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フクロモモンガの疾病

フクロモモンガの皮下膿瘍(咬傷)

これまでのフクロモモンガの疾病の紹介の中でも申し上げてきましたが、フクロモモンガは本当に細菌感染に弱いです。

今回ご紹介するのは、同居してるフクロモモンガに咬まれて皮下に膿瘍が出来てしまった症例です。

このフクロモモンガ君は右前肢が非常に腫れて受診されました。

明らかに右前肢がグローブのように腫れ上がっていました。

患部に圧迫を加えますと2か所の穴が存在し、それぞれから膿が排出されたのが判明しました。





この2か所の傷は同居しているフクロモモンガの切歯による咬傷と思われました。

細菌感染に弱いのが特徴ですが、一方適切な抗生剤を投薬すれば比較的シャープに効果が表れるように思います。

今回はニューキノロン系の抗生剤を処方しました。

また自咬症に走る特徴のある動物ですから、エリザベスカラーを装着して患部を自身で咬まないように保護しました。



これで一週間、我慢してもらうこととしました。

小型愛玩鳥と同様、フクロモモンガはエリザベスカラーが大嫌いです。

これを装着するだけで食欲は激減します。

1週間後の患部は以下の写真です。

随分、患部の腫れが治まっているのがご理解いただけると思います。



患部の排膿も治まりましたので、カラーを外すこととしました。

これでフクロモモンガ君もすっきりしたことと思います。

今回は飼主様が早く気付いて受診されたから良かったのですが、以前フクロモモンガの断脚手術をご紹介したように長い時間放置されると最悪、命に係わることとなります。


フクロモモンガの前肢が化膿するとこんなに腫れのか!
 

 
と思った方はこちらupwardrightをクリックして頂けると嬉しいです。
 


投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの断脚手術

フクロモモンガの来院率は、当院では比較的高く、その内訳は自咬症、原虫感染症、爪切りが上位3位を占めます。

機会があるたびに私はフクロモモンガは、デリケートで自咬に至る傾向があることを強調してます。

フクロモモンガはペットとして飼育されてからの年月はまだ浅い種類になるかと思います。

それでも、野生動物であることは変わりありませんので、自分的に気になる体の箇所がありますと舐めはじめ、次には齧り始めるといった行動を起こします。

今回は、自咬症が高じて肢を切断しなくてはならなくなった症例を報告します。

事の発端は、前脚の親指が自咬で壊死を起こし外科手術でカットしたことから始まります。




おそらくは爪が長くて、どこかに引っ掛けて折れたのが気になって自咬に走ったものと思います。

このまま放置すれば、フクロモモンガは感染症に弱い動物なので外科的に患部を離断することを飼主様にお勧めしました。







壊死した幹部をトリミングしています。



皮膚を5‐0の縫合糸で縫いこんでます。





この時点では手術も上手く完了したと思っていました。

患部は本人のストレスを考えて手製のエリザベスカラーはやめました。

代わりに粘着テープを幾重にも巻いて、自咬に備えたつもりだったのですが。

術後10日ぐらいで、患部の腕が大変なことになってる!と来院されました。

どうやら患部を咬み始め、そこから雑菌が侵入して前脚全体が大きく腫れ上がっていました。



既に筋肉は裂けて、骨が一部分露出している状態(黄色い円)でした。

フクロモモンガの切歯は非常に鋭く、真剣に咬むと組織がズタズタになってしまう事を改めて思い知らされました。



とても残念ですが、やむを得ず前脚の断脚を実施することにしました。



断脚後の皮膚縫合の写真です。





断脚手術はフクロモモンガにとって大きなダメージです。

摂食は餌を前脚で掴んで行いますので、本人的に非常に苦労すると思います。

このフクロモモンガ君は手術にもしっかり耐えてくれました。

最初は、とても小さな傷から断脚手術にまで状況が悪化してしまったのは、私のフクロモモンガの自咬への認識が甘かったためと感じています。

今回の手術の前から術後にエリザベスカラーの装着はしてましたが、あまりにフクロモモンガのストレスが大きく、術後の食欲廃絶、カラーが当たる首の外周の皮膚裂傷等、困ったことが多くてできれば装着したくないところです。

しかしながら、必要とあらば心を鬼にしてしっかりエリザベスカラーの装着を実施することに決めました。

今回の写真は多少ショッキングな内容かもしれませんが、少なくともフクロモモンガを飼育されている飼主様については、自咬症で傷口はここまで酷くなるということを認識していただければ幸いです。





自分がエリザベスカラーつけられたら、嫌だと感じた方は
 

こちら    upwardright   をクリックお願いいたします!
 








投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの咬症

当院ではフクロモモンガの患者は増加の傾向にあります。
その中で、全身麻酔を施し外科手術の対象となる患者は多いです。
特に、咬症による症例が圧倒的に多いと感じてます。
今回は2件、咬症のモモンガの手術を紹介します。
下のモモンガはつがいで飼育されていた個体ですが、パートナーとの折り合いが悪く、咬まれてしまいました。
モモンガの切歯は、鋭く咬む力も強いので、ダメージも思いの他激しいです。



次の写真は自ら咬んで、肛門周辺からペニスに至るまで皮膚が欠損してしまった症例です。
モモンガは社会性のある動物です。
毎日のように、飼い主はモモンガと遊ぶ時間を作って下さい。
飼い主とのコミュニケーションが取れなくなると、ストレス性の自咬症を引き起こすことが多いです。
今回は、そんな背景があった個体です。
受傷した箇所が排便・排尿に関わる重要なところなので、細心の注意を払って再建手術を行いました。
術後、回復も良好で、排便排尿もしっかりできました。
どのモモンガにも言えるのは、術後の管理が非常に重要で咬めない場所ならともかく、口が届くところには自作のエリザベスカラーなり装着して、保護しなくてはなりません。
これを怠ると、さらに自咬症が激化して患部が拡大し、断脚に至るケースもあります。




投稿者 院長 | 記事URL

フクロモモンガの去勢手術について


発情中のフクロモモンガは、男性ホルモンの影響で攻撃性が増強されるケースも多いです。ペットとして飼育する上では、つがいであれば雌のモモンガに、あるいは飼い主へ攻撃したりする個体もいるわけです。犬・猫同様、睾丸を摘出する去勢手術を実施することでそれらの行動の大部分を抑えることが可能です。今回はフクロモモンガの去勢手術の様子をご紹介しましょう。
当院では、イソフルランというガス麻酔で全身麻酔を行い、去勢手術を実施します。
ガスマスクの中に入ってもらい(上左写真)、まずは寝てもらいます。フラフラし始めたら、自家製のマスク(上右写真)を口に付けてガス麻酔開始です!


 
フクロモモンガの陰のうは腹部の中央あたりに存在しています。
ペニスは肛門に近いところにあり、雄犬の生殖器のレイアウトに比べると不思議な感じがします。
左の写真は陰のうに切開を入れたところです。 
下の写真は精巣動静脈を縫合糸で結札したところです。


 

左写真は摘出した睾丸です。
右写真は手術終了して切開した陰のうを縫合したものです。
ガス麻酔を終了してから5分後には、完全に覚醒しました。

投稿者 院長 | 記事URL

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