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筋骨系の疾患(整形)/猫

2015年7月 2日 木曜日

猫の大腿骨頭切除手術

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、股関節脱臼により大腿骨頭切除を実施した猫の症例です。

以前にも当院のHPにて犬の大腿骨頭切除手術のご紹介を致しました。

犬の場合、レッグ・ペルテス症や頻発する股関節脱臼などの救済処置として適応させて頂いてます。

犬の大腿骨頭切除手術については、こちらを参照下さい。

猫は交通事故や高所からの落下で股関節脱臼を起こし、緊急で大腿骨頭を切除する場合が多いです。


アメリカンショートヘアの銀君(1歳、雄)は、飼主様が銀君をシャンプー中に後足を引きずっていることに気づいて来院されました。



右後肢が左と比べて短く感じ、股関節を伸ばそうとするとかなり痛そうです。

早速、レントゲン撮影を実施しました。

右股関節が脱臼(下写真黄色丸)しています。



大腿骨頭を骨頭窩に整復して安定化させる方法を採っても、再脱臼することも多く、体重の小さい猫ならば疼痛を早く抑えて、後足の可動を復活させるために大腿骨頭の切除を勧めさせて頂きました。

飼い主様のご了解を頂き、大腿骨頭切除手術を実施することとなりました。

全身麻酔下の銀君です。





大転子を目安に皮膚切開をします。



極力、筋肉を切開しないように助手に足首を外転かつ牽引させて、大腿骨頭を指先で触診して筋膜を切開・剥離していきます。





大腿骨頭を露出します。





線鋸を用いて大腿骨頭をカットしていきます。





大腿骨頭を離断しました。



摘出した骨頭です。



直ぐにレントゲン撮影を行い、大腿骨頭がしっかり切除されているか、取り残しがないか確認します。

黄色丸が切除した箇所です。



大腿骨頭の切除部は問題ありません。

あとは筋膜・皮膚を縫合して終了です。





麻酔覚醒直後の銀君です。



疼痛が治まるまでしばらく安静が必要です。



さて、術後5日目の銀君です。

患肢の跛行もなくなり、スムーズに歩行できるようになりました。











術後7日目で退院して頂くことになりました。







エリザベスカラーが邪魔で、キャリーに体が治まりにくい銀君ですが、元気に退院できて良かったです。



今回の銀君の股関節脱臼の原因は不明です。

飼い主様の申告では、銀君が高い所から飛び降りたりしたこともなく、激しい運動をした可能性もないだろうとの事。

いずれにせよ、今回の切除した大腿骨頭の部位と股関節の間には軟部組織による偽関節が形成され、体重の小さい猫であれば問題なく今後の生活は送れます。



銀君、お疲れ様でした!




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2014年10月25日 土曜日

猫の大腿骨遠位端分離骨折


こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは仔猫の骨折の症例です。


猫のランちゃん(雌、5か月齢、2㎏)は二階のベランダから落下してしまい、その後右後肢を引きずるとのことで来院されました。



猫は高い所から、ダイビングして上手に着地するイメージがありますが、着地を失敗してしまうケースもあります。

特にランちゃんのように生後5か月齢ならなおのことです。

早速、レントゲン撮影をしました。

下写真の黄色丸の箇所が骨折しています。



さらに拡大します。

黄色矢印の部位が真横に骨折しているのがお分かり頂けると思います。



この真横に分離骨折している箇所は成長板と呼ばれる、成長期に認められる骨が縦軸方向に成長する部位で軟骨で形成されています。

そのため、この成長板を傷害するような骨折整復法を選択しますと左右の足の長さが最終的に変わってしまう事になります。

一般には骨折整復法には、プレート内固定、骨髄内ピン固定、創外固定法などが選択されることが多いです。

今回の症例は、成長板にダメージを与えず(成長板の胚細胞を保護する)に済む特殊な固定法を採用しました。

大腿骨顆(今回骨折している部位)をピンでクロスして固定するクロスピン法を実施しました。


骨折整復手術を実施します。

麻酔前投薬及び気管挿管します。







大腿骨遠位端を露出させるため、膝関節にメスを入れます。



膝蓋骨の傍らに切開を加え、大腿四頭筋、膝蓋骨、膝蓋靭帯を反転させます。





骨折部を目視してピンを打ち込む角度をイメージします。



ドリルでピンを打ち込んでいきます。





ピンの打ち込んだ位置を確認するためレントゲン撮影します。

下写真でイメージしたピンの位置にあることが確認できました。



次に反対側からピンを入れていきます。



同じくレントゲン撮影して位置の確認をします。



ピンをクロスさせて骨折部の固定が完了しました。



次はピンをカットして関節包を縫合します。



2本のピンをカットしました。

ピンの断端は少し曲げて膝の屈曲時に関節包との干渉の無いようにしました。



脱臼させていた膝蓋骨を元に戻します。



レントゲン撮影で最終チェックします。



関節包、膝蓋靭帯を縫合します。



最後に皮膚縫合して終了です。



ランちゃんはとても元気な仔猫なので、術後の安静が一番気になります。

今回はトーマス固定枠(下写真黄色矢印)を作って患肢を保護してみることとしました。



麻酔覚醒直後のランちゃんです。

お疲れ様でした!



手術の翌日、ランちゃんはトーマスの固定枠を反対の左足を器用に使って外してしまいました。

猫の場合は、犬と違って非常に神経質な個体が多く、術後の管理は注意が必要です。

結局、トマ―ス固定枠は無しで行くこととしました。

術後5日目のランちゃんです。



患肢をかばいつつも、歩行できるようになってきました。





ピンの端周辺に今後、液体貯留の可能性があります。

関節包内のピンの動きによる刺激で生じる漿腋腫と言われるものです。

ランちゃんはとても元気なため、厳しい運動制限は無理でしょう。

骨折端が癒合した時点でピンを抜去する予定でいます。

1歳未満でまだ成長期の動物の場合、成長板周囲の骨折はよく発生しますので高所からの飛び降りにはご注意ください。




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2014年3月 9日 日曜日

猫の変形性関節症


ペットの高齢化が話題になってから久しいですね。

ヒトでも高齢化に伴い、関節症対策としてのグルコサミンやコンドロイチン硫酸のサプリメントがCMで流れたりします。

犬猫の世界でも関節症になるケースは年々増えています。

本日は、猫の関節症についてコメントさせて頂きます。


雑種猫のボブ君(15歳、雄)は最近、動きが鈍くなり高い所へ行きたがらなくなったと来院されました。



特に後足の動きが悪いとのことで、触診をしましたところ膝の関節が大きく腫れているのが分かりました。

試験的にボブ君に歩行をしてもらいました。

動画で載せることが出来ればよいのですが、非常にぎこちない後足をかばうような歩行です。









レントゲン写真を撮りました。

仰臥姿勢です。



膝関節の部分を拡大します。



異常な部位を黄色丸で囲みます。



次に側臥姿勢です。



拡大写真です。



同じく異常部位を黄色丸で囲みます。



ボブ君の膝関節は既に変形が始まっています。

関節軟骨がすり減って変形が生じ、硬くなって石灰化し、関節が正常に稼働しなくなっています。

加えて骨棘(こつきょく)と言われる骨のトゲが何ヶ所も形成されています。

骨棘は、同じ個所が何回も繰り返し炎症を起こして、部分的に骨が過剰に増殖して形成されます。

これらの変形骨が神経を刺激したり、関節周辺に炎症を引き起こし、慢性的疼痛が生じます。

この症状を称して変形性関節症と呼びます。



そもそもこの変形性関節炎は何が原因で生じるのでしょうか?

12歳以上の中高齢の猫に認められる点から、年齢によるところが大きいようです。

加齢による筋力低下から、関節に加わる負荷が大きくなり、関節軟骨が摩耗して発症するそうです。

その一方で、若齢猫でも認められるケースもあるそうで、遺伝の可能性も示唆されてます。

体質的に肥満猫も発症しやすようです。





変形性関節症は慢性的に症状が進行していく疾患です。

変性した関節を元の様に回復させることは困難です。

治療の柱は、疼痛を和らげることです。

そのために非ステロイド系の消炎剤を投与したり、グルコサミンやコンドロイチン硫酸を含んだ猫用のサプリメントも有効とされます。



同じ関節症でも犬の場合は、症状として表だって分かりやすいのですが、猫は基本的に症状を隠します。

痛くても無理をして平静を装う猫は多いようです。

実際、猫の変形性関節症の場合、足の引きずりがあまりなく飼い主が気づかずに何年も経過してしまう事が多いようです。

そのため、シニア世代(7,8歳以降)になったら定期検診を受けてレントゲン撮影をして下さい。

加えて以下の仕草がないか良く見ておいて下さい。

1:おもちゃで遊ばなくなった。

2:動かなくなった。

3:高い所にジャンプしなくなった。

4:上下運動する高さが以前より低くなった。

5:起き上がる時の動作がゆっくりになった。

以上から一つでも該当するものがあったら、最寄りの動物病院を受診して下さい。



ボブ君、これからは疼痛管理でしっかり歩行できるよう治療していきましょう!




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