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皮膚の疾患/猫

2015年2月 6日 金曜日

猫のミミヒゼンダニ感染症


こんにちは 院長の伊藤です。

猫を飼育されている飼主様で、耳の中をどれだけまめに耳掃除しても直ぐに汚くなると嘆かれている方も多いです。

そういう猫達の何割かは。ミミヒゼンダニの感染を受けている場合があります。

本日は、猫ミミヒゼンダニのお話です。


メインクーンのモナカちゃん(6か月齢、雌)は耳の中が耳垢でとても汚いとのことで来院されました。





耳の中を検耳鏡で覗いてみます。



耳の中が上手にカメラで撮影できずに申し訳ありません。

実は、耳の中は耳垢で真っ黒です。



検耳鏡のライトの熱に反応して、この耳垢の中で白くうごめくものが若干認められました。

直ぐに耳垢を採取して顕微鏡で検査します。



下写真の様にモナカちゃんの耳の汚れが凄いのがお分かり頂けると思います。





この耳垢を顕微鏡で診ますと下写真の様にミミヒゼンダニが認められました。



拡大写真です。

交尾しているミミヒゼンダニも認められます。



このミミヒゼンダニは、猫の外耳炎症例の半数以上に関与していると言われます。

このミミヒゼンダニは皮膚表面で生活します。

耳の中に入り込み、耳垢腺を刺激します。

耳垢腺とは、車のウォッシャー液にあたる外耳道内を洗浄する分泌液を分泌する腺のことです。

結果として、外耳道内は耳垢、血液、ミミヒゼンダニの排泄物で溢れかえるようになります。

ミミヒゼンダニは宿主のリンパ液や血液を吸うため、猫はミミヒゼンダニの唾液抗原の暴露を受け、感作される場合があります。

したがって、耳の中に今後、少数のミミヒゼンダニが入り込んだだけで激しい耳の痒みを生じることになります。





当院では、猫のミミヒゼンダニについては®レボルーションを塗布して、ダニを殺滅します。

約2時間で全身にレボルーションのセラメクチンという成分が浸透します。

1か月間レボルーションは効果が持続します。

レボルーションをモナカちゃんにつけて、その後耳掃除を実施しました。



耳内が痛痒いのと気持ちよいのと複雑な思いが表情に現れています。







耳掃除だけで疲れてしまったモナカちゃんでした。



ミミヒゼンダニの件はこれで心配ありません。

予防をかねて、レボルーションを継続して塗布されると良いですね。

モナカちゃん、お疲れ様でした!



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2013年2月 5日 火曜日

猫の皮膚再建手術

哺乳類の皮膚が何らかの原因で欠損した場合、一般的には開いた皮膚の端と端を縫合することで皮膚は綺麗に修復します。

しかし、皮膚の欠損が広い範囲に及んでしまうと単純に皮膚を引っ張って縫合することが不可能となります。

そこで、皮膚形成外科的なアプローチが必要となります。



本日ご紹介しますのは、猫のちび君です。



これまでにもたびたび外出して、外猫と喧嘩をして外傷で受診されることが多い猫です。

今回は、喧嘩の外傷で左前肢の手首より上に咬傷で歯型が残る程度でしたので患部を洗浄消毒し、念のためエリザベスカラーを装着してもらい、抗生剤を処方しました。

これで一件落着とみていましたところ、1週間後に来院、患部が大きく皮膚欠損しており、すでに単純な縫合ではうまくいかない状況になっていました。

飼い主様が早くにエリザベスカラーをはずし、ちび君は一生懸命患部を舐めまくっていたそうです。 残念。



欠損しているのは黄色丸の箇所です。

丁度、手根関節周辺の欠損で黄緑色の矢印方向に皮膚を寄せ集めることは不可能です。



そこで欠損部の上部に長方形に切り込みを入れ、この切り込んだ皮膚(皮弁)を下方に引っ張って、欠損部を覆うようにします。

この形成外科的手法を皮弁法と言います。




欠損部から上方に皮弁作成のため、メスで切り込みを入れているところです。






皮弁を上方(黄色矢印方向)に牽引して、欠損部まで到達できる長さかを確認します。



皮弁を下方に牽引します。





この段階で、欠損部は皮弁で被覆されています。

下写真はドレインチューブ(下写真矢印)です。

患部が炎症で浸出液がまだジワジワ出ますので、このチューブで外部に排液をします。





患部は徹底的に洗浄します。





これで手術は完了です。

40針ほど縫合しました。

排液が治まったところで、ドレインチューブは抜去します。





手根関節の可動が十分できるまで、つまり皮弁が十分伸展するまで時間が必要ですが、ちび君頑張っていきましょう!






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2013年1月23日 水曜日

猫の肛門嚢破裂

肛門嚢については、以前犬の疾病の項で犬の肛門嚢摘出手術のテーマでご紹介しました。

肛門嚢の詳細は、そちらを参考にして下さい。


当院でも、定期的に肛門嚢を絞らせて頂いている犬猫は多いです。

肛門嚢が、分泌液で充満すると痒みも伴い、舐めたり床面に肛門部をこすり付けたりします。

案外、この動作で肛門嚢周辺の皮膚が裂けてしまうこともあるんです。

見るからに痛々しい症例ですが、ご紹介します。


猫のクッキーちゃんは、お尻周りから膿が出るとのことで来院されました。

痛そうな、怒ったような表情ですね。



お尻周りを拝見しますと



黄色矢印は肛門嚢の排出口から膿が出ています。

右側の黄色丸は皮膚が裂けて肛門嚢が露出しています。

肛門嚢炎と舐めすぎによる皮膚欠損・肛門嚢自壊です。

排膿が酷いので、消毒を兼ねて患部を洗浄しました。

いつもは患部洗浄と抗生剤の投薬で治るケースが多いです。


しかし、クッキーちゃんは気質がデリケートで患部を舐めずにはいられないタイプでした。

数日後に来院された時には、さらに皮膚の裂け目は拡大していました。



上写真の様に黄色丸の部分が大きく裂けた皮膚で内部が露出しています。

黄色矢印は途中で断裂した肛門嚢の排出口です。

このままでは完治は望めませんので、肛門嚢を摘出して皮膚を綺麗に縫合することとなりました。

この姿勢で手術に臨みます。







斜め横から見たアングルだと皮膚欠損が大きいのがお分かり頂けると思います。



肛門嚢を他の組織と識別するために、以前ご紹介したアナルサック・ゲルキットの高分子ゴム(黄色矢印)を肛門嚢の排出口から注入します。





肛門嚢が高分子ゴムの緑色で盛り上がっていきます。



肛門嚢を電気メスを用いて少しずつ分離していきます。



摘出した肛門嚢です。



さらに肛門周囲の皮下組織を綺麗に縫合して患部にテンションの掛からないようにします。





これにて手術終了です。



肛門は毎日使用するものですが、その近隣の肛門嚢が自壊したりすると、排便自体が疼痛で出来なくなります。

特に猫の場合は肛門嚢が溜まってくると、その体の柔軟性から簡単に肛門嚢を舐め、自壊に至ります。

常日頃から、肛門絞りはメンテナンスとして行われるのが良いと思います。

クッキーちゃん、お疲れ様でした。







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2012年11月29日 木曜日

猫の真菌症(同居感染例)


本日は、スコテイッシュホールドの うに君と まる君のお話です。

最初に うに君が顔面の脱毛が気になるとのことで来院されました。



黄色丸で記している部位が脱毛して、皮膚が発赤しているのがお分かり頂けると思います。



加えて後ろ足の踵上部も脱毛が認められました。



患部は特に痒みもないとのことで、まずは型通り皮膚の検査を実施いたしました。

皮膚を掻把して鏡見したところ、アカラスもマラセチアも陰性でした。

真菌の培養検査を行ったところ、1週間で陽性判定が出ました。

つまり うに君は皮膚糸状菌症に罹患していることになります。

早速、うに君に真菌治療を施すことになりました。

さて、うに君の治療開始から2週間後の写真を下に載せます。







いかがですか?

当初、脱毛が目立っていた箇所は下から発毛が始まっています。

実は うに君には先輩に当たるスコテッシュホールドの まる君がいます。

この まる君が、どうも顔面周辺に脱毛があるとのことで、その1週間後に診察を受けられました。





確かに黄色丸の箇所が脱毛しています。



うに君の脱毛よりも広い範囲に脱毛が及んでいるみたいです。

まる君も同様に真菌の培養検査を受けていただきました。

結果はやはり陽性でした。

ただこの真菌培養の判定が最大2週間かかります。

判定が出るまでは、原因が不明なので積極的な治療が展開できません。

この2週間のうちに まる君の症状は残念ながら進行してしまいました。

その写真が下です。





新たに頚部にも脱毛が生じていました。





結局、まる君も うに君と同じ治療を受けることとなりました。

宿主の免疫力が低下している時は、真菌の感染を受けやすい状態にあります。

ふたりの仲は非常によく、いつもスキンシップをとっているそうです。

その点が仇となって同居感染を起こした模様です。

真菌治療は時間がかかることも多く、頑張って早く治してあげたいです。


真菌症は人畜共通伝染病とされています。

つまり動物からヒトへ感染するケースもあるということです。

この文章を書いている私も猫からうつされた経験者です。

当院の患者様の猫ちゃんで飼主様もその子からうつされた方がみえます。

当院でその猫ちゃんに出している薬と同じものを、飼主様も皮膚科でもらっているというオチが最後に付いています。

真菌に限らず、感染症は複数動物を飼育されているご家庭では、同時期に治療を開始しないと感染のキャッチボールを繰り返してなかなか完治に至らないこともありますので要注意です。





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2012年10月 5日 金曜日

猫疥癬症

外に自由に行き来する飼い猫は、野良猫との接触もあるため、いわゆる外部寄生虫の感染する機会も多いと言えます。

外部寄生虫の中でも、疥癬(ダニ)感染症は多く、顔面や耳介部の激しい痒みを伴います。

今回、ご紹介いたしますのは、猫小穿孔疥癬虫(ねこしょうせんこうかいせんちゅう)の感染例です。



むっとした表情のナナちゃんですが、いつも自由に外を闊歩する猫です。

この2週間ほど、顔面から耳介部にかけて非常に痒がるとのことで来院されました。

耳介部の内面も背面も瘡蓋(かさぶた)が出来ています。





黄色丸の部分は皮膚が凸凹の形状をしており、場所によっては藤壺のようになっています。

顔面にしても、痒みのため爪でひっかいて出血しています。



早速、皮膚をメスの刃で掻把して顕微鏡で検査しました。



上の写真に認められるのが猫小穿孔疥癬虫です。





この疥癬は猫の表皮に孔を開け、角質にトンネルを作ってそこに産卵します。

生存期間は3~4週間で、宿主から離れると数日で死亡すると言われています。

治療法としては、イベルメクチンの皮下注を10日間隔で2回に分けて実施します。

なぜ2回の注射が必要かと申しますと1回目の注射で親ダニは死滅しますが、卵に関してダメージを与えられないため、卵が孵化する頃を狙って2回目の注射をするということです。

寄生虫感染は世代をバトンタッチさせないことが治療の重要なポイントと言えます。





猫疥癬症にかかるとこんなに顔が引掻いて酷くなることに驚かれた方は
 

 
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