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カメレオンの疾病

パンサーカメレオンの皮膚疾患

カメレオンはどちらかというと皮膚がデリケートな爬虫類です。

樹上生活を営みますので、木肌や枝や葉で皮膚を擦過させて、傷口から雑菌が侵入して化膿性皮膚炎になり易いです。

今回ご紹介いたしますのは、当院ブログ上、登場回数の多いパンサーカメレオン君です。

鼻の上あたりがジュクジュクするとのことで来院されました。



上の写真にありますように皮膚にかさぶたが出来ており、滲出液が出ています。





本人も鼻の上を気にして、擦ったりしているそうです。

加えて、前肢の指の間にも擦過傷が認められます。





上皮がめくれて真皮が顔を覗かせています。

この部分で力を込めて樹木を把持しなくてはならないのは可哀そうです。



抗生剤を処方して、飼主様にしっかり投薬を頑張って頂くことになりました。







爬虫類の投薬にはコツが要ります。

無理やり犬猫のように口を開けることは怪我の元です。

コオロギ等の餌に付けて一緒に食べさせるのも良いです。

昆虫類のような生餌の場合、薬がシロップ状であれば昆虫の気門をふさがないように付着させてください。

気門をふさぐと活動性が無くなり、昆虫(生餌)が死亡することもあります。

そうなると結果として、爬虫類の食欲が無くなることにつながります。

強制的に投薬するとなるとゾンデを使用します。

ゾンデとは注射針の針の部分が丸くなって口内を傷つけないように作られた導管です。

これはまた次の機会にご説明させて頂きます。




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投稿者 院長 | 記事URL

エボシカメレオンの紫外線照射による眼球障害

エボシカメレオンは最大全長が65㎝に達するカメレオンです。

高地にある湿度の高い森林に生息しており、ペットとして飼育される場合も高さのあるケージが必要となります。

ここで問題になるのは、紫外線ランプをケージの真上に備え付けて照射した場合、生体が観葉植物の上の方に常時いたりしてランプとの距離があまりに近いと、眼球に障害が出る場合があります。

今回ご紹介しますのは、紫外線ランプのすぐそばにいて、まぶたが開かなくなってしまったエボシカメレオン君です。

まだ幼体で全長も5cm位しかありません。

大きく成長した暁には、後頭部の突起部がちょうど烏帽子のような形状になります。



矢印が示すように薄目を開けているように見えますが、実は眼が痛くて開けない状態にあります。

カメレオンの場合、眼が見えませんと満足に餌を捕食することもできません。





紫外線は太陽光スペクトルの青の外側にある目に見えない光線です。

眼球の前面で紫外線の大部分が吸収され、一部が網膜に達します。

紫外線は波長が320~400nmのUV-A(A紫外線)と280~320nmのUV-B(B紫外線)があり、UV-Bが眼に障害を与えるとされます。

UV-Bの大部分は角膜と水晶体に吸収され、組織障害を引き起こします。

爬虫類用の紫外線ランプは太陽光と比較して、照射量は少ないわけですがUV-B量が全体の5%~10%に及ぶ製品もあります。

加えて今回の様に幼体のカメレオンの場合は、紫外線からある程度、観葉植物の葉などで身体を遮蔽できる場所が必要です。

以前、パンサーカメレオンの眼病で処置したのと同様、眼球洗浄と点眼を実施しました。







処置後に目が少し開くようになりました。

暫くは点眼が必要ですが、紫外線の照射には気をつけて下さいね。




エボシカメレオンの幼体を初めて見て可愛いと思われた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

パンサーカメレオンの眼病(その2)

カメレオンの眼病は日常的によく遭遇します。

以前、カメレオンの眼病で目の構造についてコメントさせて頂きました。

カメレオンの眼球は、強靭な円錐状のまぶたに保護されています。

眼病になりますとこのまぶたが眼球を覆いますので、眼球を露出して眼球の詳細をチェックすることが困難となります。

今回、ご紹介するパンサーカメレオン、"ピカソ・アンビローブ"のラスタ君です。




パンサーカメレオンにはマダガスカル北部の沿岸部に生息する種類です。

特に雄は体色のバリエーションが豊富で、マダガスカルの地域個体群によってその体色の変異が大きく異なることから、その体色を地域の名をつけて呼んでいます。

ラスタ君はピカソと呼ばれる赤系の発色が強いカラフルな個体です。

両眼が開かなくなったとのことで来院されました。

以前、ご紹介したパンサーカメレオンの個体に比べて、まぶたの腫脹はありませんが、早期発見早期治療がエキゾチックアニマルの鉄則です。

まずは眼球洗浄を行います。





ついで点眼処置です。



綿棒でやさしくまぶたを開けつつ、両眼に点眼処置を実施します。





上の写真のように右眼が少し開き始めました。










パンサーカメレオンは極彩色が個体ごとに特徴があり、とても個性的です。

ついつい、このカラーに目を奪われて治療を忘れてしまいました。

ラスタ君、早く治してパッチリした眼を見せて下さいね!



パンサーカメレオンのカラーバリエーションに興味を持たれた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

セネガルカメレオンの皮膚病

セネガルカメレオンはガーナなどアフリカ中央部から西武にかけて分布している、体調20~25㎝の小型で胴長のカメレオンです。

今回、ご紹介するのは皮膚病のセネガルカメレオンです。

一般にカメレオンはドリッパーという給水器で、水滴を垂らして水分補給をするケースが多いです。

どちらかと言えば、高温多湿な環境下での飼育となりますので、皮膚病の発症率も高いです。



上の写真のカメレオン君の皮膚に丘疹が出来ているのがお分かり頂けますか?

別の角度の写真で黄色丸で記してある箇所です。





丘疹内は水が溜まっており、水泡に近い感じです。

犬猫でいう所の膿皮症にあたる症状です。

細菌・ウィルスのよる感染で皮膚病に至っていますので、抗生剤とビタミン剤の投薬が必要です。

今回は皮膚の感染症ですが、ほかにも脱皮が不完全で起こる皮膚病やホットスポット用のライトによる火傷等もあります。





今回の様に、全身に皮膚病が広がる前に診察を受けられると良いですね。




カメレオンの皮膚疾患を初めてご覧になられた方は
 

 
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投稿者 院長 | 記事URL

カメレオンの眼病

カメレオンの眼球は円錐状のまぶたに覆われて、大きく突出しています。
この眼球で360°全方向を、左右別々の眼球で捉える事ができます。
樹上の葉の茂みから眼だけを動かして、獲物に気づかれることなく捕捉することが可能です。

そんな高性能な眼球ですが病気になることも多いです。
まぶたの中にゴミ等が入り込んで、角膜の損傷を受けることもあります。
あるいはウィルス・細菌の感染によって、結膜炎になったりもします。
この点では哺乳類とあまり変わりありません。

しかし、この眼球を保護するまぶたが曲者です。
犬猫のようにまぶたを拡げて眼球の詳細を検眼鏡で調べることすら困難です。

今回、ご紹介するのは片眼が眼病になったパンサーカメレオンです。
まずは健常な側の眼です。



次は病気の側の眼です。



まぶたは大きく腫れあがり、眼球はまぶたの中に入り込んで見えなくなっています。
まぶたの中を生食で洗浄して、抗生剤の点眼から治療を始めます。



眼球の状態がはっきりわかりませんので超音波診断で確認するのがベストかもしれません。
ペットとはいえ、カメレオンは野生動物です。
ストレスを最小にとどめ、治療していくことが重要なポイントだと思います。
現在、治療は進行形ですので治療経過はまたご報告します!


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