまで非常に時間を要します。

骨折整復手術の成否は、手術自体の成功はもとより、何か月後に骨癒合が完全になされたかで決まります。

骨折の部位によりますが、1~3か月は安静が必要となります。

つまり骨癒合が完了するまでは、飼主様はもとより術者としての私も安心出来ません。

加えて、今回は創外固定法ということで手術後のケアが大変です。

それでは、しずくちゃんの骨癒合までの道のりをご覧いただきましょう。




チンチラのしずくちゃん(雌、1歳8か月齢、体重480g)は右脛骨を骨折しました(下写真黄色丸)。





骨折部の整復法として、創外固定法を実施しました。





黄色矢印が骨折部です。

骨折部の一部が粉砕して間隙があり、骨折端の完全な整復は期待できないのですが、後の仮骨による架橋形成を期待します。



パテで両側を固定して、手術は終了です。



以上が前回のあらましです。




その後、しずくちゃんは定期的に来院して頂き、ピン刺入部の術部管理をしました。



ピンが皮膚に刺さってる部位は、細菌感染の恐れがありますので、定期的に消毒洗浄します。



患部の洗浄をしています。



ピン刺入部にイソジンゲル®を塗布します。





再び、パテを脱脂綿で包み粘着テープで保護して終了です。



上記の消毒洗浄を行いながら、骨癒合するまでレントゲン撮影を継続して行いました。


以下に継時的に骨折部のレントゲン像を載せます。

術後4週目では、まだ骨折部をカバーする仮骨形成は不十分な状態です。



続いて、12週目の画像です。

仮骨の形成は進行しており、脛骨自体のアライメントもまっすぐに近い状態になって来ました。



16週目になると骨折ラインはもはや判明できないくらいに修復してます。

4か月近くの術後管理は大変でしたが、やっとピンを除去することが出来ます。



これから、しずくちゃんの創外ピン抜去を行います。

骨折整復手術時と同じくイソフルランで麻酔導入を実施します。



維持麻酔も落ち着いたところで、テーピングをはずしパテと創外ピンを露出します。



下写真黄色矢印に創外ピンが確認できます。



ピンをニッパーで切断していきます。



パテを外しました。



脛骨に残っている創外ピンをハンドドリルに装着して、ピンを抜去します。



まず、しっかり皮膚を消毒洗浄します。



ピンに絡みついた被毛を外します。



ピンバイスに創外ピンを装着し、骨髄内に残存したピンを抜去します。





ピン抜去が完了しました。



ピン抜去直後のレントゲン像です。

ピンの刺入した穴が確認されますが、骨折部(下写真黄色矢印)の骨癒合は完了してます。





ピンで刺入部の皮膚が修復するまで、1週間ほどテーピング保護します。







長い期間にわたる療養期間に耐えてくれたしずくちゃんです。

重いパテも取り除いたので、肢の動きも軽やかです。



ピン抜去から1週間後のしずくちゃんです。

動きが俊敏で写真撮影が難しいくらいです。







骨折した右後肢の動きもスムーズで、跛行も認められません。





骨癒合も完了し、神経学的問題もなく無事治療を終了出来て良かったです。

しずくちゃん、お疲れ様でした!





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2023年1月29日 日曜日

チンチラの脛骨骨折(創外固定法 その1)

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、チンチラの後肢骨折の症例です。

今回は骨折の中でも斜骨折・粉砕骨折という整復に大変なケースで創外固定法を選択しました。


チンチラのしずくちゃん(雌、1歳8か月齢、体重480g)は朝起きた時に右後肢を跛行(びっこ)が認められるとのことで来院されました(下写真黄色丸)。



右後肢がぶらぶらしており、触診で骨折が疑われたので、早速レントゲン撮影しました。

下写真黄色丸が脛骨骨幹部の斜骨折及び骨折部が一部粉砕しています。

飼い主様は、何が原因で骨折になったか不明とのことです。

経験的には、ケージの床のスノコに足先を挟んで暴れたり、2階3階建てのケージから落下して骨折というケース事例が多いようです。



側面のレントゲン像です。



さて骨折部の整復法ですが、骨髄ピンによるな内固定法では、骨折部に縦に亀裂が入り十分な固定が望めないと思われました。

チンチラは非常に脛骨の幅が狭く(脛骨の太い所で約4㎜、骨髄腔は1㎜)、犬とは比較にならないくらい細い骨です。

そのため、骨プレートによる内固定にしても、規格のプレートのサイズでは使用できません。

結果、患部にメスを入れることなく、閉鎖的に外部から骨折部の近位端と遠位端を数本のピンで固定する創外固定法を選択しました。

エキゾッチクアニマルの骨折は個人的に創外固定法を選択することが多いです。

過去の記事に創外固定法についてコメントしていますので、宜しかったら参照下さい。(ウサギの橈尺骨骨折その2ウサギの橈尺骨骨折その3



しずくちゃんに全身麻酔を施します。

麻酔導入箱に入ってもらい、イソフルランを流します。





麻酔導入が完了し、箱から出して維持麻酔に変えます。



骨折部の体毛を剃毛します。



チンチラの体毛は柔らかく細いため、完全に剃毛するのが大変です。



下写真黄色丸は骨折部です。

骨髄が破壊され、内出血している(黄色丸)のがお分かり頂けると思います。



これから手術に移ります。

創外固定法は、ピンを骨折部を挟み込むように打ち込みます。

骨折部にメスを入れることなく実施するため、打ち込む位置を認識するには空間把握能力が問われるところです。



これからドリルでピンを打ち込んでいきます。





脛骨近位端をピンドリルで貫通してます。







レントゲンを参考にノギスでピン刺入の位置を決めます。



2本目のピンを刺入します。







次いで、骨折部を挟んで脛骨の足根関節寄りにピンを刺入します。



脛骨遠位端にピンを刺入します。





3本目のピンを刺入れたところでレントゲンを撮りました。

狙いをつけた部位にピンは入っています。



4本目のピンを刺入します。



後でこれらのピンをパテで固めますが、パテの硬化後の安定性を高めるために、ピンの刺入角度を少し変えて打ち込みました。



パテとピンの接触面積を増やすために、折り曲げたピンの長さを長めにしてペンチでカットします。





ピンの折り曲げは下写真のような形でまとめます。



ピンを4本刺入したところのレントゲン像です。

ピンを近位端と遠位端で牽引して、骨折部の整復(ストレッチング)を行います。

骨折してから、時間が経過すると筋肉が拘縮してストレッチングが困難となります。

骨折部が粉砕しているため(下写真黄色矢印)、この状態が整復の限界です。

この状態を維持するために速やかにパテでピンを固定します。



ピンにパテを盛り付けます。

エポキシパテ金属用®という固定素材を使用します。

当院では、このパテをエキゾチックアニマルの創外固定に使用することが多いです。



エポキシパテは、手で揉んで10分で完全に硬化しますので、手際よくピンに絡めながら盛り付けていきます。



後肢の内側と外側にパテの盛り付ける量的バランスを考慮して、均等に盛り付けていきます。



これで、パテの固定は終了です。

ピン刺入部には、皮膚からの雑菌汚染を予防する意味で、イソジンゲル®10%を塗布してます。





仕上げの状態でレントゲン撮影しました。

骨折部に仮骨が形成され、骨折間隙を埋めてくれるまで、安静に務めてもらうことになります。



パテがケージや食器にぶつかったりするとピンを介して衝撃が骨に伝達され、場合によっては骨のピン刺入部から亀裂が入る場合があります。

それを防ぐために、脱脂綿でパテを包んで緩衝材とします。



最後に粘着テープで内外側のパテを包んで終了です。







大変な手術でしたが、しずくちゃんは耐えてくれました。



イソフルランを切り、半覚醒の状態です。



麻酔から覚醒したしずくちゃんです。



骨折の手術は、骨折部が癒合するまで安心は出来ません。

創外固定法は患部を切開して、観血的に手術を行うわけではないため、ある意味地味な手術かもしれません。

骨髄ピンや骨プレートで内固定する方法と比較して、術後の経過観察や創外ピンのメンテナンスが煩雑な点が短所と言えるかもしれません。

チンチラのように3次元的な動きをする動物は、パテで固められた創外ピンが各種障害物と干渉します。

チンチラからすれば、重いおもりを足にぶら下げているようなもので、限りなくストレスを感じていると思われます。



脛骨骨折でも単純な横骨折であれば、1か月位で骨癒合まで期待できると思います。

しずくちゃんの場合は、骨癒合まで数か月かかると思われますので、飼主様にしっかりお世話して頂く必要があります。


しずくちゃんが、完全に治癒するまでの経過をチンチラの脛骨骨折(創外固定法 その2)として近日中に載せますので、ご期待ください。

それでは、しずくちゃん、お疲れ様でした!



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2022年6月20日 月曜日

チンチラの死産

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、チンチラの死産です。

ここでチンチラの繁殖について、触れておきたいと思います。

チンチラの雄の性的成熟早くては3か月齢、平均的には6か月齢です。

雌の性的成熟は4か月から8か月齢と言われます。

雌の発情は1か月から1.5か月に一度、数日間やって来ます。

この数日間に交尾が行われ、交尾自体は一瞬で終了します。

交尾が成功裏に終わると半日以内に雌の膣から膣栓と呼ばれる白色の分泌液の塊が排出されます。

妊娠期間は、ウサギの28日間と比較すると平均111日間と非常に長いのが特徴です。

チンチラは、流産・死産が比較的多いです。

子宮内で胎仔は成長して骨化も進行しますが、何らかの原因で死亡し、結果として胎仔は吸収されます。

死産の原因は、栄養失調であったり、飼育環境の不全(高温多湿)によるストレス、物理的な落下、合併疾患によることが関係しています。

さて、そんなチンチラですが、本日は死産の症例について報告させて頂きます。



チンチラのウルちゃん(体重600g、雌、1歳)は、同居の雄と交配し、出産予定日から約1週間遅れて2匹を流産しました。

流産して2週間経過しても、陰部からおりものが出るとのことで当院を受診されました。







まずは、レントゲン撮影を実施しました。



子宮周辺を拡大します。

下写真黄色丸に恐らく胎仔の骨格と思われる像が認められます。



下は側臥姿勢のレントゲン像です。



子宮周辺の拡大像です。

黄色丸は既に吸収過程にある胎仔の骨格を示します。

この1匹は子宮内で死亡し、吸収されているものと思われます。



この死産した胎仔が吸収されるか、排出されるかを経過観察することとしました。

暫くは、抗生剤・消炎剤の投薬を継続します。

初診から1週間後にはおりものも陰部から出なくなり、ウルちゃんの全身状態も良好となりました。

そして、初診から2週間後に胎仔の骨格と思しきものを排出したとの連絡を飼主様から頂きました。

下写真は、飼主様がお持ちいただいた胎仔の骨格(陰部から排出したもの)です。





下写真の黄色矢印は胎仔の足の名残と思われます。



流産からカウントして約1か月近く胎仔は子宮内に存在したと思われます。

慢性的な子宮疾患にまで発展しなくて良かったです。

ウルちゃん、頑張りましたね。



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