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プレーリードッグ・ジリスの疾病

2016年11月30日 水曜日

シマリスの脛骨骨折整復手術

こんにちは 院長の伊藤です。

現在、当院のホームページのリニューアルのためコンテンツを大幅に見直しています。

そのため、記事の更新が遅れがちになっていることをお詫び申し上げます。

年内には今まで以上のホームページに仕上げますので、宜しくお願い致します。


さて、本日ご紹介しますのはシマリスの脛骨骨折です。

シマリスは動きが俊敏でケージ内を飛び回りますので、診察で捕捉するのも大変です。

シマリスのコウ君(推定4か月齢、雄)はケージのスノコ内に脚をひっかけたのか、右後肢を伸展しているとのことで来院されました。



右後肢がだらんと力が入らない状態にあります(下写真黄色矢印)。



触診すると右後肢から軋轢音があり、骨折しているようです。

早速、レントゲン撮影をしました。

暴れると骨折部の骨折端が皮膚を突き破って、開放骨折に至りますので軽く麻酔をかけます。



レントゲンの結果です。



黄色矢印が示すように脛骨骨幹部が斜骨折しています。

小型齧歯類の骨折では、一般に注射針を骨髄ピンとして骨折部整復に使用することが多いです。

その点では、小型愛玩鳥の骨折整復と同じですね。


全身麻酔下で骨折整復を行うこととなりました。

犬用マスクでイソフルランによる導入麻酔をします。



維持麻酔に切り替え、患部を剃毛します。



仕上げはカミソリで剃毛します。



脛骨骨折のため、骨髄の出血が皮下に貯留し始めており、皮膚が青紫色に変わってます。





25G 1・1/2という若干長めの注射針を骨髄ピンとして使用します。



骨髄内にうまく注射針を入れていきます。

これの操作は指先の感覚で進めていきます。

針の骨髄内を通過する抵抗感や皮質骨に針が当たる感覚で、針が骨髄内に上手く入ったかを確認します。





下写真は骨折部を指先で左右に振動させ、安定感があるか否かを確認しています。

骨折時はブラブラだった患部がしっかり動揺していない状態になっています。





ここで針の基部をニッパーで離断します。



骨折整復が成功しているか、レントゲン撮影をします。





骨髄内にしっかり注射針は入っています。

骨癒合後にピンを抜去するためにピンの挿入端をペンチで曲げます。





これで、手術は終了です。

犬猫の骨折整復手術と比べて、骨折部を観血的にメスで切開して整復しませんので、骨癒合も早く3週間ほどで完治します。

皮下にリンゲル液を輸液します。



患部を齧らないようにエリザベスカラーを麻酔覚醒前に装着します。



麻酔から目覚めたコウ君です。





完全に覚醒しますとコウ君はそれまで患肢を拳上していたのが、接地できるようになっています。



あとはコウ君が患部を気にせずに穏やかに生活してくれることを祈ります。

コウ君、お疲れ様でした!







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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2014年12月 8日 月曜日

リチャードソンジリスのアポクリン腺癌

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、リチャードソンジリスの皮膚腫瘍です。

体表部の汗腺が腫瘍化して発生するものにアポクリン腺の腫瘍があります。

アポクリン腺の腫瘍には良性のアポクリン腺腫と悪性のアポクリン腺癌があります。

腺腫と腺癌の鑑別は臨床的に困難です。

腺癌は一般的に境界不明瞭な腫瘤で、びまん性に皮膚に浸潤していきます。

ジリスの場合は皮膚のアポクリン腺が腫瘍化しますので、皮膚に結節上の腫瘤が多発的に生じることが多いです。



リチャードソンジリスのバニラ君(2歳8か月、雄、体重600g)は顔の側面あたりに腫瘤があるとのことで来院されました。



触診をしますと確かに5~6㎜の結節上の腫瘤が両顔面と耳の間に3個ずつ認められます。

まずはこの腫瘤を細胞診しました。

結果はアポクリン腺癌でした(下写真)。



さらに背部表層部に同じような結節性腫瘤が多数認められました。

こちらも細胞診して同じアポクリン腺癌である事が判明しました(下写真)。



腫瘍を皮膚ごと切除する外科的処置を選択させて頂きました。

下写真は麻酔導入箱に入っているバニラ君です。





麻酔導入がうまくできた所でガスマスクで維持麻酔に変えます。

下写真黄色丸の箇所が腫瘍です。

体の正中線に沿って多数集まっているのがお分かり頂けると思います。





もともと小さな体ですからある程度のマージン(腫瘍の縁取り)を取る必要があるのですが、限界があります。

縫合時に皮膚にテンション(緊張)がかかることを予想して切除を進めていきます。









背中の切除は終了です。



次は顔と耳の間の腫瘍を切除していきます。



背部が乾燥しないように生理食塩水で濡らします。



これから皮膚を縫合していきます。

ジリスは激しい動きもしますので、ステンレスワイヤーで縫合することにしました。



バニラ君、ちょっと痛々しい感じですが縫合は終了しました。





麻酔の覚醒は速やかで手術は無事終了です。





術後に食欲不振になって、腸蠕動が停滞すると困りますので強制給餌で流動食を与えます。







翌日のバニラ君です。

元気に退院して頂きました。



皮膚が完全に癒合するまで数週間は必要です。

バニラ君、それまで患部を齧ったりしないようお願いします!




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2013年10月25日 金曜日

プレリードッグの真菌症

季節も秋となり、明け方は肌寒くなりましたね。

こんな季節の変わり目は体調を崩される動物が多いです。

免疫力も低下しますので、病原体による感染症にも要注意です。



今回、ご紹介しますのはプレリードッグの真菌症です。

プレーリードッグの大吉君(3歳、雄)は下顎から胸にかけて脱毛が激しいとのことで来院されました。

下写真、黄色丸が脱毛している部位です。





換毛期で脱毛ということもありますが、どうやら局所的な脱毛にとどっまています。

アカラス、疥癬をはじめとした外部寄生虫の可能性は、皮膚掻破検査の結果陰性でした。

内分泌的問題での脱毛であれば、左右対称に脱毛が生じますが左側のみにとどまっています。

最後に皮膚糸状菌の可能性を考えて、真菌の培養検査を実施しました。

その結果、真菌は陽性と判定されました(下写真で培地が黄色から赤に変化しました)。



皮膚糸状菌症は、MicrosporumTrichophytonが原因となって生じます。

上記の糸状菌の分生子(種みたいなものと思って下さい)が環境中に分散して、これを動物が被毛や皮膚に接触させて感染が成立されます。

症状としては、円形脱毛で始まるケースが犬猫では多いとされます。

プレーリードッグの抗真菌剤(内服薬)の薬用量は犬猫に準じた計算で処方します。

加えてミコナゾールシャンプーや外用抗真菌ローションを用いることで効率的な治療が可能です。

プレーリードッグに安全にシャンプーが出来るかという問題がありますので、当面は内服薬と外用ローションで効果を診ていく予定です。





今や希少種ともいえるプレーリードッグです。

大吉君、真菌症を早く治して、長生きして頂きたく思います。




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2013年10月 1日 火曜日

リチャードソンジリスの扁平上皮癌

リチャードソンジリスを初めとして、オグロプレーリードッグもそうですが、顔面から口腔内の腫瘍の発生率が高いです。


今回、ご紹介しますのはリチャードソンジリスのジル君(雄、3歳)です。

左の口吻部に腫瘤ができて、大きくなっているとのことで来院されました。





体のサイズに比べても大きな腫瘤です。

食餌を取るにもストレスになるだろうと思われます。

まずは細胞診を実施することとしました。



その結果が下写真になります。





結果は扁平上皮癌という結果で、外科的に腫瘍を切除することとなりました。

扁平上皮癌は口の中の粘膜・膀胱の粘膜・副鼻腔・気管支などに発生する悪性の腫瘍です。

患部は潰瘍・びらんという症状で出現することが多いとされます。


最初にガスマスクをかませて、イソフルランを流入させガス麻酔をします。



ふらふらとしたところで、自家製のマスクで維持麻酔をします。





できるだけ腫瘍のマージン(辺縁)を切除します。

しかし、場所が頬になりますので頬袋ごと全摘出は難しいと思われます。

電気メスで切除していきます。





摘出した腫瘍です。





出来る限りのマージンを取って摘出しました。



術後1週間のジル君です。

傷口の経過は良好です。



この口吻部腫瘍の件は、これで落ち着いたのですが、この3か月後に右口腔内に腫瘤が出来、膿瘍も併発してしまいました。

この腫瘤を再度、細胞診したところ、やはり扁平上皮癌とのことでした。

今度の患部の所在が、頬の内側とのことで外科的手術は困難です。

扁平上皮癌に効果があるとされている非ステロイド系COX-2阻害薬のピロキシカムの内服を実施することとしました。

しかしながら、扁平上皮癌の進行が非常に早く、食欲は全く無くなり、飼主様には流動食で対応して頂きました。

それでもピロキシカム内服を始めて、わずか4日目にしてジル君は急逝されました。

非常に残念です。

ジリスにしてもプレーリーにしても扁平上皮癌は進行・転移が非常に早く感じます。

この扁平上皮癌を発症した場合、その後の展開は厳しいものと思います。




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2013年9月28日 土曜日

プレーリードッグの炎症性肉芽腫

プレーリードッグは、当院では10年前まで、フェレットに並んで来院数の多かったリス科の動物です。

検疫上の問題、歯芽腫(オドントーマ)の問題などで減少を続け、現在国内では希少種とされています。



今回は、当院のプレーリードッグの中でも最高齢といえるハナちゃん(雌、10歳)をご紹介します。


ハナちゃんは陰部周辺が2年以上前から炎症を起こし、その都度、抗生剤を処方してきました。

しかしながら、良くなったり悪くなったりを繰り返して完治に至っていません。

それというのも自傷行為が背景にあり、患部がどうにも気になってしまうためです。


加えて10歳の現在、下写真の矢印に示すように白内障も成熟期まで進行しています。



下写真の黄色丸の箇所が腫脹している陰部周辺です。



今回は今まで以上に患部の腫脹が著しいとのことで来院されました。





実は、この腫瘤は外陰部と肛門の傍らに位置しており、これらを隠してしまうくらい大きなものです。

これまでは、この位置を自分で咬んで、皮膚炎を起こしている程度でした。

しかし、これくらいの大きさになりますと腫瘍の可能性も考えて細胞診を実施することとしました。





上写真は細胞診の結果です。

多数の好中球と類上皮細胞が混在して認められます。

腫瘍細胞は認めらず、炎症性肉芽腫という病変であることが判明しました。

プレーリードッグの自傷行為は、徹底しています。

強靭な切歯を用いて患部を自咬しますと、皮膚は容易に欠損して、修復のために肉芽組織を形成します。

細菌が、その肉芽組織に侵襲しますと炎症はさらに進行し、状況に応じて過剰な肉芽が増生されます。

患部が自傷行為の対象にならないように防御できれば良いのですが、プレーリードッグには難しいでしょう。

患部を外用消毒や抗生剤・抗炎症剤の投与で治療していく方針です。




なるべく患部を気にせずに生活して下さい。

ハナちゃん、宜しくお願いします!



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