カメレオンの疾病
パンサーカメレオンの代謝性骨疾患
パンサーカメレオンのアオ君は、はるばる静岡県から来院されました。
左下顎が腫れあがり、食餌もしっかり食べられなくなったとのこと。
静岡の動物病院でマウスロットであろうとことで、抗生剤の投薬と口腔内の消毒を受けていたとのこと。
それでも症状はあまり改善されないようです。
アオ君はノシベというブルーの綺麗な体色をしています。
本来、カメレオンは開口をしたままでいることは少ないと思われますが、アオ君はあたかも怒ったように口を開けています。
下写真をご覧いただきますと左下顎が腫れており、上下の顎を噛み合わせるのが辛そうです。
以前、グリーンイグアナの代謝性骨疾患を載せたことがありますが、それと似ています。
顎関節が外れているわけではなく、怒って咬みつくことはできます。
ただ顎を咬みあわせるときに間違いなく疼痛があるようです。
この代謝性骨疾患(MBD)は顎の変形を伴うため、口を完全に閉じることが出来ないという特徴があります。
このMBDという疾患の特徴は、先のグリーンイグアナの代謝性骨疾患に詳細を載せましたのでご覧ください。
代謝性骨疾患は食餌中のカルシウム不足、ビタミンD3の過剰・不足、ミネラル・ビタミンの不足、紫外線の照射不足等などが原因と考えられています。
まずはこのMBDの治療を優先して、加えて抗生剤の投薬も継続させて頂くこととしました。
エキゾチックの場合、自力で食餌がとれなくなると衰弱が早いです。
ある程度、飼主様からの強制給餌が必要になりますので頑張って頂きたいです。
アオ君のしっかり綺麗に閉じた口元が早く見られますように!
左下顎が腫れあがり、食餌もしっかり食べられなくなったとのこと。
静岡の動物病院でマウスロットであろうとことで、抗生剤の投薬と口腔内の消毒を受けていたとのこと。
それでも症状はあまり改善されないようです。
アオ君はノシベというブルーの綺麗な体色をしています。
本来、カメレオンは開口をしたままでいることは少ないと思われますが、アオ君はあたかも怒ったように口を開けています。
下写真をご覧いただきますと左下顎が腫れており、上下の顎を噛み合わせるのが辛そうです。
以前、グリーンイグアナの代謝性骨疾患を載せたことがありますが、それと似ています。
顎関節が外れているわけではなく、怒って咬みつくことはできます。
ただ顎を咬みあわせるときに間違いなく疼痛があるようです。
この代謝性骨疾患(MBD)は顎の変形を伴うため、口を完全に閉じることが出来ないという特徴があります。
このMBDという疾患の特徴は、先のグリーンイグアナの代謝性骨疾患に詳細を載せましたのでご覧ください。
代謝性骨疾患は食餌中のカルシウム不足、ビタミンD3の過剰・不足、ミネラル・ビタミンの不足、紫外線の照射不足等などが原因と考えられています。
まずはこのMBDの治療を優先して、加えて抗生剤の投薬も継続させて頂くこととしました。
エキゾチックの場合、自力で食餌がとれなくなると衰弱が早いです。
ある程度、飼主様からの強制給餌が必要になりますので頑張って頂きたいです。
アオ君のしっかり綺麗に閉じた口元が早く見られますように!
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投稿者 院長 | 記事URL
カメレオンのフィラリア寄生
フィラリアといえば、犬の心臓へ寄生する代表的な線虫です。
勿論、猫やフェレットへの寄生例も多く知られていますね。
案外、爬虫類にもこのフィラリアが、寄生しているということをご存じない方が多いようです。
今回は、カメレオンのフィラリア寄生についてコメントさせて頂きます。
数年前になりますが、カメレオン飼育販売で全国的に有名なショップ店長さんとカメレオンの採血をして、フィラリア寄生の実態調査したことがあります。
顕微鏡の低倍率での血液塗沫標本ですが、青く染まった糸くずのような、蛇のようなものの存在がお分かり頂けると思います。
これがフィラリアの仔虫、いわゆるミクロフィラリアです。
高倍率で拡大したのが下写真(黄色矢印がミクロフィラリア)です。
どの個体もどうやら多数のミクロフィラリアの感染が認められました。
野生の個体は、ほとんどが感染していると言われています。
実はこのミクロフィラリアは血液中に存在して、脱皮を繰り返し、成虫になっていきます。
その過程で、体のいろいろな部位を移動していきます。
カメレオンの心臓内にフィラリアが寄生して、重篤な症状を呈したという症例には今のところ、遭遇していません。
それでも、フィラリアの成虫ではカメレオンの皮下を走行するケース(皮下迷入)は一般的にあります。
皮下寄生以外にも消化管内に迷入しているケースもあります。
下の写真はパンサーカメレオン君で皮下にフィラリアが寄生して移動しているのがわかるということで来院されました。
皮下寄生が大量であれば、皮下に小切開を加えて物理的に摘出することも多いです。
できれば血液検査を実施して、ミクロフィラリアの存在を確認した上で駆虫処置をするか否か決めていきたいと考えています。
駆虫薬にしても慎重に投薬しないとショック症状を引き起こすこともあります。
国内繁殖個体ではどの程度の寄生があるのか、正直よくわかりません。
フィラリアが寄生しているからといって、イヌの様に確実に駆虫が成功するまで綿密な駆虫スケジュールを立てて対応すべきなのかもまだ明確な指針が出来ていません。
カメレオンに限らず、特に野生由来の爬虫類はいろんな寄生虫を持っており、当然病原性を持つケースもあれば、宿主と寄生虫が共生関係にあるケースもあります。
徹底したフィラリア駆虫が、どの個体にも必要なのか否か、今後の課題だと思っています。
勿論、猫やフェレットへの寄生例も多く知られていますね。
案外、爬虫類にもこのフィラリアが、寄生しているということをご存じない方が多いようです。
今回は、カメレオンのフィラリア寄生についてコメントさせて頂きます。
数年前になりますが、カメレオン飼育販売で全国的に有名なショップ店長さんとカメレオンの採血をして、フィラリア寄生の実態調査したことがあります。
顕微鏡の低倍率での血液塗沫標本ですが、青く染まった糸くずのような、蛇のようなものの存在がお分かり頂けると思います。
これがフィラリアの仔虫、いわゆるミクロフィラリアです。
高倍率で拡大したのが下写真(黄色矢印がミクロフィラリア)です。
どの個体もどうやら多数のミクロフィラリアの感染が認められました。
野生の個体は、ほとんどが感染していると言われています。
実はこのミクロフィラリアは血液中に存在して、脱皮を繰り返し、成虫になっていきます。
その過程で、体のいろいろな部位を移動していきます。
カメレオンの心臓内にフィラリアが寄生して、重篤な症状を呈したという症例には今のところ、遭遇していません。
それでも、フィラリアの成虫ではカメレオンの皮下を走行するケース(皮下迷入)は一般的にあります。
皮下寄生以外にも消化管内に迷入しているケースもあります。
下の写真はパンサーカメレオン君で皮下にフィラリアが寄生して移動しているのがわかるということで来院されました。
皮下寄生が大量であれば、皮下に小切開を加えて物理的に摘出することも多いです。
できれば血液検査を実施して、ミクロフィラリアの存在を確認した上で駆虫処置をするか否か決めていきたいと考えています。
駆虫薬にしても慎重に投薬しないとショック症状を引き起こすこともあります。
国内繁殖個体ではどの程度の寄生があるのか、正直よくわかりません。
フィラリアが寄生しているからといって、イヌの様に確実に駆虫が成功するまで綿密な駆虫スケジュールを立てて対応すべきなのかもまだ明確な指針が出来ていません。
カメレオンに限らず、特に野生由来の爬虫類はいろんな寄生虫を持っており、当然病原性を持つケースもあれば、宿主と寄生虫が共生関係にあるケースもあります。
徹底したフィラリア駆虫が、どの個体にも必要なのか否か、今後の課題だと思っています。
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