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フクロモモンガの疾病

フクロモモンガの去勢手術(変法)

フクロモモンガの去勢手術について以前、ブログにコメントさせて頂きました。



コメントした時は、まだ術式としては、陰嚢に切開を加えて精巣を2つ摘出する方法の紹介でした。

手術法としてはその従来法で問題はないのですが、フクロモモンガの陰嚢はなぜか陰嚢の首に当たる部分が非常に長く、術後モモンガが患部を気にして自咬する症例もありました。

ご存知のようにフクロモモンガの切歯は鋭利で、自咬症に陥ると回復にまで手こずります。

フクロモモンガの外科は術後、モモンガが気にならないように皮膚をまとめるのが難しいです。

したがって、陰嚢の首にあたる箇所を切断して陰嚢ごと摘出する方法を考案しました。

今回はその術式を簡単にご紹介します。


去勢手術を実施させて頂いたのは、フクロモモンガのチロル君です。






下写真の赤丸にありますのが、フクロモモンガの陰嚢になります。

陰嚢が長い首でつながっているのが分かります。





上写真のように光をあてますと精巣動静脈や精巣靭帯が浮かんで見えます。

この脈管系をまとめて首の付根付近で摘出します。

下の写真はその処置の風景です。

詳細は、企業秘密のため(?)ぼかしの写真でご容赦下さい。





下写真は術後の患部です。

従来なら精巣の入っていない陰嚢が長い首を伸ばしてだらんとしているところですが、すっきりしています(下黄色丸)。



麻酔覚醒後、エリザベスカラーをして痛そうなチロル君です。

お疲れ様でした!



約1週間で患部はきれいに皮膚癒合し、経過良好です。

最後に摘出した陰嚢です。



フクロモモンガの飼主様で去勢を考慮中の方、術後の綺麗な傷口をご希望の方、本法をご検討してみて下さい。





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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの虚脱(ショック状態)

昨日は、爬虫類の脱水症状のコメントをさせていただきました。

本日は、フクロモモンガの虚脱についてご紹介させて頂きます。

爬虫類の脱水症状と同じく、飼主様でどんな状態になったら、病院で診察を受けるべきであるか悩まれている方が多いようです。

本日のフクロモモンガ君にしても、もう少し早くお連れ頂けたら状況が好転したかもしれません。

他にフクロモモンガを飼育されている飼主様のご参考になればと思い、コメントさせて頂きます。

このフクロモモンガ君は、数日前から食欲が全くなく、だんだん元気もなくなってきたとのことで来院されました。





すでに診察した時点で、眼を開けることもできず体を動かすこともままならない状態です。



このフクロモモンガ君はまさにショック状態に陥っています。

簡単に申し上げれば、ショックとは血圧の低下により末梢循環が著しく傷害され、末梢の組織の代謝障害や広範囲の細胞の酸素欠乏症、主要臓器の機能不全をおこした状態をさしていいます。

ショック状態が長時間続きますと組織障害は回復不可能となり、致死的状況となります。

特に脳は酸素欠乏に弱い点から、脳死する可能性も出て来ます。

このフクロモモンガ君は、食欲不振からの飢餓状態、そして低血糖になり、虚脱からショック状態に移行したと考えられます。

特に、このフクロモモンガ君は生後6か月でありながら体が極めて小さく、健康な時から食の細い個体であったそうです。

低血糖・脱水症状及び低体温症になっており、救急処置としてまずこれらの症状の改善に取り組みます。

犬猫ならこんな時は速攻で静脈に留置針を入れてブドウ糖などの点滴を開始しますが、血管の確保が小さい動物なので出来ません。

口から直接、ブドウ糖を強制的に投与します。



すでに上手に嚥下ができない状態なので、誤嚥しないよう注意を払って少しずつ飲ませます。

脱水状態の改善のため、皮下にリンゲル液を輸液し、ショック対策にステロイドの注射をします。



この処置後、インキュベーター内で体を温め、経過を診ることとしました。

一時、自分で動き回るようになり、ホッとしたのもつかの間で、翌日フクロモモンガ君は亡くなられました。

ショック状態を改善することに終始せざる得なかった点が残念です。

恐らく低血糖症からの高度のショックによることが死亡の原因と思います。


フクロモモンガは幼体時の食欲に応じて、体格の個体差が大きい動物です。

これはどのペットにも言えることですが、成長期は十分な栄養を与えて下さい。

それに応じた免疫力もついてきます。

それでも病気に罹患して、最悪ショック状態に陥った場合、バイタルサイン(患者の生きている徴候)をみて飼主さんにご判断頂きたい点があります。

1:意識があるか?  刺激に応じて覚醒するかを確認。

2:呼吸をしているか?  胸郭の上下運動で呼吸の有無を判断して下さい。

3:歯肉の色はピンクか? 貧血や低血圧だと蒼白色。低酸素症だと紫(チアノーゼ)。

4:ピンクの歯肉を指で押して1~2秒でピンクに戻るか? この戻る時間をCRT(末梢血管再充填時間)と言います。
 
 
血圧低下や末梢循環の悪化でCRTは延長します。

最低でも以上の点をチェックして、問題があるようならすぐ病院で受診して下さい。





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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの靭帯損傷

昨日、フクロモモンガの健康診断でお伝えいたしましたが、爪の伸びすぎによる受傷が多いです。


今回のフクロモモンガ君は、右の前脚がケージの格子をつかむことが出来なくて来院されました。






よくよく拝見しますと、明らかに爪が伸びており、おそらく部屋に放った時にカーテンやカーペットの線維に爪が引っかかって前脚を痛めているようです。

神経学的検査では痛覚はしっかりあります。

早速、レントゲン写真を撮りました。



前脚の拡大像です。



次いで側面の画像です。



レントゲン撮影からは特に骨折、脱臼など問題となる所見はありませんでした。

爪を引っ掛けて、外れなくなり暴れた時に恐らく靭帯を痛めたものと考えられました。

爪をカットした後、鎮痛剤を投薬して、できうる限り激しい運動は控えるよう指示しました。


フクロモモンガの爪はまめに切って、伸び過ぎないようご注意ください!





爪の過長で肢を痛めるフクロモモンガが多いことを認識して頂いた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの健康診断

フクロモモンガの人気も定着した感があります。

当院でもフクロモモンガの健康診断の依頼は多いのですが、今回はその中で気になったことをコメントさせて頂きます。


 1: フクロモモンガとのスキンシップは重要です。

飼い始めは非常に警戒心が強く、夜行性のため、積極的なスキンシップ(コミュニケーション)を避ける飼主様が多いようです。

特に1匹のみの単独で飼育される場合、寂しさのため自咬症に走る個体が多いようです。

これまでにも当院HP上で、フクロモモンガの自咬症の症例報告はさせていただいてますが、自咬症が原因で敗血症で死亡するケースも出ています。

したがって、飼育当初から根気強くコミュニケーションをとるようにして下さい。


 2: 検便は必ず受けて下さい。

飼育当初から軟便が続き、食欲の割に増体が認められないような場合、検便で寄生虫感染が見つかることがあります。

特にジアルジア感染例が多いです。

検便の顕微鏡写真ですが、黄色丸がジアルジアです。




 3: 爪にご注意を!

長く伸びた爪で自身の眼を傷つけたり、部屋に放たれた時にカーテンに爪が引っかかって外れなくなり脱臼、靭帯損傷に至るケースが多いです。

自然界では爪切りは必要ありませんが、ペットとして飼育される場合は必要です。



 下の写真は、フクロモモンガの健康診断で爪切りをしてるところです。







フクロモモンガは基本的に爪切りは嫌いな個体が多いです。

ハムスター等と比較しても爪切りは苦労します。



上の写真は眼科検査をしているところです。

爪が伸びて角膜損傷というケースもあります。



フクロモモンガも犬猫同様、健康診断は重要なことを
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの陥頓包茎(かんとんほうけい)

以前、デグーマウスの陥頓包茎についてコメントしました。

フクロモモンガもやはり陥頓包茎になります。





フクロモモンガのペニスはデグーマウスや犬猫に比べ特殊な形状をしています。

たとえて言えば、蛇の舌のように先端が2つに分かれて思いのほか長く、包皮内に格納されています。

ところが、一旦興奮して包皮からペニスが脱出して戻らなくなりますと陥頓包茎の状態になります。

脱出して、数分後にはペニスに浮腫が生じ疼痛を伴います。



上の写真(黄色の丸印内)がフクロモモンガのペニスです。

半日以上、ペニスが戻らないため来院されました。




ペニスの包皮内の格納方法は、デグーマウスの陥頓包茎と同じ手法になります。

もし、フクロモモンガの飼主様で陥頓包茎になったら、参考にして下さい。










ただ露出しているペニスが体に比べて長いため、非常に難しいと言えます。

加えて、暴れる個体が多く伸びた爪でペニスを酷く傷害する場合もありますので要注意です。

過去に陥頓包茎になったフクロモモンガで、脱出したペニスを咬みちぎり、再建手術に苦労しました。

今回もその点が非常に心配です。

陥頓包茎の予防としては、去勢手術をお勧めします。

発情に伴う興奮で発症するケースが多いように思います。



フクロモモンガのペニスを初めてご覧になった方は
 

 
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