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ウサギの飼い方・健康管理の紹介

ジリスの飼い方
 健康管理の紹介

症例と治療例一覧
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HPをご覧のみなさまへ

全国から電話でのお問い合わせがありますが、当院では「電話・FAX」での「飼育相談・診療相談(遠隔治療)」は行っておりません。

※診察対象のお問合せ、初診での受付内容(受付時間・持込方法など)、獣医師の不在確認、手術の予約、他の病院からの紹介状による相談は、診察時間内にお願いいたします。

分類

プレーリードッグは ネズミ目 Rodentia、リス科 Sciuridae、プレーリードッグ属 Cynomys の動物の総称で 5種類が知られています。
日本で飼育されているのは、ほとんどがオグロプレーリードッグです。
野生のオグロプレーリードッグはアメリカ合衆国中央部に棲息し冬眠はしません。
一時期はペットとして大量に輸入されていましたが、人獣共通感染症であるペストや野兎病などを媒介するおそれがあることから、輸入が禁止されています。
現在、国内で見られる個体は国内繁殖によるものです。

輸入禁止でプレーリードッグがペットショップで見られなくなり、代わって人気がでてきたのがジリスです。
ジリスはプレーリードッグの半分位のサイズです。

ジリスは ネズミ目 Rodentia、リス科 Sciuridae、ジリス属 Cynomys の動物の総称で、数十種類存在します。
国内で見られるジリスはほとんどがリチャードソンジリスで、他にはジュウサンセンジリス、ホシジリス、コロンビアジリス、ダウリアハタリスがいます。
野生のリチャードソンジリスは、カナダとアメリカ大陸北部にまたがる広い地域に棲息しています。
短い草の生えた平原で、見晴らしのきく拓けた場所を好んで住んでいます。

特徴・生態

リチャードソンジリスの成体は、通常雌よりも雄の方が大きく、季節によって体重が大きく変動します。
体重は、雌 250~400g、雄 350~500gです。
切歯は上下 2本ずつあり、生涯伸びる常生歯です。臼歯は 18本あり、全ての歯を合わせると 22本あります。
ジリスは頬袋があり、一時的に食物を貯めこむことが出来ます。(プレーリードッグは頬袋を持ちません)

野生での寿命は、長くて 5~6年、飼育下では 8年以上の長寿の個体もみられます。

昼行性で、地下に複雑な巣穴を掘って住居とします。
生涯同じ場所に定住することはなく、定期的に違う場所に移動します。
また、プレーリードッグと違いリチャードソンジリスは冬眠します。
冬眠前は脂肪を蓄え、冬眠から目覚める頃には体脂肪が 20~40%減少します。

繁殖特性

季節繁殖動物で、季節によって内分泌に変調がみられます。

野生のリチャードソンジリスは春に生まれて最初の冬眠から覚めるまで性成熟しません。
早春の 2~3週間の繁殖シーズンにしか交配しないと言われており、雌は繁殖シーズン中に一晩だけ交配します。

妊娠期間は約 23日、一回産子数は 5~8頭です。リチャードソンジリスの繁殖は比較的難しいと言われています。
雄は発情期が終了すると陰嚢は退縮し、腹腔内に納まった状態になります。
そのため、非発情期では外部生殖器は目立たず、雌雄の鑑別はわかりづらいです。
肛門と生殖孔の距離が雄は雌と比べ離れています。

飼育環境

理想環境温度は 18~24℃、環境湿度は 30~70% です。
昼行性ですので、内分泌の正常な働きを考慮するうえで、10~12時間の照明が必要です。
また、太陽光の照射を行うと良いです。

冬場に冬眠させないように、ヒーターなどを使います。

飼育ケージ

できるだけ広いケージを用意して下さい。
金網タイプか水槽タイプを使用します。

金網タイプは金網部分を齧り、切歯の不正咬合や歯折、歯牙腫の発生のおそれがあることが欠点です。
水槽タイプは、床敷を深く敷き詰められるため、穴居性の強い動物ですので掘る欲求を満たすことが出来ます。

二階建てや、梯子の設置は落下事故が多いため、推奨できません。

ケージ環境

●床材
木製や紙製のチップ、牧草や乾牧草などが適しています。
木製チップは材質によってアレルギー様の症状をみせる場合がある為、使用する場合には注意が必要です。
 

●エサ入れ、水入れ、牧草入れ
食器は不安定だとすぐにひっくり返されてしまう為、陶器製など重い素材の器を用意します。
水入れは給水ボトルを使用した方がケージ内が濡れなくて衛生的です。
 

●トイレ
個体によって使用しやすいものが良いですが、ウサギ用のものを使用することが多いです。
トイレの場所をしつけるのは難しいです、いつも排泄している場所にトイレを設置します。


●かじり木
ストレスを少なくする為にケージ内にかじり木を入れます。
 

●その他
巣箱や小屋などを設置すると良いです。

リチャードソンジリスはほとんど回し車を使用しません。
運動不足の解消として、一日に一度はケージから出して、サークルなどで囲った室内で運動させます。
その際、電気コードを齧らないように注意します。

食事について

野生では、80~100%が植物質ですが、昆虫や種子、麦なども食べると言われています。
自然下では、活動している期間は、繁殖成長のために脂肪蓄積に費やすます。

飼育下での最適な食餌内容について、十分な研究がされていない現状がありますが、飼育下では冬眠も繁殖もないため、脂肪を蓄積させる必要はありません。
そのため、野生のジリスと同じ食事内容ですと、肥満につながります。
これを回避するために、ウサギやモルモットなどと同様に完全草食型の給餌が適切と考えます。
つまり、牧草(チモシー)を中心に適量のペレットと野菜を与える給餌法が良いです。

ペレットはプレーリードッグ用や、ウサギ用を利用できます。
(ジリス用のペレットも販売されています)
体重過多になるようでしたら、ペレットの量を調節します。

健康管理及び・治療の紹介

当院では、ジリスの健康診断として、
 ・不正咬合を確認する為の「歯の検診」
 ・全身状態を確認する為の「視診」
を主に行っています。

当院で治療件数が多い症状・疾患は、
 ・切歯過長症
 ・副鼻腔炎
 ・オドントーマ

 ・真菌性皮膚炎
 ・皮膚糸状菌症
 ・皮膚腫瘍

です。

※詳しくは症例と治療例の一覧をご覧ください。