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皮膚の疾患/うさぎ

2019年2月15日 金曜日

ウサギの線維付属器過誤腫

こんちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、ウサギの皮膚に出来た、いわゆるしこりです。

以前、犬の線維付属器過誤腫についてコメントしましたので興味のある方は、こちらをクリックして下さい。



ミニウサギのマリオ君(10歳5か月齢、雄)は尻尾の近くに腫瘤が認められるとのことで来院されました。






この腫瘤は1年半ほど前から出来ていたのですが、当初1㎝くらいのものが現在は4㎝近くにまで大きくなってます。

事前に細胞診で上皮性の腫瘍(毛芽腫)の可能性があると判断しています。

ただ、場所的に排便・排尿の障害になり、座る姿勢にも負担が認められるようになって来ましたので、飼主様としても切除を希望されました。

問題は、マリオ君はすでに10歳半という超高齢ウサギである点です。

ヒトの年齢に換算すれば、100歳近い年齢と言えます。

ウサギの麻酔管理は犬猫に比較しても難しいのですが、さらに高齢であるほどに麻酔の難易度はアップします。

それでも日常生活の質が低下しますので、外科的に腫瘤を摘出することとしました。

事前に血液検査(下写真)を行い、肝機能・腎機能などをチェックしました。



マリオ君は血液学的には、麻酔に耐えられる主要臓器を有していることが判明しました。

下写真の黄色丸が腫瘤です。



患部を分かりやすくするためにバリカンで剃毛します。



下写真の赤矢印は尻尾を示してます。



私がつまんでいるのが患部の腫瘤です。

皮膚から突出して、ぼんぼりの様にぶら下がっています。



今回は極力、短時間で手術を終了させるためにイソフルランのガス麻酔で導入します。



次第に導入麻酔の効果が出て来ました。



仰向けの姿勢となり、生体情報モニターの電極を装着し、慎重に麻酔を進めて行きます。





腫瘤に栄養を運ぶ血管が、腫瘤付け根の茎の部分を通っているため慎重にメスを入れます。



思いのほか、出血がありましたので切開部位をバイポーラ(電気メス)で止血します。



念のため、バイクランプで茎の中心部の血管をシーリングします。



最後にバイポーラで切断します。





皮膚を縫合して手術終了です。

メスを入れて15分です。



マリオ君が無事、覚醒するまで慎重に対応します。



モニター上の数値(心拍数、酸素分圧など)も問題ありません。



10分程でマリオ君は完全に覚醒出来ました。

高齢のため麻酔は神経質に対応しましたが、無事生還出来て良かったです。





今回、摘出した腫瘤です(背側面)。



腹側面です。

切断面が見えます。



腫瘤の中央部にメスを入れてみました。



メスによる断面です。

腫瘤内には、嚢胞が形成されており、その中身がなんと被毛(写真黄色矢印)でした。



被毛を拡大した写真です。





病理検査にこの腫瘤を出しました。

診断名は線維付属器過誤腫とのことでした。

下が病理標本の写真(低倍率)です。



中拡大像です。

この腫瘤は、異型性の無い線維結合組織(腫瘍ではない)によって構成されていました。

下写真黄色矢印は多巣性に密生した毛包を示します。



過誤腫とは一般に腫瘍と奇形の中間的な性格の病変とも言われています。

線維付属器異形性とも呼べる病態で、尻尾の横の皮膚に出来た腫瘤の中に皮膚の組織が形成(過誤腫)されたようです。

その腫瘤内の毛包が発毛を始め、今回のように次第に腫瘤は大きくなっていったと考えられます。

過誤腫の構成細胞は周囲の正常細胞と同一であり、成熟した細胞で占められますが、過剰に増殖していく傾向を持ちます。

この線維付属器過誤腫は非腫瘍性・良性増殖です。

慢性的な物理的刺激や外傷などでも起こります。

今回の腫瘤は、お尻の周辺に生じたものですから、床材との摩擦が腫瘤増大のきっかけになったのかもしれません。

外科的に完全に切除することで完治されます。



高齢のため全身麻酔が心配されましたが、問題なく手術は終わり、安心しました。

マリオ君、お疲れ様でした!





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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2015年8月30日 日曜日

ウサギのハエウジ症(その2)

こんにちは 院長の伊藤です。

まだまだ暑い日が続きます。

今年の夏も色んな疾病の動物達の治療に関わって来ました。

その中でも体感的に辛かった疾病にハエウジ症があります。

外陰部や肛門周囲を不衛生な状態にほっておきますとハエが卵を患部に産み付け、孵化したウジが患部を穿孔して皮膚から皮下組織、場合によっては筋肉層まで侵入します。

以前、ウサギのハエウジ症を紹介させて頂きました。

興味のある方はこちらもご参照下さい。



ネザーランドドワーフのおはぎ君(雄、4歳)は食欲不振から虚脱(ショック)状態に陥り、来院されました。



体温も40度あり、熱中症の疑いが認められました。

点滴やステロイドの投薬をして経過観察としましたが、その2日後に再診で来院されました。

2日前と比べて症状は多少改善はありますが、活力の低下は否めません。

腐敗臭が陰部周辺(下写真黄色丸)から漂ってきましたので、患部を確認したところハエウジの感染が認められました。



下写真の矢印が示すのがウジです。

おはぎ君の陰嚢の下側に多数のウジが皮膚を食い破って侵入しています。



毛が密生していますので、パッと見では気付かないかもしれません。



まずは、鉗子でウジを一匹づつ掴んで取り除いていきます。

ハエウジの動きは俊敏で一瞬で被毛の裏側や欠損している皮膚の中へ潜りこみます。

鉗子でつまみ出す行為自体が煩雑で苦労します。



ざっと取り除いたウジは軽く100匹を超えました。



ウジに荒らされた陰嚢周辺部です。

皮膚がウジにより、裂けて食い破られて、精巣が露出しています。



最後に洗面器の中に下半身を漬けて患部を洗浄します。



患部洗浄処置後のおはぎ君です。

疼痛のためか体に力が入らない状態です。



患部からは滲出液が出てきて、若干の腫脹が認められます。

今後は患部を洗浄消毒を繰り返して、抗生剤の投薬や褥瘡・皮膚潰瘍治療剤のイサロパンを患部に散剤します。



2日後のおはぎ君です。

患部はイサロパンで白くなっていますが、膿が固着しています。



5日後のおはぎ君です。

患部の腫脹が進行してます。

加えて、便や尿が患部を汚染して衛生的に管理することが困難な状態です。





14日後のおはぎ君です。

患部は肉芽組織が形成されて、一部痂皮(かさぶた)が形成されています。

イサロパンの効果もあり、炎症で滲出液がジワジワ出ていた状態はクリア出来ました。



26日後のおはぎ君です。



患部は綺麗になっています。

陰嚢の裏側は痂皮形成がありますが、それももうすぐ脱落して新生した皮膚組織に変わると思われます。



ハエがあらゆる動物に卵を産み付けるわけではありません。

産卵の対象となるのは、衰弱して近々に死亡するであろう動物です。

今回、おはぎ君は熱中症と思しき症状で全身状態が悪く、排尿排便の切れが悪く陰部・肛門部が汚れていたのがいけなかったと思われます。

熱中症は幸い軽度であり、おはぎ君の回復と共にハエウジによる障害は改善しました。



高温多湿な時期は、ウサギに限らず犬猫であっても陰部・肛門周囲は衛生的に保つように心がけて下さい。

おはぎ君、お疲れ様でした!




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2014年3月 7日 金曜日

フレミッシュ・ジャイアントのツメダニ症(ソアホック合併症)


本日は、ウサギの外部寄生虫症の中でもツメダニの感染をご紹介します。

ツメダニ感染症については以前、詳細をコメントしましたのでこちらを参照ください。

今回は、ツメダニ単独の寄生によって、結果的に足裏への負担が重なり、ソアホックに至ってしまったという症例です。


フレミッシュ・ジャイアントのたけし君(1歳2か月、雄)は、足裏に皮膚炎(軽度の潰瘍)があるとのことで来院されました。



その時のたけし君のソアホック治療の模様は、こちらをご覧下さい。

下写真の黄色丸にあるように足裏が炎症を起こして赤く腫れています。

左足に至っては軽度の潰瘍が認められます。



ソアホックは長時間にわたり同じ姿勢でいることで、ウサギの足裏の血行障害が生じて足裏の皮膚が炎症、潰瘍に至り歩行が困難になる場合もあり、注意を要する疾病です。

ソアホックについての詳細はこちらを参照下さい。


たけし君のソアホックにどうしても目が行ってしまうのですが、よくよく足裏を診ていますと爪の付根あたり(下写真黄色丸)に痂皮が出来てます。







ウサギのツメダニ感染症の場合、背中の体幹部の脱毛、落屑が顕著な症状で現れます。

まずは、この痂皮をメスの刃で掻破して顕微鏡で検査してみました。

真っ先に虫卵が見つかりました。



次にツメダニの成虫が発見されました。



拡大写真です。



このようなツメダニが認められましたので、早速駆虫のためにレボルーション®を投薬しました。



たけし君はフレミッシュ・ジャイアントというウサギの中でも巨大化する品種で、最大25kg位にまで成長する個体もあるそうです。



当然、足裏にかかる荷重も大きいです。

おそらく、ツメダニの感染が最初にあり痒みに耐えていたのでしょうが、後足の踵に荷重のバランスをかけて、自重の重さもありソアホックに至ったのではないかと思われます。

まだたけし君は、5kg足らずですがまだ成長する余地は十分です。

まずはツメダニの駆虫を経過観察することにしました。

1週間後のたけし君です。

下写真の矢印はまだ赤いですが、痂皮ははずれて綺麗になっています。





下写真は、さらに2週間後のたけし君です。

下毛も生えてきています。





ツメダニは完全に駆虫できており、患部を掻破検査してもダニは認められません。

ダニがいなくなる頃には、ソアホックもいい感じで治ってきました。

踵の下毛もしっかり生えそろいました。



犬猫のように、肉球を持たないウサギにとって足裏は重要な部位です。

今回の様に大型品種の場合は、ツメダニ感染が引き金になって、重度のソアホックに至る可能性もあるということを示唆しています。

爪の付根に痂皮が認められたら、最寄りの動物病院で診察を受けて下さいね。






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2013年9月 3日 火曜日

ウサギのノミ感染症



私の経験上、ウサギの外部寄生虫感染症で一番多いのはツメダニ等の疥癬です。

しかし、先日珍しくノミ感染症のウサギが来院されました。

本日はウサギのノミ感染症をご紹介します。



イングリッシュ・アンゴラの もな 君(6歳、雄)は背中の被毛が脱毛し、痒がるとのことで来院されました。



ご覧のとおり、アンゴラは長毛種で良く見ないと頭がどちらかわからないくらい被毛で覆われています。

まず背中を診てみますと下写真の様に黒い粉が大量に皮膚に付着しています。



これは何かといいうとノミの糞です。

実際、被毛を選り分けているときに何匹かのノミが皮膚を走っていくのを発見しました。

残念ながら、あまりにノミの動きが速すぎて写真を撮ることができませんでした。

ノミの喰いつかれて吸血される痒みで、一生懸命患部を肢で掻いたり、舐めているようです。

当然のことながら、脱毛のエリアも広がっているようです。



ノミの駆除に関しては、当院ではレボルーション®を試用しています。

フロントライン®は、ウサギの使用は禁忌です。

副作用で重篤な状態になる恐れがあります。

もな君に早速、レボルーション®を塗布しました。

加えてノミアレルギー皮膚炎を起こしていますので、ステロイドの内服を処方しました。





もな君のご自宅には、他に猫を飼っているそうなので、おそらくその猫からの感染と思われます。

ウサギへの感染は殆どが猫ノミです。

加えて犬のノミ感染も70%が猫ノミと言われています。


ノミが、皮膚から吸血する際に自身の唾液を、宿主の皮膚に入れます。

この唾液を異種蛋白として、宿主は認識します。

次にノミに咬まれると、アレルギー反応が稼働して、初回以上の痒みが増強されます。

結果として、ノミアレルギー症を発症してしまいます。


もな君の場合は、被毛が毛玉を形成して通気性が悪くなっており、ノミにとってはさらに繁殖しやすい環境にあったのでしょう。

まめなブラッシングも重要なポイントです。

飼育環境下で潜伏しているノミもいるかもしれませんので、定期的にノミ予防を実施した方が良いです。

もな君、お疲れ様でした。




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2013年8月10日 土曜日

ウサギの頚部咬傷(肉垂損傷)

ウサギの雌はどんなに遅くとも、2,3歳以降になりますと頚部下方に大きな肉のヒダが形成されます。

これを肉垂(にくすい)と称します。

この肉垂は個体差があり、肥満傾向のあるウサギは大きな肉垂をしていることが多いです。

よく肉垂を指してウサギのマフラーといわれる飼主様も多いです。

出産時にこの肉垂の被毛をむしって、巣材にしたりもします。



今回、ご紹介しますのは、三重県からはるばるご来院頂きましたホーランドロップイヤーのきなこちゃん(7か月)です。



きなこちゃんは、この肉垂の付け根にあたる皮膚が炎症を起こし、自身で齧って皮膚潰瘍になってしまいました。



上写真黄色丸で囲んだ部位が、自咬症で生じた皮膚の傷です。

すでに薄い瘡蓋が形成されていますが、きなこちゃんからすると患部が痒いようで自咬が続いているようです。

早速治療に入ります。

まず患部を丹念に消毒液で先勝消毒します。



患部に肉芽組織形成を促すクリームと抗生剤のクリームを塗布します。



患部を保護するためにガーゼでテーピングして保護します。





遠方から受診されていますので、ご自宅で患部の消毒とクリームの塗布を指示して終了です。

下写真は、きなこちゃんの3週間後の患部です。



潰瘍を起こしていていた患部は、きれいに新生した皮膚に被覆されています。

発毛もすでに始まっており、患部を隠すくらいになっています。



肉垂は大きいほど皮膚の間で通気性が悪くなりますので、状況によっては湿性皮膚炎を引き起こします。

皮膚炎の患部が気になり始めますと、今回のきなこちゃんの様に自咬に走る可能性があります。

ウサギの切歯(前歯)は非常に鋭利ですから、簡単に皮膚を剥離してしまいます。




暑い日が続きます。

大きな肉垂をお持ちのウサギを飼育されている飼主様は、肉垂の周囲の皮膚が蒸れて炎症を起こしていないかご確認ください。





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