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腫瘍疾患/うさぎ

2011年11月19日 土曜日

ウサギの乳腺腫瘍・ハエウジ症

ウサギの乳腺疾患は子宮疾患と比較して、決して多いとはいえませんが乳腺にできる腫瘍は乳腺癌である確率が高く、また転移も早く摘出後の再発も多いとされる、やっかいな疾患です。

ウサギも犬猫同様、若いうちに避妊手術を受けた個体は乳腺腫瘍の発症率は極めて低いとされています。
国内で有名なウサギの専門病院の院長いわく、3歳未満で避妊手術をうけれた個体で乳腺腫瘍になったウサギはないそうです。

ウサギの乳腺腫瘍は良性・悪性に限らず、疼痛を伴うことは少なく、むしろ患部が自壊して気にして舐めることで細菌感染を併発し悪化していきます。

下の写真は乳腺腫瘍になった4歳のウサギです。加えてハエウジ症(後で説明します。)にもなっています。






左側胸部乳腺・腹部乳腺・鼠径部乳腺に乳腺腫瘍ができています。
特に腹部乳腺腫瘍は自壊して皮膚が裂けた状態になっています(下写真参照)。
この場合は患部に熱感を伴っており著しい浮腫も出ています。
肺に腫瘍が転移している可能性もあります(まだ未確認)。
外科的に乳腺腫瘍および子宮卵巣を摘出するのがベストですが、全身状態が衰弱している個体ではリスクが高くケースバイケースです。






次にハエウジ症ですが、ウサギは基本的に自身の外陰部は舐めていつもきれいにしますが、諸般の事情で舐められない環境に置かれますと、肛門から外陰部にかけて糞便尿で汚染されます。
ハエが汚染された箇所に卵を産みつけウジが湧くと患部をかじり、場合によっては筋肉層にまで進出します。
ハエウジ症になりますと予後不良の傾向が強いと思います。
一匹ずつウジをつまみだし、患部を洗浄・治療します。
下写真はハエウジ症の患部です。
あまり気色のいいものではないと思いますが、ハエウジ症になるとどんなに悲惨かご理解いただく意味を込めて載せます。
悪しからず。




次に胸部乳腺腫の外科手術例を載せます。
このウサギも4歳です。
未避妊ウサギです。
ウサギは基本的に抱かれるのを嫌いますので、乳腺腫瘍を見逃すことが多いです。
できれば、日常的に触ってしこりがないか確認すると良いでしょう。

投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2011年9月14日 水曜日

ウサギの精巣腫瘍

ウサギの精巣腫瘍は比較的高齢(5歳以降)に発症するようです。
片側もしくは両側の精巣が腫れて気づいて来院されるケースが多いです。
日を追うごとに精巣が大きくなり、後ろ足で精巣を踏みつけたり、排便が上手に出来なくてお尻周りが汚れて悩まれている飼い主様が多いのも特徴です。
摘出した精巣を病理検査に出す機会は飼い主様の意向に合わせていますので、犬に比べて比較的少ないです。

今回はそんなウサギの精巣腫瘍2例をご紹介します。
左側精巣が腫大し、生活の質(Quality of life)が落ちてきたため手術を希望されました。
摘出した精巣はライディヒ間質細胞腫でした。
犬では潜在精巣との関連が強いとされていますが、良性の腫瘍です。





次のウサギは両側の精巣腫瘍です。
先のウサギ同様、お尻周りの汚れが目立ちます。
腫瘍の病理検査はセミノーマで転移(リンパ節・肺・腹腔臓器)は犬では5%以下とされていますが、ウサギでは不明です。
今回の2例ともに術後の経過は良好です。




上記のような精巣腫瘍もありますが、外見からみて精巣腫瘍と見間違えるものに精巣炎・精巣上体炎が挙げられます。
これらはPasteurella mulutocida 等の細菌が原因で起こる感染症です。
精巣や精巣上体が腫脹して陰のうが大きくなります。
この場合は、抗生剤の投薬で鎮静しますが、重症例では去勢手術を実施します。

投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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