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スタッフブログ

2019年4月 7日 日曜日

獣医師中嶋のコラム ~鎮痛薬(第5回)~

こんにちは、獣医師の中嶋です。

桜も満開に近づき、暖かくなってきて、

過ごしやすい季節になってきましたね。

前回は静脈麻酔についてお話させて頂きました。

前回のコラムはこちら

今回は鎮痛薬についてお話させて頂きます。



以前、麻酔には鎮痛が必要なことをお話ししました。

今回は麻酔の際に使う鎮痛薬についてお話します。


・鎮痛薬はなぜ必要?

麻酔を行う際の鎮静(意識の消失)は、麻酔中の痛みを感じないように意識を

失わせるのではありません

動物は、なぜ手術をされているのか分からないため、人間では局所麻酔で行う

手術でも全身麻酔による鎮静(意識の消失)をして、不安恐怖を取り除く

必要があるのです。

意識を失っていても体は痛みを感じます

そのため、手術の際には鎮静(意識の消失)がされていても、鎮痛を行う

必要があります。


・手術中(麻酔中)の痛みに対しての体の反応

それでは、手術中(麻酔中)に痛みを感じると、体に何が起こるのでしょうか?

大雑把に説明すると、具合が悪くなります。

具体的には、手術による強い深部痛が起こると、血圧低下心拍数低下

不整脈呼吸が浅くなる等が起こります。



これは命に係わる重大な異常です。これらを防ぐために、鎮痛薬を使う

必要があります。

また、痛みは脳に記憶されることが分かっています。手術が終わった後

の痛みや、傷はもう治っているのに痛い(古傷が痛む)等がこれにあた

ります。

人で手足を失った人が、失ったはずの手足が痛むという

幻肢痛(ファントムペイン)もこれにあたります。




・鎮痛薬の種類

鎮痛薬は大きく分けて、

非ステロイド系(NSAIDs)とオピオイド系に分けられます。

非ステロイド系(NSAIDs)

この薬剤はよく効き、重大な副作用も起こしにくいため、とてもよく使われます。

皆さんに、とても馴染みがあると思います。

バファリン®や、ロキソニン®がこれにあたります。

解熱鎮痛剤としてもよく使われ、頭痛、生理痛、ケガをした時にもよく使うと

思います。

炎症を抑える作用があるため、手術後の患部の腫れも抑えることができます。



これは当院で使っている非ステロイド系消炎剤の一つです


オピオイド系

それに比べてオピオイド系は麻薬に指定されているものも多く、

ほぼ劇薬に指定されるため、医師や獣医師の処方がなければ、

目にすることは少ないと思われます。

これらは、ケシから抽出した薬剤で強い鎮痛効果があります。

そのため、術中に強い痛みが予想されるような手術(骨を切る手術、

広範囲の切開が必要な手術など)では使われることがあります。

現在はいろいろな種類の薬剤が出ていますが、モルヒネは知っている方

も多いと思います。

バイコディンも人気の海外ドラマで主人公が飲んでいたので知っている方

もいるのではないでしょうか。



これは当院で使っているオピオイド系鎮痛薬の一つです。

それ以外の薬剤

局所麻酔であるリドカインも局所の鎮痛でつかいます。





スプレータイプもあります

動物では使うことはないと思いますがアセトアミノフェンも鎮痛薬の

一種です。

このような鎮痛薬を使い安全な麻酔を目指しています。


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投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL

2019年4月 1日 月曜日

新人獣医師平林のつぶやき ~尿検査~

こんにちは。獣医師の平林です。

春になり花粉が飛び始め、鼻や目がむずむずするシーズンに入ってげっそりしている方も多いのではないでしょうか。

私もこの時期はいつも鼻が擦り切れてしまうので、今年は花粉が少ないといいなーと思いながら日々を過ごしております。



さて今回のお話ですが、前回の便検査に引き続いて尿検査のお話をさせて頂こうと思います。



みなさんは尿検査はどのようなときにするイメージをお持ちでしょうか。

飼い主様が尿を持参されて検査をさせて頂く場合ですと、おうちの子の尿の色・濁り・臭いなどに異常を感じてお持ち頂くケースが多いかと思います。

尿は全身を循環する血液から腎臓で作られて膀胱へ運ばれ、尿道を通して排泄されます。

そのため腎臓、尿路系の検査としてはもちろん外せないものとなっていますが、糖尿病などの全身的な疾患の検査としても非常に重要なものとなっています。



学校や会社での人間の健康診断でも検査の一つとして項目に入っていることが多い尿検査ですが、その尿でどのような検査が、獣医領域では行われているかについては、聞いたことが無いという方の方が多いかと思います。

お持ち頂いた尿でどのような検査をしているのか、以下に写真を交えながら紹介させて頂きます。







まず、こちらがお持ち頂いたスポイトです。

尿を吸った後に、先端をライターで炙ったりラップで包んだりしてからお持ち頂くことが多いですね。



この採尿ですが、自宅でするとなると苦労される方も多いようです。

容器で受け止めようとすると、おしっこをしている時に横から割り込むかたちになるため簡単にはいかないかと思います。

そういう時は、いつも使っているトイレの砂やシーツを取ってしまう、または裏返したペットシーツを敷くなどして頂き、あとでスポイトで吸い取るといった方法で上手くいく場合もあるので、もし採尿で困ったときは試してみて下さい。



さて、話を戻しまして、このお持ち頂いた尿。

これを使って、いくつかの検査をしていきます。







まずはこちら、尿試験紙を使った簡易的なテストです。

尿中にタンパクが出ていないか、出血はないかといったことを確認していきます。







この試験紙の上に尿を垂らして色の変化を確認し、容器の色調表と見比べます。

下の写真ではタンパクのみ、正常の色調から外れていますね。

軽度の陽性では炎症や出血、尿を我慢していた場合に出てくることがあります。

下の写真では強陽性となっているので、追加の検査でタンパク尿の原因を探っていく必要があります。









下は、拡大した写真です。






次に尿比重、言い換えると水に対する尿の重さ尿の濃さ、を計っていきます。

下に写真をお出ししているのが屈折計で、ここに尿を落とし、覗き込んで目盛りを読み取ります。









覗き込んだところの写真を下に示します。

苦戦しながらようやく撮影しましたが、あまりきれいな写真ではありません。ご容赦ください。






上の写真でかろうじて目盛りが読み取れるかと思いますが、この数値で尿の濃さを判断します。

この数値が低いと、腎臓で尿を濃縮することがなんらかの理由(腎機能障害やホルモン性疾患)で難しくなっている、と考えられます。

逆にこれが持続的に高く、普段から尿を我慢しがちなで濃い尿を少量することが多いという子の場合は、尿による膀胱の洗い出しが十分量でない、ということで尿石症に今後気をつける可能性があるかもしれません。

他には、脱水を起こしているときにも十分量の尿が作れないため、尿比重は高い数値となります。

とはいえ腎臓の尿濃縮力は運動量・飲水量・食事中の水分やタンパクの量・生活環境の温度や湿度に影響を受けますので、数回にわたる継続的な検査や、他の検査結果との複合的な解釈も必要になってきます。



最後に顕微鏡下での観察です。

スポイトからスライドグラス上に尿を一滴垂らし、気泡が入らないように端からゆっくりとカバーグラスをかけていきます。












実際の顕微鏡像を、いくつか紹介させて頂きます。

まずはこちら、血尿で来院した症例です。






下は、拡大した写真です。






尿中に細菌感染がみられ、また赤血球も多量に存在していました。

赤矢印で示すのが赤血球、黄矢印で示す大量の小さい球状の構造物が細菌です。

尿路への細菌感染は、悪化すると痛みによって尿がすっきり出せなかったり、今回のように血が混じったりといった症状がみられます。

次に、尿石症で治療中の症例をいくつか紹介します。







こちら、写真中央に見えているのが尿結晶の中でもストルバイトと呼ばれる種類のものです。

このストルバイトという種類の結晶は、日々の診察において私たちも目にすることが非常に多いです。

この結晶は、尿のphが高くなると(おしっこがアルカリ性になると)形成されます。

phは1~14の数値で評価されますが、先ほど紹介した尿試験紙を使った検査で簡易的に計ることができます。












こちらは、ストルバイト結晶が重度に形成されていた症例です。

尿石症の中でも内科的治療で治すことが可能な結晶と出来ない結晶とがありますが、ストルバイトは食事の改善によって溶かすことが可能なものです。

とはいえ、結晶が重度に形成されてしまい膀胱の中で大きな結石になってしまうと食事の改善だけで溶かすことは困難ですし、また尿道を通って自然に排泄されるというのも期待できません。

そうなると、膀胱内の石はそのままでは膀胱の壁面を傷つけてしまい痛みや出血を伴いますので、外科手術によって取り出すほかなくなってしまいます。







最後にこちら、同じくストルバイト結晶がみられた症例の顕微鏡像です。

写真中央に大きくストルバイトが写っていますが、そのまわりを取り巻くようにモヤモヤしたものが写っていますね。

これは全てカルシウムの結晶で、ストルバイトのように溶かすことはできず、手術によって取り出す必要がでてきます。

ただし、実はこれはウサギさんの尿検査で、ウサギさんにおいてはこのカルシウム結晶が出ているのは至って正常なので、今回はそのような処置はせずに済みました。



いかがだったでしょうか。

今回は尿検査の流れを簡単に紹介させて頂きました。

便検査と同じく、尿検査は動物たちの負担が非常に少ない検査の一つです。

普段のおしっこと違うな、何か違和感があるな、と感じたら気軽に、そして早めに、病院で一度見てもらって下さいね。

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投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL

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