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フクロモモンガの疾病

フクロモモンガの靭帯損傷

昨日、フクロモモンガの健康診断でお伝えいたしましたが、爪の伸びすぎによる受傷が多いです。


今回のフクロモモンガ君は、右の前脚がケージの格子をつかむことが出来なくて来院されました。






よくよく拝見しますと、明らかに爪が伸びており、おそらく部屋に放った時にカーテンやカーペットの線維に爪が引っかかって前脚を痛めているようです。

神経学的検査では痛覚はしっかりあります。

早速、レントゲン写真を撮りました。



前脚の拡大像です。



次いで側面の画像です。



レントゲン撮影からは特に骨折、脱臼など問題となる所見はありませんでした。

爪を引っ掛けて、外れなくなり暴れた時に恐らく靭帯を痛めたものと考えられました。

爪をカットした後、鎮痛剤を投薬して、できうる限り激しい運動は控えるよう指示しました。


フクロモモンガの爪はまめに切って、伸び過ぎないようご注意ください!





爪の過長で肢を痛めるフクロモモンガが多いことを認識して頂いた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの健康診断

フクロモモンガの人気も定着した感があります。

当院でもフクロモモンガの健康診断の依頼は多いのですが、今回はその中で気になったことをコメントさせて頂きます。


 1: フクロモモンガとのスキンシップは重要です。

飼い始めは非常に警戒心が強く、夜行性のため、積極的なスキンシップ(コミュニケーション)を避ける飼主様が多いようです。

特に1匹のみの単独で飼育される場合、寂しさのため自咬症に走る個体が多いようです。

これまでにも当院HP上で、フクロモモンガの自咬症の症例報告はさせていただいてますが、自咬症が原因で敗血症で死亡するケースも出ています。

したがって、飼育当初から根気強くコミュニケーションをとるようにして下さい。


 2: 検便は必ず受けて下さい。

飼育当初から軟便が続き、食欲の割に増体が認められないような場合、検便で寄生虫感染が見つかることがあります。

特にジアルジア感染例が多いです。

検便の顕微鏡写真ですが、黄色丸がジアルジアです。




 3: 爪にご注意を!

長く伸びた爪で自身の眼を傷つけたり、部屋に放たれた時にカーテンに爪が引っかかって外れなくなり脱臼、靭帯損傷に至るケースが多いです。

自然界では爪切りは必要ありませんが、ペットとして飼育される場合は必要です。



 下の写真は、フクロモモンガの健康診断で爪切りをしてるところです。







フクロモモンガは基本的に爪切りは嫌いな個体が多いです。

ハムスター等と比較しても爪切りは苦労します。



上の写真は眼科検査をしているところです。

爪が伸びて角膜損傷というケースもあります。



フクロモモンガも犬猫同様、健康診断は重要なことを
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの陥頓包茎(かんとんほうけい)

以前、デグーマウスの陥頓包茎についてコメントしました。

フクロモモンガもやはり陥頓包茎になります。





フクロモモンガのペニスはデグーマウスや犬猫に比べ特殊な形状をしています。

たとえて言えば、蛇の舌のように先端が2つに分かれて思いのほか長く、包皮内に格納されています。

ところが、一旦興奮して包皮からペニスが脱出して戻らなくなりますと陥頓包茎の状態になります。

脱出して、数分後にはペニスに浮腫が生じ疼痛を伴います。



上の写真(黄色の丸印内)がフクロモモンガのペニスです。

半日以上、ペニスが戻らないため来院されました。




ペニスの包皮内の格納方法は、デグーマウスの陥頓包茎と同じ手法になります。

もし、フクロモモンガの飼主様で陥頓包茎になったら、参考にして下さい。










ただ露出しているペニスが体に比べて長いため、非常に難しいと言えます。

加えて、暴れる個体が多く伸びた爪でペニスを酷く傷害する場合もありますので要注意です。

過去に陥頓包茎になったフクロモモンガで、脱出したペニスを咬みちぎり、再建手術に苦労しました。

今回もその点が非常に心配です。

陥頓包茎の予防としては、去勢手術をお勧めします。

発情に伴う興奮で発症するケースが多いように思います。



フクロモモンガのペニスを初めてご覧になった方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

アメリカモモンガ vs フクロモモンガ

モモンガ、特にフクロモモンガは最近ではペットとして非常にポピュラーな存在になってきました。

当院でもフクロモモンガの来院率は高く、外傷処置から去勢手術まで対応させていただいています。

今回ご紹介しますのは趣を変えて、アメリカモモンガです。

最近では、アメリカモモンガを見かけることは珍しいです。

このアメリカモモンガは齧歯類リス科モモンガ亜科に属します。

いわゆるリスの仲間なんです。





齧歯類である以上、シマリスやハムスター同様に切歯が伸びます。

切歯過長症となると硬いものが食べれなくなります。

そこでアメリカモモンガの歯切りです。

餌の食べが悪いとのことで来院されました。





下の写真は専用ニッパーでカットしてるところです。



カットした切歯の断面が舌や口腔内を傷つけないようにヤスリで研磨します。



アメリカンモモンガは性格的には非常に繊細な感じがします。

一方、身体は頑健で大きな病気にはなった症例をみたことがありません。

動きは俊敏で、シマリスを彷彿とさせます。

逃がしたら、捕まえるのに非常に苦労します。

アメリカモモンガは輸入規制対象動物ということで、今ではショップで販売されることもないと思います。

アメリカモモンガと同じリス科のタイリクモモンガに至っては、飼育禁止動物に指定されています。

今後、高嶺の花となりそうですね。

下はフクロモモンガです。




アメリカンモモンガと比較すると顔の骨格や表情から随分違いがありますね。

フクロモモンガは有袋目フクロモモンガ科でカンガルーの仲間です。

メスのフクロモモンガは下腹部に袋(育児嚢)があり、子供を70日間ほど袋で育てます。

アメリカモモンガの様に切歯が伸びることはありませんので、当然歯切りの必要はありません。

フクロモモンガはどちらかというと動きがサルに近いものがあります。

スキンシップを非常に好むため、それが人気なんでしょうね。





同じモモンガとは言え、その発生学的分類の違いがあることに
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの前肢浮腫(末梢循環障害)

つい先日、フクロモモンガで前肢の咬傷による皮下膿瘍をご紹介しました。

あの写真もそれなりに前肢の腫れが目立っていましたが、今回のフクロモモンガ君はさらに腫れが酷いです。





まさにグローブのごとく腫れています。

なぜこんな状況になったかというと下写真の左手首(黄色矢印)に部分になんと飼主様の髪の毛が巻き付いてしまったのです。



案外、小さな生き物ほどこういったアクシデントは気づかれないもので、ひどくなってから受診される特徴があります。

おそらくあと数日来院が遅ければ、断脚ということになっていたかもしれません。

フクロモモンガにとどまらず、犬や猫でもこういったアクシデントは多いです。

小さなお子様のみえるご家庭では、お子様が犬や猫の足に輪ゴムを巻いてしまい、そのことを忘れてしまい何日か経過しますと末梢部の血流障害が生じますので、早急に輪ゴムをカットしないと足が壊死を起こし、外科的に断脚を要します。

今回のフクロモモンガ君は患部の浮腫で治まり、患部に巻き付いていた髪の毛をカットして事なきを得ました。

髪の毛というのは非常に珍しいケースと思いますが、フクロモモンガをお部屋に放って遊ばせているとカーテンとか絨毯の毛が足首に巻き付いて、今回に似た症状を引き起こしますのでご注意ください。



フクロモモンガの手首がここまで腫れるんだと驚かれた方は
 

 
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