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筋骨系の疾患(整形)/うさぎ

2017年6月 8日 木曜日

ウサギの橈尺骨骨折(ピンニング法)

こんにちは 院長の伊藤です。


当院を受診されるウサギの年齢は、犬同様に高齢化の傾向が認められます。

今回は高齢ウサギの前足の骨折がテーマです。

ライオンラビットのランちゃん(雌、9歳3か月、体重1.5kg)は前足を骨折したとのことで来院されました。

明らかに右前肢をかばっているため、レントゲンを撮りました。

下写真黄色丸は骨折している橈尺骨です。

明らかな橈尺骨遠位端骨折です。

高齢のため骨密度は低く、難易度の高い手術になりそうな感じです。

加えて赤丸は高齢のため上顎の臼歯歯根部が石灰化を起こしていることを示しています。





ランちゃんは今年で10歳になるという高齢ウサギです。

ヒトとの年齢換算によると100歳近い年齢です。

ヒトでも高齢者の骨折は、術後の骨癒合不全の問題になります。

動物の場合はいかに高齢であっても、骨折部はしっかり固定しないと突発的に激しい動きをします。

場合によっては、骨折部が皮膚を突き破って、容易に細菌感染症になります。


ひとまず、ランちゃんの骨折部を保護するためにスプリントによる外固定をしました。

ただレントゲン画像で分かるように、単純な横骨折ではなく、斜めに骨折している斜骨折です。

そのため外固定による整復は、骨折端を合わせるという点で限界があります。

加えて100歳に近い高齢ウサギです。

重いギブスの長期間装着で生活の質を落とすよりは骨折部を整形外科的に観血的に整復すべきと考えました。

ただ怖いのは全身麻酔にランちゃんが耐えてくれるかという点です。

事前の血液検査では、肝機能・腎機能などは正常で問題はありませんでした。

飼い主様のご了解を得て、手術を実施することとしました。



従来、私はウサギの橈尺骨遠位端骨折は創外固定法を選択することが多いです。

創外固定法は皮膚に外から何本もピンを打ち込んだ上にパテでピンを固定します。

この方法は、ランちゃんには不適です。

骨髄内ピンを打ち込む方法を選択しました。

創外固定よりもこの方法は短時間で済みますし、生活の質を落とすことはないでしょう。


ここで骨髄内ピン固定の術式概略を下図のイラストで説明します。

骨折端から指先に向かってピンを骨髄内に刺入します。



次いで、手根部を貫通したピンをハンドドリルに180度逆向きに装着して、骨折端を整復した状態で肘部に向けてピンを刺入します。



骨折端がピンで確実に固定できたのを確認した後、ピンを離断します。



上記の方法でランちゃんの手術を実施します。




患部を綺麗に剃毛して行きます。



患部周辺の体毛は極力剃毛するため、仕上げにカミソリを使用します。



下写真をご覧の様に骨折部の内出血があり、患部は腫脹しています。





骨折部を切皮します。





骨折部の橈尺骨骨折端(黄色丸)です。



骨折端が斜めに割れています。



前述のイラストの通り、電動ハンドドリルで骨折端から指先へ向かってピンを刺入していきます。

今回使用したのは両尖タイプの直径1㎜のクリシュナ―ピンです。





骨折端から手根部(手首)へピンを刺入し十分な長さを貫通させます。



次に貫通しているピン先にハンドドリルを装着し直し、骨折部を整復します。

次いで肘部へ向けて180度逆向きにピンを刺入します。





骨髄内に刺入したピンがどのくらいの長さ入ってるかを使用したピンと同じ未使用ピンと端を合わせて確認します。



必要な長さのピンが骨髄内に入っているのを確認後、ペンチでカットします。



骨折部の固定はしっかり出来ています。





最後に皮膚を縫合します。



イソフルランガスをカットして、ランちゃんの覚醒を待ちます。



覚醒までの間、スプリントで患部を保護します。







レントゲンを撮り、患部を確認しました。



患部を拡大します。





骨髄内ピン固定はしっかり出来たようです。

麻酔からランちゃんは無事覚醒しました。





覚醒後のランちゃんですが、右足に満足に荷重することが出来ないためタオルで姿勢を保てるように保護します。



翌日のランちゃんです。



若い個体であれば、今回のような橈尺骨骨折は1か月ぐらいで骨癒合しますが、高齢でもあり数か月は必要となるでしょう。



その間は飼主様の介護が必要となりますから、これからの術後管理が重要になります。

ランちゃん、お疲れ様でした!





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2017年2月27日 月曜日

ウサギの橈尺骨骨折(その3 創外固定法の術後管理)

こんにちは 院長の伊藤です。

先回はウサギの創外固定法の詳細を載せました。

具体的には、ネザーランドドワーフのラテちゃん(雌 7か月齢)の橈尺骨骨折を創外固定法で整復したところまで写真と文章を載せました。

詳細はこちらをご確認下さい。


これまでの経緯をレントゲン写真で説明します。

骨折直後のラテちゃんの橈尺骨です。



創外固定法により整復した患部です。





骨折の治療は、骨折の状態に適した整復術式を選択し整復します。

手術が成功したからといって、それで骨折部が確実に癒合できるとは限りません。

患者が行動的であれば、骨折部の固定は場合によっては破たんすることもあります。

結果、骨癒合不全に至り再手術が必要となります。

ウサギの骨の特性は骨密度が低く、脆弱であるため骨折整復後は運動制限が重要なポイントです。

ラテちゃんの飼主様にはその点をご理解いただき、必要最低限の運動で安静を保たれました。


1~2週間ごとに来院して頂き、創外ピンが刺入している箇所の点検と洗浄消毒を丹念に継続させて頂きました。

その実際は以下の通りです。


まずはテープを外して患部を確認します。



創外ピンの周辺をしっかり洗浄消毒した後に、抗生剤の軟膏や皮膚潰瘍・褥瘡治療剤(イサロパン)を塗布します。





最後にスプリントで患肢を保護します。



創外ピンが障害物にあたって患部に振動が及ばないようにパテの周囲をしっかり脱脂綿とテープで巻きます。



このような患部のケアを定期的に行い、経過を観察して行きます。

この術後の管理がラテちゃん本人も、飼主様にもストレスを感じて長く辛い時期だったと思います。

ラテちゃんの場合は術後管理に2か月近くかかりました。





ラテちゃんの術後1か月のレントゲン写真です。

下写真の黄色丸の部分が骨折部位になります。

仮骨が良好に形成されているのが分かります。




術後2ヶ月のレントゲン像です。

骨折部位(写真黄色丸)の仮骨による癒合はほぼ完成の状態になってます。

刺入した創外ピンを骨皮質が取り巻くように仮骨を形成しています。

このステージになると創外ピンが緩み始めますので、早急にピンを抜去することとしました。




創外ピンを抜去する場合は、ギブスカッターを用いてパテをカットしてピンを抜去します。

ラテちゃんには全身麻酔で寝て頂き、パテにカットを入れます。

今回は、パテを切るため変速ディスク・グラインダーを使用しました。





高速で回転していますので取り扱いに注意しながら、パテをカットします。



グラインダーが創外ピンに干渉したりしたら、骨に亀裂が入ることもあり得ますので、ある意味手術時よりも緊張します。





このような形でパテに切り込みを入れます。



あとはニッパーで創外ピンをカットします。



下写真は創外ピンごとパテを外したところです。



創外ピンを抜去しています。



ピン抜去後のレントゲン写真です。

骨折部の骨癒合は良好です。





再度、患部を消毒した後、スプリントで固定します。

ピン抜去直後は、ピンの穴が4つ開いていますので患部保護のためにスプリント固定は必要です。







この2週間後のラテちゃんです。

皮膚もほぼ綺麗になりました。

スプリントも患部のテーピングによる保護も必要ありません。



その1か月後のラテちゃんです。

患部の被毛もしっかり生えて、患肢もまったく健常時同様に機能出来ています。









ラテちゃんはまだ7か月齢という若さでしたので、骨癒合までの時間は短く済んでいると思われます。

どちらかというとウサギの場合は、高齢になってから骨密度低下に伴って骨折するケースが多いように思います。

そうなると完治までには、最低数か月は必要になります。

犬の骨折も大変ですが、ウサギの骨折はさらに苦労します。

くれぐれも骨折にはご注意ください。

ラテちゃん、飼主様お疲れ様でした!






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2017年2月21日 火曜日

ウサギの橈尺骨骨折(その2 創外固定法)

こんにちは 院長の伊藤です。

先回、ウサギの橈尺骨骨折(その1 外固定)をご紹介させて頂きました。

その詳細はこちらをクリックして下さい。

ネザーランド・ドワーフのラテちゃん(7か月齢、雌)は左橈尺骨遠位端を骨折されました(下写真黄色丸)。



幼若ウサギの骨の特性を踏まえて、包帯状熱可塑性キャスト材で外固定しました(下写真)。



しかしながら、肘関節と手根関節の間を確実に固定するのが難しく、翌日にはキャスト材は外されてしまいました。




次策として、骨折部位の固定のため創外固定法を選択することにしました。

創外固定法は、骨折部の遠位端と近位端にピンを刺入して整復する術式です。

創外固定法は刺入したピンで骨折部を整復しますので、骨折してから時間が経過しますと骨折部の筋肉が拘縮しますので整復の難易度がアップします。

外固定を外された翌日、早速手術となりました。



イソフルランによる導入・維持麻酔をします。



患部をカミソリで剃毛します。



骨折部(黄色丸)が発赤・腫大しているのが分かります。







整形外科手術は厳密に無菌的手技が要求されますので、慎重に患部周辺を剃毛消毒してから実施します。





ラテちゃんの麻酔状態は安定してきました。



骨折部を挟んで、創外ピン遠位端2本と近位端2本を刺入して整復します。

下写真はドリルで創外ピンを刺入してるところです。



ラテちゃんのような幼若ウサギの場合は、骨が柔らかく細いこともあり、骨の位置を目視するために皮膚に切開を入れて創外ピンを挿入します。

使用する創外ピンは直径が0.8mmのネジ付きタイプを使用します。





ピンは骨髄の中心を貫くように打ち込みます。

骨の表面は曲面ですから、思いのほか難しいです。







患部をレントゲン撮影した画像です。

骨折部を挟んで2本ずつのピンで挿入しました。



ピンの両端をペンチでカットします。





切皮した箇所を縫合します。

ピンの両端にパテ(エポキシ樹脂製)をつけて固定します。



この時点でのレントゲン像です。

骨折部がずれていますので、つま先を牽引して皮膚の上から骨折部の整復を指先で確認します。





骨折部は整復してありますが、牽引する手を緩めるとズレが生じます。

エポキシパテを片側にまず盛り付けて、数分で硬化するのを待ちます。



次いで反対側にパテを盛り付けて硬化を確認して終了です。



体に対してあまりにパテが大きすぎても宜しくなく、また自身でぶつけたりして破壊されても困ります。

かといって、パテが小さすぎればピンを固定する力が弱く、骨癒合までの長期間もちません。

その点は経験に応じて、盛り付けるパテの量・大きさを決めます。





手術終了時のレントゲン像です。

骨折部も綺麗に整復できました。



次にパテはむき出しのままですと色んな所にぶつけて、その衝撃がピンを介して骨に伝導します。

再骨折を回避するためにも、パテを脱脂綿などで保護します。



粘着テープを巻き付けます。



血行障害に陥らない程度の緩さで二重に巻きつけました。



犬猫であればこれで終了しますが、ウサギの場合骨が脆いのでアルミ製のスプリントでさらに固定します(下写真)。



最後にずれないように粘着テープで固定します。





麻酔から覚醒したラテちゃんです。



結果的には体の大きさに比べて患部が大きく見えますが、何とかこの状態で骨癒合まで頑張って頂きたいです。



床材のスノコに指を引っ掛けパニックに陥り、結果として骨折するウサギは多いです。

遊び盛りの月齢ですから、エリザベスカラーや創外固定装置で不自由な生活を強要されることは可哀そうです。

それでも癒合させるためには、安静な生活が必要不可欠です。

ウサギの骨折治療は、犬猫以上に術後管理が重要で時間もかかるから大変です。



最近は創外固定法を選択することで骨癒合までスムーズに到達しています。

創外固定法の場合、骨折部を開創せず少侵襲で整復できれば最短で完治できると思います。

ただウサギの骨の特性として、治癒まで時間がかかることはご了解ください。

ラテちゃんの場合は、骨癒合に2か月近くかかりました。



骨折治療は骨癒合するまでをさします。

したがって、骨折整復手術が成功したとしても、術後の管理が適当だったりすると骨癒合不全に至り、再手術が必要になったりします。

ラテちゃんの術後の経過を次回 ウサギの橈尺骨骨折(その3 術後管理)でお知らせします。

なるべく早く載せますので、宜しくお願い致します!





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2017年2月 5日 日曜日

ウサギの橈尺骨骨折(その1 外固定)

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介するのはウサギの前腕骨(橈尺骨)骨折です。

この橈尺骨骨折はウサギに限らず、犬でもよく遭遇する骨折です。

細く繊細なウサギの骨だけに手術の難易度は高く、また術後管理にも気を遣います。


ネザーランドドワーフのラテちゃん(雌、7か月齢、体重1.4kg)は左前足がつかないとのことで来院されました。



触診をするとどうやら骨折をされているようです。

早速、レントゲン撮影を実施しました。

下写真の黄色丸が骨折している箇所です。





橈骨・尺骨が共に折れています。

特に橈骨は生木骨折のようです。

犬であれば橈尺骨骨折は、プレートによる内固定か、骨髄ピンによるピンニングか、創外固定法を選択する場合が多いです。

ウサギは犬に比べて骨組織が脆弱でプレート固定で再骨折するケースもあります。

ラテちゃんは非常に活動的なウサギで、プレート固定には不安があります。

創外固定法にしても体が小さなウサギですから、患部に突出した創外ピンが色んな場所で引掻けたり、ぶつけたりして破壊されないか不安です。


飼い主様とも相談して、ギブスによる外固定で骨癒合まで持っていこうという方針になりました。

後肢は関節部の可動域が広く、比較的外固定に適していますが、前肢はまっすぐ下に降りていますのでギブス装着の難易度は高いと言えます。

これまでにも何度か、ご紹介させて頂きましたが外固定の副子として包帯状熱可塑性キャスト材 レナサームを使用しました。

いづれにせよ、外固定であれ骨折整復手術であれ、全身麻酔を施します。



ガス麻酔でラテちゃんを寝かせます。





骨折のため、骨折部を中心に前腕部が腫脹しています。

趾端にサージカルテープであぶみを付けます。



前腕部にストッキネットを装着します。



次にシルキーテックスをストッキネットに巻き付けます。



キャストパッドプラスを最後に巻き付けます。



骨折部をレナサーム(下写真)で外副子(スプリント)代わりに成形して装着します。



必要な長さをカットして熱湯中にレナサームを入れます。



3分でレナサームは軟化しますので、速やかに外副子を成形します。

軟化してから4分で硬化が始まります。



この外副子による固定では、ギブス固定の様に血流障害は起こりにくく、皮膚の弱いウサギには理想的です。





外固定は骨折部を挟んで2か所の関節を固定して治療が始まります。

今回の様に橈尺骨遠位端骨折の場合は、手根関節と肘関節をこのレナサームで固定します。

外固定後の患部のレントゲン写真です。





物理的な構造として、肘を少し屈曲した姿勢で、外固定をしないとそのままレナサームは脱落してしまいます。

ラテちゃんは活動的なので、この外固定をいつまで維持できるものか不安です。



伸縮包帯によるテーピングを、皮膚の血流障害を招かない程度の力で行います。




外固定で安定するのを期待していたのですが、なんと翌朝、外副子ごと前足から外れていました。

非常に残念ですが、正攻法で骨折整復にあたることに進路変更することにしました。

創外固定による橈尺骨整復手術を実施することになりました。

この創外固定手術の模様は次回のウサギの橈尺骨骨折(創外固定法)でお伝えします。





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2013年11月 8日 金曜日

ウサギの代謝性骨疾患(食餌にはくれぐれもご注意を!)

食餌から摂取する栄養分で体は作られています。

バランスの崩れた食餌をペットに与えることは、結果として大切なペットを病気にしてしまう事です。

以前から、食餌に含まれるカルシウムが欠乏することで起こる代謝性骨疾患についてはコメントしてきました。

この代謝性骨疾患は、犬猫では比較的少ない疾患だと思います。

それは、ドッグフードやキャットフードが完全食でそれだけ食べていれば、栄養学的に問題ないからです。

その一方で、いかにエキゾチックアニマルでは多いことか!

当院HPのサイト内検索で代謝性骨疾患を入力してみて下さい。

結局、エキゾチックアニマルには完全食なるフードが存在しないため、何種類かの食材を組み合わせる必要があり、飼主様がそれを十分認知していないがために、栄養不良による疾患が引き起こされます。




さて今回、ご紹介しますのはこの代謝性骨疾患が原因で骨折に至ったウサギの話です。

ライオンラビットのミミちゃん(8歳、雌)は前肢に力が入らないとのことで来院されました。



レントゲン撮影を実施しました。

下写真の黄色丸の箇所をご覧ください。

両側上腕骨の中央部が斜骨折しています。





ミミちゃんは特に高い場所から飛び降りたりしていないとのことです。

レントゲン写真から骨密度が非常に低く、骨の向こう側が透けて見えるような感じです。

年齢から考慮して、代謝性骨疾患の可能性が高いと考えられました。

過去の経験から、このような骨密度の低い骨を骨髄ピンや創外固定を実施しても骨癒合を期待することは厳しいと判断しました。

ひとまず、ギブスで外固定して栄養状態を改善させてから、次の手を考えることとしました。

ガス麻酔を行う中でレナサームという熱可塑性キャスト剤でギブスを作ります。







前肢が不自由になりますが、飼主様にも頑張って頂いて介護の必要性をお伝えしました。

問題はミミちゃんが退院された8日後です。

今度は後肢が折れてしまったとのこと。

下がそのレントゲン像です。



特に右の脛骨遠位端が斜骨折で骨折端が皮膚を突き破り、解放骨折の状態です(下写真黄色丸)。



解放骨折をしてから患部は糞便などで汚染されています。

むしろこの個所については、残念ながら感染症を考えて断脚することを提案させて頂きました。

飼い主様によっては、このような場合は安楽死を希望される方もみえます。

ミミちゃんの飼主様は、このような状態でも是非、頑張って乗り越えてほしいという意見でした。

断脚手術をすることとなりました。



出血が予想される血管を縫合糸で結紮していきます。





非常に痛々しくみえるミミちゃんですが、術後の経過は良好です。



流動食を口へと注射器を用いて飲ませます。

大変、気に入ってるようで流動食をたくさん飲んでくれます。





今回の代謝性骨疾患になった理由は、まだ小さい頃からミミちゃんは食餌の好き嫌いが激しかったそうです。

チモシーやペレットは拒否し、えん麦(エンバク)から成る嗜好品(おやつ)は喜んで食べるので、食べてくれるのならと飼主様もえん麦をずっと給餌していたそうです。

この点が代謝性骨疾患を引き起こした原因のようです。


ミミちゃんは無事退院されたのち、流動食を給餌する時に誤嚥され、それがもとで呼吸不全に陥り、逝去されました。

非常に残念な結果でしたが、小さい頃からの食生活が大人になった体を作っていることを忘れないでください。

生命を維持するために必要な栄養は必ず与える努力を忘れないでください。

取り敢えず、食べるからといって嗜好品に走ると栄養不良性疾患に至ります。





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