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皮膚の疾患/うさぎ

2013年9月 3日 火曜日

ウサギのノミ感染症



私の経験上、ウサギの外部寄生虫感染症で一番多いのはツメダニ等の疥癬です。

しかし、先日珍しくノミ感染症のウサギが来院されました。

本日はウサギのノミ感染症をご紹介します。



イングリッシュ・アンゴラの もな 君(6歳、雄)は背中の被毛が脱毛し、痒がるとのことで来院されました。



ご覧のとおり、アンゴラは長毛種で良く見ないと頭がどちらかわからないくらい被毛で覆われています。

まず背中を診てみますと下写真の様に黒い粉が大量に皮膚に付着しています。



これは何かといいうとノミの糞です。

実際、被毛を選り分けているときに何匹かのノミが皮膚を走っていくのを発見しました。

残念ながら、あまりにノミの動きが速すぎて写真を撮ることができませんでした。

ノミの喰いつかれて吸血される痒みで、一生懸命患部を肢で掻いたり、舐めているようです。

当然のことながら、脱毛のエリアも広がっているようです。



ノミの駆除に関しては、当院ではレボルーション®を試用しています。

フロントライン®は、ウサギの使用は禁忌です。

副作用で重篤な状態になる恐れがあります。

もな君に早速、レボルーション®を塗布しました。

加えてノミアレルギー皮膚炎を起こしていますので、ステロイドの内服を処方しました。





もな君のご自宅には、他に猫を飼っているそうなので、おそらくその猫からの感染と思われます。

ウサギへの感染は殆どが猫ノミです。

加えて犬のノミ感染も70%が猫ノミと言われています。


ノミが、皮膚から吸血する際に自身の唾液を、宿主の皮膚に入れます。

この唾液を異種蛋白として、宿主は認識します。

次にノミに咬まれると、アレルギー反応が稼働して、初回以上の痒みが増強されます。

結果として、ノミアレルギー症を発症してしまいます。


もな君の場合は、被毛が毛玉を形成して通気性が悪くなっており、ノミにとってはさらに繁殖しやすい環境にあったのでしょう。

まめなブラッシングも重要なポイントです。

飼育環境下で潜伏しているノミもいるかもしれませんので、定期的にノミ予防を実施した方が良いです。

もな君、お疲れ様でした。




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2013年8月10日 土曜日

ウサギの頚部咬傷(肉垂損傷)

ウサギの雌はどんなに遅くとも、2,3歳以降になりますと頚部下方に大きな肉のヒダが形成されます。

これを肉垂(にくすい)と称します。

この肉垂は個体差があり、肥満傾向のあるウサギは大きな肉垂をしていることが多いです。

よく肉垂を指してウサギのマフラーといわれる飼主様も多いです。

出産時にこの肉垂の被毛をむしって、巣材にしたりもします。



今回、ご紹介しますのは、三重県からはるばるご来院頂きましたホーランドロップイヤーのきなこちゃん(7か月)です。



きなこちゃんは、この肉垂の付け根にあたる皮膚が炎症を起こし、自身で齧って皮膚潰瘍になってしまいました。



上写真黄色丸で囲んだ部位が、自咬症で生じた皮膚の傷です。

すでに薄い瘡蓋が形成されていますが、きなこちゃんからすると患部が痒いようで自咬が続いているようです。

早速治療に入ります。

まず患部を丹念に消毒液で先勝消毒します。



患部に肉芽組織形成を促すクリームと抗生剤のクリームを塗布します。



患部を保護するためにガーゼでテーピングして保護します。





遠方から受診されていますので、ご自宅で患部の消毒とクリームの塗布を指示して終了です。

下写真は、きなこちゃんの3週間後の患部です。



潰瘍を起こしていていた患部は、きれいに新生した皮膚に被覆されています。

発毛もすでに始まっており、患部を隠すくらいになっています。



肉垂は大きいほど皮膚の間で通気性が悪くなりますので、状況によっては湿性皮膚炎を引き起こします。

皮膚炎の患部が気になり始めますと、今回のきなこちゃんの様に自咬に走る可能性があります。

ウサギの切歯(前歯)は非常に鋭利ですから、簡単に皮膚を剥離してしまいます。




暑い日が続きます。

大きな肉垂をお持ちのウサギを飼育されている飼主様は、肉垂の周囲の皮膚が蒸れて炎症を起こしていないかご確認ください。





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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2012年12月30日 日曜日

ウサギ・ミミヒゼンダニ感染症

フェレットのミミヒゼンダニについては以前、詳細を報告させて頂きました。

ウサギもフェレット同様、ミミヒゼンダニの感染を受けます。

ウサギ・ミミヒゼンダニ感染の場合は、フェレットより症状は酷いです。

耳の中の掻痒感が強く、ウサギは耳を後ろ足で引掻いたり、頭を振ったりします。

外耳道壁はミミヒゼンダニで穿孔され、結果できた耳垢はコーンフレーク状に固まって層状を呈します。

今回、ご紹介しますのはカペタ君です。



耳をしきりと痒がるとのことで来院されました。

耳の中を確認しますと次の写真の通りです。

黄色丸の中が耳垢がびっしり詰まっています。



黄色矢印の方向から垂直外耳道の中は完全にコーンフレーク状の耳垢が詰まっています。



この耳垢を採取して、顕微鏡検査しました。





しっかりミミヒゼンダニが多数、寄生しているのが確認できました。

ミミヒゼンダニの駆除にはセラメクチンが有効です。

早速、カペタ君に®レボルーションをつけました。

レボルーションはセラメクチンを主成分とする駆虫剤で、ミミヒゼンダニ、回虫、ファイラリア、ノミの予防・駆除に効果があります。

1週間後の再診時のカペタ君です。





耳の中が非常にすっきりしています。

1週間前には、びっしり詰まっていた耳垢が綺麗に無くなっています。

外耳道内に少し残っていた耳垢を検査したところ、ミミヒゼンダニの死骸は見つかりましたが、生存してるミミヒゼンダニはいませんでした。

カペタ君は耳の中の痒みもなくなり快適な生活に戻りました。





多頭飼育されているご家庭では、感染個体がいれば接触することで、他の個体にもミミヒゼンダニは移りますから注意が必要です。

耳を痒がる仕草とコーンフレーク状の耳垢が認められたら、まずはミミヒゼンダニを疑って下さい。





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2012年10月 6日 土曜日

ウサギの咬傷

ウサギを多頭飼育飼育する際にご注意いただきたいのは、特に雄同士にしてしまうと喧嘩を始めてしまいます。

雄ウサギは縄張り意識が強く、一つのケージで飼育するのは難しいと言えます。

今回、ご紹介するのは喧嘩で咬まれてしまったウサギ君です。



まだ2か月齢の雄ウサギ君ですが、しっかり喧嘩はするようで上の写真、黄色丸のところにありますように咬傷でザックリ皮膚が裂けてしまっています。



痛々しい限りですが、早速患部を洗浄して消毒をし、縫合処置を実施しました。



ウサギは非常に愛くるしい動物ですが、切歯は鋭く一枚刃で咬めば、ザックリと皮膚を簡単に切り裂きます。

雄同士では喧嘩は避けられませんし、雄と雌のつがいであってもケージが狭ければストレスで喧嘩をします。

したがって、多頭飼育する際はお互いの相性やケージ内の一匹あたりの密度を考慮して頂くようお願いいたします。

このウサギ君は暫く、抗生剤の投薬が必要となりました。









ちびっ子ウサギでも喧嘩は真剣勝負!
 

 
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2012年9月22日 土曜日

ウサギの皮膚糸状菌症

犬猫同様にウサギも皮膚糸状菌(カビ)の感染を受けます。

病変部としては、頸背部・顔面・四肢に限局的に脱毛や皮膚の発赤、鱗屑(フケ)が見られます。

今回ご紹介しますのは、両耳介部と両眼間部の脱毛がはじまったモモちゃんです。



黄色丸の部分が脱毛部です。





まずは皮膚掻破検査を行い、メス刃で脱毛部をこすって顕微鏡で検査を行いましたが毛包虫(アカラス)に代表される外部寄生虫は見つかりませんでした。

次に脱毛部周辺の被毛を抜いて、真菌鑑別用培地に被毛を培養して培地の色の変化を確認します。

モモちゃんの場合は、約1週間ほどで培地は最初の黄色から真菌陽性である赤に変わりました(下写真の黄色矢印)。



犬猫では皮膚糸状菌症の原因は、MIcrosporum canis であることが多いのですが、ウサギの場合は白癬菌のTricophyton mentagrophytes が圧倒的に多いそうです。

治療法は抗真菌薬(グリセオフルビンやケトコナゾール)の投薬、あるいは患部を剃毛してニゾラールローション(ケトコナゾール)の局所塗布を実施します。



皮膚糸状菌の場合は、ヒトにも感染する場合もありますので要注意です。


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