皮膚の疾患/うさぎ
2012年4月23日 月曜日
ウサギのソアホック(足底皮膚炎)
ウサギには犬猫のように足の裏に肉球がありません。
足裏の被毛がクッションの代わりを果たしています。
加えて、多くの哺乳類と異なって足首の関節から下を床面に着けて全体重を支えるという特徴があります。
通常、野生のウサギは地面で生活をしており、適度な運動を行うことで足裏にかかる圧力は随時変化します。
一方、ペットとして飼育されているウサギは、室内ケージの平坦で硬い床材の上で一日の大半を過ごすこととなります。
当然、ウサギの足裏は床面の圧迫を受けて、足底面の皮膚と骨組織との間に血行の循環不全を招きます。
その結果、最悪の場合、足裏が虚血性壊死を起こしてしまいます。
この症状を称して、ウサギのソアホック(足底皮膚炎)と言います。
下の写真は、両側の足裏がソアホックになっているウサギ君です。
黄色の円で示している部分が、足底部の皮膚炎を起こしています。
通常、足裏の脱毛に始まり皮膚病変は紅斑、びらん、潰瘍へと進行します。
上の写真は別件のウサギ君です。
本人も患部を気にして後ろ足を拳上したり、前足に体重をかけるしぐさをしていました。
次の写真は、さらにソアホックが進行した症例です。
患部の潰瘍に加えて、細菌感染が深部に及び膿瘍を形成しています。
さらに進行しますと骨髄炎や滑膜炎となり、浅指屈筋腱が機能しなくなると歩行すらできなくなります。
治療としては、患部の徹底した洗浄と湿潤療法を実施します。
特に患部の創傷管理のためにドレッシングを行います。
潰瘍部に肉芽組織増殖促進するクリームを塗布し、ドレッシング材としてハイドロサイトやメロリン等で被覆した後、弾性粘着テープでガードします。
ソアホックはそのステージによりますが、治療には1か月から数か月に及ぶことも多いです。
患部の治療だけでなく、飼育環境の改善が重要です。
凹凸のある床材や低反発マットあるいはウサギ用に考案された足底皮膚炎予防マットを利用し、足裏にかかる圧力を拡散・低減させてください。
加えて、運動不足で肥満のウサギはダイエットも考慮してください。
足裏の被毛がクッションの代わりを果たしています。
加えて、多くの哺乳類と異なって足首の関節から下を床面に着けて全体重を支えるという特徴があります。
通常、野生のウサギは地面で生活をしており、適度な運動を行うことで足裏にかかる圧力は随時変化します。
一方、ペットとして飼育されているウサギは、室内ケージの平坦で硬い床材の上で一日の大半を過ごすこととなります。
当然、ウサギの足裏は床面の圧迫を受けて、足底面の皮膚と骨組織との間に血行の循環不全を招きます。
その結果、最悪の場合、足裏が虚血性壊死を起こしてしまいます。
この症状を称して、ウサギのソアホック(足底皮膚炎)と言います。
下の写真は、両側の足裏がソアホックになっているウサギ君です。
黄色の円で示している部分が、足底部の皮膚炎を起こしています。
通常、足裏の脱毛に始まり皮膚病変は紅斑、びらん、潰瘍へと進行します。
上の写真は別件のウサギ君です。
本人も患部を気にして後ろ足を拳上したり、前足に体重をかけるしぐさをしていました。
次の写真は、さらにソアホックが進行した症例です。
患部の潰瘍に加えて、細菌感染が深部に及び膿瘍を形成しています。
さらに進行しますと骨髄炎や滑膜炎となり、浅指屈筋腱が機能しなくなると歩行すらできなくなります。
治療としては、患部の徹底した洗浄と湿潤療法を実施します。
特に患部の創傷管理のためにドレッシングを行います。
潰瘍部に肉芽組織増殖促進するクリームを塗布し、ドレッシング材としてハイドロサイトやメロリン等で被覆した後、弾性粘着テープでガードします。
ソアホックはそのステージによりますが、治療には1か月から数か月に及ぶことも多いです。
患部の治療だけでなく、飼育環境の改善が重要です。
凹凸のある床材や低反発マットあるいはウサギ用に考案された足底皮膚炎予防マットを利用し、足裏にかかる圧力を拡散・低減させてください。
加えて、運動不足で肥満のウサギはダイエットも考慮してください。
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL
2012年4月14日 土曜日
ウサギのツメダニ感染症
ツメダニ(Cheyletiella spp. ) の寄生性皮膚疾患をご紹介します。
このツメダニはウサギのみならず、犬猫にも寄生します。
特にツメダニは表皮の角質層に寄生し、ライフサイクルは35日間です。
約1か月強で次世代に交代します。
このツメダニ感染症は症状として、背部・肩甲骨間・尾根部に寄生し、白く大きな鱗屑を認めます。
次いで、脱毛が起きます。
この段階で非常に痒みを感じる個体も多いです。
場合によっては、ヒトにも感染は起こります。人畜共通感染症とされています。
今回のツメダニ感染患者はロップイヤーのサスケ君です。
背中の鱗屑がひどいとのことで来院されました。
下の写真にあるように背部の脱毛と鱗屑が認められます。
赤丸の部分・赤の矢印に集中して鱗屑・脱毛があります。
加えて、飼主様もサスケ君と接触した腕に強い痒みを感じると申告されています。
患部に密着したセロハンテープをスライドガラスに張り付け、顕微鏡で検査しました。
多くのツメダニが被毛の中から検出されました。
上の写真はツメダニの卵です。
顎の部分を拡大しますと下の写真のようになります。
この顎で食い付かれるとさぞかし痛いでしょうね。
治療法としては、イベルメクチンやセラメクチンの投薬できれいにツメダニを駆除出来ます。
健康で正常なグルーミングができる個体は、ツメダニの感染があっても、無症状であることが多いとされています。
ツメダニは宿主から離れても10日間は生存するとされています。
そのため、ケージ内の敷料は紙製に変えて、毎日廃棄できるようにし、ケージ内の掃除を徹底することが大事です。
このツメダニはウサギのみならず、犬猫にも寄生します。
特にツメダニは表皮の角質層に寄生し、ライフサイクルは35日間です。
約1か月強で次世代に交代します。
このツメダニ感染症は症状として、背部・肩甲骨間・尾根部に寄生し、白く大きな鱗屑を認めます。
次いで、脱毛が起きます。
この段階で非常に痒みを感じる個体も多いです。
場合によっては、ヒトにも感染は起こります。人畜共通感染症とされています。
今回のツメダニ感染患者はロップイヤーのサスケ君です。
背中の鱗屑がひどいとのことで来院されました。
下の写真にあるように背部の脱毛と鱗屑が認められます。
赤丸の部分・赤の矢印に集中して鱗屑・脱毛があります。
加えて、飼主様もサスケ君と接触した腕に強い痒みを感じると申告されています。
患部に密着したセロハンテープをスライドガラスに張り付け、顕微鏡で検査しました。
多くのツメダニが被毛の中から検出されました。
上の写真はツメダニの卵です。
顎の部分を拡大しますと下の写真のようになります。
この顎で食い付かれるとさぞかし痛いでしょうね。
治療法としては、イベルメクチンやセラメクチンの投薬できれいにツメダニを駆除出来ます。
健康で正常なグルーミングができる個体は、ツメダニの感染があっても、無症状であることが多いとされています。
ツメダニは宿主から離れても10日間は生存するとされています。
そのため、ケージ内の敷料は紙製に変えて、毎日廃棄できるようにし、ケージ内の掃除を徹底することが大事です。
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