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犬の育て方と病気
幼犬時のチェック項目 老齢犬のなりやすい疾患

幼犬
低血糖
 
:6~12週齢の小型犬種

 
症状として無関心・元気消失・千鳥足・筋肉の震え(特に顔面)が認められます。
血糖値が下降した仔犬はこん睡状態に陥り、死亡する場合もあります。
 
 

輸送によるストレス・食事を取らなかったり、遊びすぎて疲れたりした時等に肝臓内のグリコーゲンが減って、急性低血糖になります。
つい先ほどまで元気だった仔犬が突然、こん睡状態になることも珍しくはありません。
特に小型犬種の持続性・再発性の低血糖発作は脳に損傷をもたらします。
頻繁に発作が起きる場合は門脈シャント(門脈体循環吻合)・感染症・内分泌障害などがないか、検査を受けて確認しましょう。

 
 

治療方法

治療としては、血糖値を回復させるために注射器などを用いて直接口の中にコーンシロップや砂糖水を与えて下さい。
数十分以内に改善が認められるはずです。仔犬が意識不明の場合は、歯茎にコーンシロップかガムシロップを塗布して、病院にお連れ下さい。
グルコースの点滴や脳浮腫の治療が必要になる場合があります。
 
 
予防対策として、低血糖になりやすい仔犬には、1日4回以上に食餌を分けて与えて下さい。 品質の良い(高蛋白・高炭水化物・高脂肪)のプレミアムフードが良いと思います。 多くの子犬は成長とともに低血糖の問題は無くなります。
 
ヘルニア
 2週齢前後の仔犬

ヘルニアは出生後に腹壁がしっかり閉じなかったり、ゆるむことで、その穴から脂肪や内臓が出たり入ったりし、出たまま戻らなくなるものを指して言います。
この開口部は正常の発育過程で閉鎖するもので、飛び出した場合、盛り上がりや膨らみを生じます。

 
 
細部は臍(へそ)と鼠径部(そけいぶ)の2か所です。これらを臍ヘルニア・鼠径ヘルニアと呼びます。

 
 
 
・還納性ヘルニア ⇒ 膨隆部が腹腔内に押し戻せる
・嵌頓性(かんとんせい)ヘルニア ⇒ 膨隆部が腹腔内に押し戻せない
 
 

↑お臍が膨らんでいる臍ヘルニアの症例。

嵌頓性(かんとんせい)ヘルニアの場合、飛び出しているのが内臓の場合、血液が供給されなくなると飛び出した腸等は壊死を起こします。臍や鼠径部に硬いしこりや痛みを感じているようなら、すぐ病院で診てもらって下さい。
臍ヘルニアは2週齢前後の仔犬に良く起こります。一般に6カ月齢で自然に治ることが多いです。ヘルニアの穴に指が入るくらいであれば、手術が必要となります。
雌であれば避妊手術を受ける時に同時に臍ヘルニア整復手術を受けると良いです。
また鼠径ヘルニアは雌犬で多くみられます。仔犬の段階で気づかなくて、成犬になり妊娠してから子宮がヘルニアに入り込み戻らなくなって手術が必要な場合もあります。ヘルニアは遺伝的要因で発症することが多く、仔犬の段階でしっかりとしたチェックを受けて下さい。

 
股関節形成不全
~大型犬に発症率が高い遺伝疾患~
:4~12ヶ月

大型犬に発症率の高い遺伝疾患です。形成不全の股関節は、発達が悪くて浅い寛骨臼内に大腿骨頭がゆるく収まっています。筋肉の発達が骨格の成長に追い付かないと関節は安定しません。
体重を支える負担が結合組織と筋肉の強度を上回ると、関節はゆるんで不安定になります。
結果、大腿骨頭が寛骨臼内で泳いでしまい、骨頭の異常な摩耗と裂傷が生じます。
股関節形成不全の犬は外見は正常でも、生まれつき構造上の変化が進行する股関節を持っています。

 
 
・片足をひきずるようにして歩く、びっこを引きながら歩く。
・揺れ動くような歩き方をする。
・走るとウサギ飛びのようになる。
・起き上がる時は下半身に不自由な感じがある。
 
 

股関節形成不全の確定診断は股関節と骨盤のレントゲン撮影によります。

 

治療方法

活動の制限と非ステロイド系炎症鎮痛剤やグルコサミン等のサプリメントを投薬して痛みと炎症を和らげ、傷ついた軟骨を修復します。
外科的に早期手術により、治療可能な変形性関節症もあります。
仔犬の場合は、骨盤3箇所切断術や大腿骨頭切除手術・恥骨筋切除手術・股関節置換手術等、股関節形成不全の状態に応じて選択します。
 
膝蓋骨脱臼
~歩き始めから気づくこともあれば。生後6ヶ月くらいになり気づくことも~
:6~8週齢でチェックします

後肢にある膝蓋骨が正常な位置から逸脱した状態を膝蓋骨脱臼と言います。
膝蓋骨は靭帯でつなぎとめられ大腿骨にある滑車溝と呼ばれる溝の中を滑り、膝の屈伸運動を行います。
この溝が生まれつき浅かったりしますと膝蓋骨が外れてしまいます。本症には内方脱臼と外方脱臼があります。小型犬種に内方脱臼は圧倒的に多く、生後6~8週齢でチェックをします。
仔犬の場合、歩き始めから気づくこともあれば、生後6カ月くらいになり激しく走りこむようになってから気づくこともあります。

 
 
びっこを引くことから始まります。
次第に酷くなることが多く、膝の関節の変形を生じて歩行困難になるケースもあります。
 
 

脱臼の状態に応じてステージがⅠからⅣまで分類されます。 ステージⅡ以上の場合は骨格が完成する1歳位を目途に手術を実施します。 その子がストレスなく足が使えるかどうか決まる難しい手術です。 一般に先天的膝蓋骨脱臼は遺伝しますので、本症に罹患している仔犬は繁殖には向きません。

 
歯のチェック
~~生後7カ月齢を過ぎて、遺残乳歯が認められましたら速やかに抜歯をすることをお勧めします~

↑遺残乳歯の症例

仔犬(仔猫)が成長していく過程で、歯は乳歯から永久歯に生え換わりが起こります。
一般に生後4カ月齢から前歯(切歯)が抜け、次に奥歯(臼歯)が抜け、生後7カ月齢には、犬歯が抜けて全ての歯が生え換わります。
しかし、中には7カ月を過ぎても乳歯が残っていて、二列に歯が生えたり、永久歯があらぬ方向に生えてしまったりするケースもあります。この遺残乳歯がありますと歯の咬み合わせが悪くなり、硬いものを十分な力で咬み砕くことができません。
顎の発育にも異常が起こり、口の形状もおかしくなります。小さなお子さんのように歯列の矯正は、我々獣医の世界では基本的に実施しません。加えて遺残乳歯を中心に歯石が溜まりやすくなります。したがって、生後7カ月齢を過ぎて、遺残乳歯が認められましたら速やかに抜歯をすることをお勧めします。

 
先天的心疾患
~生まれつきの心臓の疾患のタイプについて~

犬にはあらゆるタイプの心疾患が認められます。
最も多くみられる欠陥は、弁膜の奇形(形成異常)・弁膜狭窄・心室間の異常な開口部(心室中隔欠損)・動脈管開存およびファロー四徴症等です。重度の心疾患のある犬は1歳未満で死亡することが多いです。
中程度の心疾患であれば生き延びることはあっても、運動不耐性、失神発作、発育不良を示すのが普通であり、これらの犬は突然、心不全になることが多いです。軽度の弁膜症や小さな中隔欠損であれば、症状が表に出ないことも多いです。
心疾患の診断は心電図、胸部レントゲン撮影、心エコー検査を実施します。
特にドップラー心エコーでは心房室内の血流と方向を測定するもので、先天的心疾患の診断が極めて正確になります。
生後4~6週齢で心音のチェックを実施し、この段階で心雑音が聴こえても16週齢まで定期的に心音をモニターしていきます。
この間に自然に心雑音が無くなる場合もあります。もし16週齢でも依然、雑音があれば心エコー検査に移ります。

 
老齢犬のなりやすい疾患
慢性弁膜症
~ 犬の20~40%がかかると言われる心疾患~

弁膜症とは、心臓内にある4つの弁(三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁)が何らかの原因で閉まらなくなったり、狭くなったりする疾患です。
犬の場合は僧帽弁の閉鎖不全がほとんどです。
あらゆる犬種に発生しますが、マルチーズ、ポメラニアン、プードル、チワワ等の小型犬、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、柴犬等の中型犬も発生します。
原因は不明なことが多いのですが、加齢と共にその発生は増加します。
特にキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは若齢でも発生することが判明しています。
僧帽弁は、心臓の左心房と左心室の間に位置する2枚の薄い弁で、心臓が収縮するときに閉鎖し、左心房への逆流をふさいでいます。僧帽弁閉鎖不全症は、この弁が完全に閉鎖できず、心臓が収縮する際に全身へ拍出されるべき血液の一部が弁の隙間から左心房へ逆流する状態をいいます。その結果、左心房の圧が上昇し、肺のうっ血が起こります。この状態が続くと心不全を起こし、肺水腫等の呼吸困難や左心房が大きくなることにより咳をします。

 
 
初期全く症状が無い
心臓が収縮する時に左心室から左心房に逆流するために発生する心雑音が聴こえるだけです。
 
進行左心房が大きくなって、肺のうっ血や肺に水がたまり(肺水腫)、咳や呼吸困難になります。
肺水腫の程度によりますが、呼吸困難から舌の色が紫になると非常に危険な状態で、放置していると死亡します。
 
 

この病気の進行は様々で、数年間にわたり安定している場合もあれば、急激に進行する場合もあります。いづれにしても治療が必要であり、治療による延命も可能です。

歯周病(歯石・歯肉炎)
歯周病は予防可能な疾患です。予防方法を知ってケアしましょう!

↑歯周病の症例。歯石もびっしりついています。

歯周病とは歯周疾患とも言われ、歯を取り巻く歯周組織の疾患であり、歯肉炎と歯周炎とに分けられます。
歯肉炎は歯周病の初期にみられる歯肉の炎症で、治療により回復可能な状態です。
しかし、歯肉炎が進行すると病変は歯肉にとどまらずにより深部の歯周組織に波及し、歯周炎と呼ばれる状態になります。
これはヒトで言う「歯槽膿漏(しそうのうろう)」とよばれるものです。病巣が深い歯周病の場合は、治療により症状の進行を防ぐことが出来ますが、もとの健康状態に戻すことは出来ません。
そのため、歯周病は少しでも早く発見して治療することが大切です。そして重度にならないように予防することも大切です。
歯周病は発症率が極めて高いことが報告されています。3歳以上の犬・猫は80%上の割合で歯周病を生じていると報告されています。これは予防可能な疾患であるにもかかわらず、予防歯科処置やデンタルホームケアに関する我々の飼い主様への指導が十分でないことも原因の1つと言えます。
歯周病で来院されるケースは重症例も多く、歯石が過剰に付着して歯肉・歯槽膜・歯槽骨にまで破壊が進行し、抜歯をよぎなくされます。

 
歯周病を放置すると…?

歯周病を放置すると歯石は細菌の塊ですから、炎症の部分から細菌が血管内に侵入し、菌血症を起こして、心臓や肝臓、腎臓等の全身の臓器に障害を及ぼすのがわかっています。

 

歯周病の治療法

歯周病のどの時期のものを治療するかで治療法は大きく異なります。
初期の歯肉炎では、口腔内を清潔に保ち、ブラッシングにより歯垢を除去し、必要に応じて薬剤の投与を行うことで十分ですが、進行した歯周炎では全身麻酔下で超音波スケーラーを使用して、歯垢や歯石を除去する処置が必要となります。
 
痴呆症
~ペットの変化をチェックしましょう~
:13歳以上の老犬

犬痴呆の定義は、「高齢化に伴って、一旦学習によって獲得した行動及び運動機能の著しい低下が始まり、飼育困難となった状態」とされています。
人医療では、痴呆という言葉が持つ差別的意味から「痴呆」を「認知症」と行政用語が変更されています。獣医療では、今だ「痴呆症」と呼称されており、ここでも痴呆という言葉を使用させて頂きます。

歯周病を放置すると歯石は細菌の塊ですから、炎症の部分から細菌が血管内に侵入し、菌血症を起こして、心臓や肝臓、腎臓等の全身の臓器に障害を及ぼすのがわかっています。

 
1夜中に意味なく単調な声で泣き出し、止めても鳴きやまない。
2歩行は前にだけ、とぼとぼと歩き、円を描くように歩く(旋回運動)
3狭いところに入りたがり、自分で後退できないで鳴く。
4飼い主も自分の名前も分からなくなり、何事にも無反応。
5良く寝て、良く食べて、下痢もせず、痩せてくる。

もし、あなたの犬がこの簡易診断で痴呆症が疑われる場合、かかりつけの病院で診察を受けて下さい。

 
 

痴呆犬は多臓器疾患(弁膜症・腎障害・関節疾患等)を併発していることが多いため、痴呆のみにとらわれず併発疾患についても意識を持って頂くようお願い致します。

特に痴呆犬は体温調整能力が低下しているため、温度調整にはご注意ください。
わんポイント!
熱射病
風通しの良い場所や日差しに注意しましょう。
お水も常に気をつけて見てあげましょう。
低体温症
温かい毛布や、飼い主様の臭いがついた物をおいてあげましょう。
夜泣き・徘徊・排便、排尿については、出来うる限り晴れている日には日光浴をさせて下さい。
日光は生体時計を調整する効果があります。
歩行が可能であれば、外界の刺激、歩行機能維持のために出来る限りの散歩が必要です。
毎日の定時の散歩により痴呆犬でも外での排便・排尿が出来るようになることがあります。
口腔疾患・腰脊椎疾患があれば食餌が食べにくい場合があり、食べる仕草はしていても実際は食べてなくて、栄養失調になっていることもあります。この場合は、食べやすいように食器の位置を調整して下さい。加えて食事・飲水量は必ず確認して下さい。
最近では痴呆犬用のフードも出ていますので、ある程度の痴呆症の改善は期待できますので食事の変更も良いかもしれません。