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ハリネズミの疾病

2012年10月 6日 土曜日

ハリネズミの口唇部炎症

各種エキゾチックアニマルを当院では診察していますが、ハンドリング(保定)の手強さではハリネズミが一番でしょう。

自分にとって敵と見るや、針を逆立てて丸くなります。

加えて鼻を鳴らして、これ以上自分に近づくなと体をゴムまりのごとく振動させたりします。

守りには非常に強い動物なので、なるべくストレスをかけないよう優しく接するようにして、丸くならないよう配慮しています。

今回ご紹介しますハリネズミ君は両側の口端部が赤くはれて気にしているとのことで来院されました。



すでに診察時点で守りに入っています。



暫く時間をおいて注視していると頭をもたげ始めます。

患部を確実に確認しなければなりませんので、さらに頭を上に挙げる時を待ちます。



それでもなかなか先に診察が進みませんので、体を斜めに倒して移動させてみましたら抵抗します。



ちょっとかわいそうですが、手袋で抑えて鉗子で口をゆっくり開けようとしました。

この時点で口端部が黄色丸で囲んだように赤くなっているのが分かります。



青矢印で示す部分が赤くただれています。

ハリネズミは唾液の分泌量が非常に多く、食欲がある場合は勿論、ちょっと興奮しても涎がたくさん分泌されます。

この後、口腔内を探査しましたが、まだ若い個体でもあり歯石はなく、口内炎や舌炎も認められませんでした。



どうやら涎による口端部のかぶれというか炎症であることが判明しました。



ステロイドと抗生剤を処方して経過を観察することとしました。

投薬にしても、本人が気に入った味にしないと涎と共に吐き出したりしますので、油断はできません。

大きな病気になってしまったら、治療が非常に難しい動物なので日常の飼育上、気になることがあればお早めに病院の診察を受けられることをお勧めします。




ハリネズミの手強さをご理解できた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

2011年9月27日 火曜日

ハリネズミのダニ感染症

ハリネズミがペットとして市場に流通してから10年以上経過しています。
最近は若い女性がハリネズミを診てほしいと来院されるケースが増えています。

ハリネズミの体表の背側は被毛が変化した針が見られ、脇腹から腹側にかけては柔らかく細い被毛が生えています。
針は総数で約5,000本といわれ、約2~3cmの長さです。
針は自在に可動して逆立てると様々な角度で互いに重なり合い支えあいます。
その様はイガグリのようです。
ハリネズミは警戒心が強く、診察台の上では緊張する上にすぐ丸くなり、保定することもままなりません。
丸くなって防御体制に移るとどの方向からもアプローチが困難になります。
細かな検査が極めて困難な動物です。
幼体の頃からスキンシップを重ねてヒトの手にある程度慣れさせる必要があります。

今回ご紹介させていただくのは、ダニの感染症です。
当院で初診で来院されて、まず発見するのが皮膚に食いつくダニ(ヒゼンダニ、キュウセンダニ)です。
皮膚病変として、鱗屑、落屑、発疹、発赤、痒みが認められる。

下の写真は健常なハリネズミです。
皮膚の状態は極めて良好です。



次の写真はダニの感染を受けたハリネズミです。
皮膚が発赤、鱗屑、落屑が認められます。





診察台に落ちた落屑をセロテープに貼りつけ顕微鏡でみますと下の写真のようにヒゼンダニが多数認められました。




治療法としてはイベルメクチンという駆虫剤を一週間ほど内服してダニを殺滅します。
ダニがいなくなると皮膚のコンデションも短期間で良好に回復します。

投稿者 院長 | 記事URL

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