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2021年5月 9日 日曜日

獣医師伊藤の小話 飼い鳥の発情について

こんにちは、獣医師の伊藤です。近頃はだんだん暖かくなり、春の訪れを感じる日が多くなってきました


そして動物病院としては、猫の発情についての相談、拾った子猫を多く診察することになる時期でもあります。

しかし当院ではエキゾチックアニマルの患者様が多いため、今回は発情自体が健康上の問題になる事が多く、さらに去勢、避妊等が物理的に困難な鳥類(インコ・オウム類)の発情についてお話させていただきます。




発情行動

基本的には1年のうち2回ほどインコ類は発情し、つがいを作り、繁殖をします。

雄の場合は、ディスプレイ行動(高い声で鳴いたり)、吐き戻し、お尻を擦り付けるなどの行動

雌の場合は、巣箱のなかでじっとする、紙などをちぎって巣作りを行う、尾羽を挙げて交尾許容行動をする(飛行機ポーズ、しゃちほこポーズ)

狭い場所に入りたがる、ロウ膜の色が変わる

こういった行動をするようになり、こういった発情を慢性的に続けていると様々な病気になるリスクになります。




なぜ慢性発情がいけないのか?

インコ・オウム類の病気で特に問題になる事が多い産卵に関わる問題は卵づまりや卵管炎をはじめとして、低カルシウム血症などがメジャーですが、その他にも慢性的な発情は様々な健康上のリスクになります。

発情状態になるとエストロジェンと呼ばれる発情ホルモンが分泌されます、このホルモンは肝臓に蛋白質を産生させたりカルシウムを骨に沈着させる働きも行います。

その結果、肝臓に負担がかかり続けることによる肝機能障害、カルシウムの沈着と放出が繰り返されることによる骨の変形、関節炎など、卵に関わらない部分でも病気のリスクになります。


発情のステージ

まず、発情と一言に言っても発情期の中には求愛をするステージ(求愛期)と巣を作るステージ(営巣期)、その後、卵を温めるステージ(抱卵期)に分かれます。

そしてその後孵ったヒナを育てる育雛期が訪れ、ヒナが巣立ち非発情期に戻ります。



発情を促す要因

①発情対象の存在

仲の良い特定の家族、同居鳥などが見えること、声が聞こえることも発情を促します。

雄は特定の相手でなくても、おもちゃや鏡に発情することもあるので、その相手を環境から取り除くことが必要になります。

特に難しいのは可愛がっている家族とのコミュニケーションが発情を促してしまうことです。

「じゃあ、遊ぶこと、声をかけるのをやめましょうと」言うのは簡単なんですが、実際問題ペットと遊べなくなるというのもなかなか難しいもので、
人の顔をマスクなどで隠して遊ぶ、なんてことも言われてはいますが、なかなか心情的に...といったものです。



②明るい時間の延長

一日のうち明るい時間が長くなると、メラトニンが分泌され、GnRHの分泌量が増えることで発情が始まります。

明るい時間が6-8時間以上になると発情の刺激になるため、理想としては夕方にはカバーをかけて完全に光を遮断して朝まで一切光を当てない事です。

少しでも光が差し込む時間があると、発情抑制にはならないため注意が必要です。


③巣の存在

雌にとっては特に巣材・巣があることが発情を引き起こす原因となります。

そのため、床材のティッシュや新聞紙などちぎって巣にできるものをかじるようなら使わないこと、
テントや巣箱、壷巣など巣だと認識できるようなものをケージ内に入れないことが必要になります。

また、衣服の中、カーテンの中など、巣だと思い込んで落ち着ける場所に潜り込んだりすることをさせないことも重要です。




④ストレスのない環境

自然界では被捕食者であるインコ・オウムたちは外敵のいない落ち着いた環境いると子供を産んで子孫を増やそうとします。

飼育下ということ、つまり外敵がいない安全でエサももらえるストレスがない環境にいると必然的に発情しやすくなります。

そこで適度なストレス(あくまで適度な)を与えることで発情を抑制することができます。

例えば、ケージの場所を定期的に変える、知らない人に会わせてみるなども一つの方法だといわれています。



⑤十分な量の餌の存在

上記のストレスのない環境と一部かぶりますが、十分な餌が存在し、餌を探し回らなくてもいい環境にいることも発情を引き起こす原因になります。

自然界では飛び回らなくても餌が十分に手に入る時期に繁殖を行うためです。

そのため対策としては、肥満傾向にある子に対しては餌の制限と運動量を増やすダイエットを勧めることが多いです。

そして発情を抑えるという点ではダイエットさせることはかなり有効です。

しかしながら、しっかりと体重と便の様子をモニタリングしながら行う必要があるので、ダイエットを行うときは、鳥の体調に気を付けながら獣医師に相談して行うことが望ましいですね。

おわりに

色々と書きましたが、結局のところ"子供を高確率で育てられる状況で繁殖する"ことはどの動物にも共通する考え方です。

そして飼い鳥の発情で悩む飼い主様は大抵の場合、しっかりと飼育管理し愛情深く飼育されている方なんです。

そのストレスを与えまいとする愛情が発情を促してしまうことが難しい点であるとも思います。

かつて自分もセキセイインコを家族で飼育していたことがありました。

今にして思うと全く適当に飼っていたのですが、卵を産んだことは1,2回位でした。

餌はたまに切らしていたし、温度管理も特に行わなかった上に

他に飼っていたネコがケージの近くから「こいつはいつ狩ってもいいのだろう」としっぽを振りながら眺めていることもしばしばありました。

明らかに褒められた飼育環境ではなかったですが、発情させないという点ではやはり適度なストレスというのは必要なものなのでしょう。

次回はダイエットについて、肥満が病気の一因となってしまったケースについて紹介しながら書いていきたいと思います。

飼い鳥の発情について知る機会になったというかたはクリックお願いします!


投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL

2021年5月 1日 土曜日

獣医師平林の小話 ~ヘビのマウスロット~

こんにちは。獣医師の平林です。


僕の近所の公園では先日桜が満開に咲いていました。


暖かくなって、動物達も活発になってきたのではないでしょうか。


僕は動物アレルギーを含め、色々なものにアレルギーをもっているのですが、やはりスギ花粉の時期は頭一つ抜けて症状が重くなるので大嫌いな季節です(笑)





・・・という書き出しで3月末から記事を書き始めたのですが、もう5月ですね。


4月の犬猫予防シーズンに入るやいなや忙殺されておりました。





さて、今日のお話ですが、前回に引き続きまたヘビです。


爬虫類のマウスロットといえば、名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。


知名度に比例してとてもポピュラーな病気かというとそこまででもないのですが、やはり有名になるだけあってそれなりの数の患者さんが来院されます。





まずマウスロットがどんな病気なのか、というところからですが、口内炎(mouse rot)のことです。


例えば捕食時に負った外傷であったり、食餌の腐敗であったり、強制給餌の際に傷を付けてしまったりと、色々なことがきっかけとなって起こりえます。


飼育失宜(度を越えた多頭飼育、不衛生、温湿度が不適)や栄養学的問題(ビタミンAやCの不足、脱水)も原因となることがあるので、注意が必要です。


起こりうる症状としては、食欲不振、流涎、鼻汁、結膜炎、首の腫れなどがあります。


これらに対しての対症療法とともに、適切な抗菌剤の使用と、乾酪化した粘液物の物理的な除去をします。


以下、いつものように実際の症例写真をご覧頂こうと思います。





今回紹介するのは流涎が続くとのことで来院されたカーペットパイソンさんです。

















口の中は涎でいっぱいですね。

















固まってしまった膿の塊を除去していきます。





























見える範囲で取り切ったところです。


一部炎症を起こして出血しているのがお分かり頂けると思います。











表面の消毒をして、処置は終了となります。
















あとはご自宅で飼育環境に気を付けつつ、お薬を飲んで安静にしてもらいます。


マウスロットは、爬虫類を飼っている方は名前だけは聞いたことがある病気だと思います。


よくある病気ではないですが、口の病気というのは食欲に直結しますし、それはすなわち衰弱にも直結するということです。


おうちの子の異変に気付いたら早めに来院して頂けるとと思います。


参考になったよー、という方は下記のランキングアイコンをクリックして頂けると励みになります。



投稿者 ブログ担当スタッフ | 記事URL

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