ハムスターの飼い方
健康管理の紹介
HPをご覧のみなさまへ
全国から電話でのお問い合わせがありますが、当院では「電話・FAX」での「飼育相談・診療相談(遠隔治療)」は行っておりません。
※診察対象のお問合せ、初診での受付内容(受付時間・持込方法など)、獣医師の不在確認、手術の予約、他の病院からの紹介状による相談は、診察時間内にお願いいたします。
分類
ネズミ目 Rodentia-キヌゲネズミ科 Cricetidae に属する げっ歯類の総称です。
ハムスターの仲間は 24種居ると言われていますが、現在日本で一般にペットとして飼われているものは、ゴールデンハムスター・ジャンガリアンハムスター・キャンベルハムスター・ロブロフスキーハムスター・チャイニーズハムスターの5種にほぼ限られています。
特徴・生態
ヨーロッパからアジアの乾燥地帯や半乾燥地帯に棲息します。
寒暖差が激しいため、温度が一定に保たれる地下に巣を作ります。
このように温度変化に弱い動物なので、適切な温度管理が必要です。
夜行性で昼は巣の中で休み、夕方から活動を始めます。
食性は穀物を中心とした草食に近い雑食性で、植物の葉・茎・根・実・種子、時に昆虫などを食べます。
ハムスターの平均寿命は2~3年と言われています。
繁殖特性
妊娠期間はゴールデンハムスターで 約 16日(産仔数:5頭)
チャイニーズハムスターで 約 21日(産仔数:5頭)
ジャンガリアンハムスターで 約 19日(産仔数:3頭)です。
妊娠したメスは神経質になるため、ストレスを与えないように注意します。
ストレスが、仔食いを引き起こす原因になります。
成熟体重 | オス 85~130g メス 95~150g |
体温 | 38.5~40.0℃ |
平均寿命 | 2~3年 |
発情周期 | 年中 |
呼吸数 | 35~135回/分 |
心拍数 | 250~500回/分 |
飼育環境
ハムスターのケージは直射日光の当たらない、一日の温度格差の少ない場所を選びます。
理想環境温度は 20 ~ 26℃・湿度は 40 ~ 60% です。
約 5℃の低温環境になると、冬眠するので気を付けます。
また、ハムスターは夜行性なので、昼間に人の気配や物音のするところは避けます。
飼育ケージ
ケージは金属でできているタイプと、プラスチックまたはガラス製の水槽タイプがあります。
2階建てのケージを使用している場合、よじ登って落下し、骨折や背骨を傷めることがあるので、ケージ選びは注意が必要です。
ケージ環境
●床材・巣箱
地下巣で生活するハムスターにとって、身体が隠れるスペースを設けると精神的に落ち着きます。
床材を厚く敷いて巣を作らせるか、巣箱や小屋を置くと良いです。
木製チップはよくもぐり、優れた巣材となりますが、材質によってアレルギー様の症状をみせるハムスターがいるので、
紙のチップ・ちぎった新聞紙・ティッシュペーパーなどを使い、一般に杉材や松材は避ける方が良いです。
巣箱もいろいろなタイプが販売されていますが、通気性や安全性を考慮すると木製のものが良いです。
●エサ入れ、水入れ、牧草入れ
食器は不安定だとすぐにひっくり返されてしまう為、重い素材の器を用意します。
ハムスターは器からでも給水ボトルからでも水を飲むことが出来ますが、給水ボトルを使った方がケージ内が濡れなくて良いです。
(給水ボトルで上手に飲めない子もいるので、水の飲みが悪い時は食器に変えてあげます。)
エサ入れは、陶器・プラスチックなど素材の種類も豊富なのでその子の性格に合わせて選びます。
●トイレ
市販されているハムスター用トイレ・トイレ砂を使用すると良いです。
汚れたら定期的に掃除を行います。
●遊び道具
遊び道具は運動不足とストレス発散のために与えます。
回し車はいろいろなタイプが販売されていますが、ハムスターの体にあったサイズ、激しく走っても倒れたり、事故の無いような安定性のある物を選んで設置します。
食事について
ハムスターは雑食性で何でも食べます。
しかし偏ったエサは、栄養バランスが悪くなり健康にも影響します。
野菜や果物も与えて可能ですが、水分量が多い野菜や果物は下痢につながる恐れがあるので少なめに与えるようにしてください。
エサにはいろいろありますが、ペレットを主食に与えてください。
なお種子は、嗜好品でありとても喜んで食べます。
しかしカロリーが高いので、分量には気をつけて与えます。
また、過剰量与えると尿石等病気の原因や、好きな物しか食べなくなり肥満のもとになります。
ハムスターは夜行性なので夕方以降にエサを取り換えてあげると良いです。
一度に食べる量は少なく、巣箱などにエサを貯蔵する事が多いです。
しっかりエサを食べれているかどうかチェックが必要です。
健康管理及び・治療の紹介
当院では、ハムスターの健康診断として、
・不正咬合を確認する為の「歯の検診」
・全身状態を確認する為の「視診」
を主に行っています。
当院で治療件数が多い症状・疾患は
・切歯 臼歯過長症
・目の疾患、結膜炎・角膜炎、眼球突出
・頬袋脱、頬袋の炎症
・真菌性皮膚炎、皮膚糸状菌症
・リンパ腫
です。
※詳しくは「症例と治療例の一覧」をご覧ください。