イグアナ・トカゲの疾病
ヒョウモントカゲモドキの代謝性骨疾患(強直性痙攣伴う)
哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類にわたって幼体時にカルシウムが十分に摂取されないと発症する疾患に代謝性骨疾患(MBD)があります。
以前にも当院HPに、各種動物種の代謝性骨疾患についてコメントさせて頂きました。
ご関心のある方は当院HP内の検索キーに代謝性骨疾患と入力の上、チェックしてみて下さい。
今回、ご紹介するのはこの代謝性骨疾患でも強直性痙攣(テタニー)といって、四肢が疼痛を伴って筋肉が硬く痙攣する症状が出現した症例です。
ヒョウモン君(年齢不明、おそらく6か月齢前後・性別不明)は体が痙攣をして、暴れているとのことで来院されました。
下写真の黄色丸の顎関節上部が大きく腫脹しているのがお分かり頂けるでしょうか?
左側が明らかに右側の顎周辺に比べて腫れ上がっています。
これは代謝性骨疾患に特徴的な症状です。
食餌性のカルシウム欠乏や紫外線照射不足により、血中カルシウム濃度が減少します。
結果、血中カルシウムを増やすために、骨に貯蔵してあるカルシウムを放出して骨の強度が弱くなり、変形・骨折を引き起こします。
ヒョウモン君はおそらく採食時の顎への負荷が原因で顎関節周辺が大きく変形したものと思われます。
そして、ヒョウモン君は激しい強直性痙攣を示しました。
写真なので動画の様に動作をしっかりお伝えできないのが残念です。
自らの意思とは裏腹に勝手に体が硬直して、長時間にわたって痙攣が続くのです。
体力を消耗していきますので、早急にこの症状を抑える必要があります。
早速、カルシウムとビタミンDの投薬を実施します。
代謝性骨疾患によって、骨内のカルシウムが血中に放出されても、まだ血漿中のカルシウムイオン濃度が低下している場合に最悪、この強直性痙攣が起こります。
血漿中のカルシウムイオン濃度の低下は神経や筋肉の興奮性を増加させます。
そのため反射の亢進、強直性痙攣が引き起こされます。
治療法は血中カルシウム濃度を安定化するため、十分なカルシウムやビタミンDの摂取を心がけることと、十分量の紫外線をランプで照射することです。
特に幼体期の飼育環境・食餌のアンバランスなどで代謝性骨疾患は惹起されますので要注意です!
以前にも当院HPに、各種動物種の代謝性骨疾患についてコメントさせて頂きました。
ご関心のある方は当院HP内の検索キーに代謝性骨疾患と入力の上、チェックしてみて下さい。
今回、ご紹介するのはこの代謝性骨疾患でも強直性痙攣(テタニー)といって、四肢が疼痛を伴って筋肉が硬く痙攣する症状が出現した症例です。
ヒョウモン君(年齢不明、おそらく6か月齢前後・性別不明)は体が痙攣をして、暴れているとのことで来院されました。
下写真の黄色丸の顎関節上部が大きく腫脹しているのがお分かり頂けるでしょうか?
左側が明らかに右側の顎周辺に比べて腫れ上がっています。
これは代謝性骨疾患に特徴的な症状です。
食餌性のカルシウム欠乏や紫外線照射不足により、血中カルシウム濃度が減少します。
結果、血中カルシウムを増やすために、骨に貯蔵してあるカルシウムを放出して骨の強度が弱くなり、変形・骨折を引き起こします。
ヒョウモン君はおそらく採食時の顎への負荷が原因で顎関節周辺が大きく変形したものと思われます。
そして、ヒョウモン君は激しい強直性痙攣を示しました。
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自らの意思とは裏腹に勝手に体が硬直して、長時間にわたって痙攣が続くのです。
体力を消耗していきますので、早急にこの症状を抑える必要があります。
早速、カルシウムとビタミンDの投薬を実施します。
代謝性骨疾患によって、骨内のカルシウムが血中に放出されても、まだ血漿中のカルシウムイオン濃度が低下している場合に最悪、この強直性痙攣が起こります。
血漿中のカルシウムイオン濃度の低下は神経や筋肉の興奮性を増加させます。
そのため反射の亢進、強直性痙攣が引き起こされます。
治療法は血中カルシウム濃度を安定化するため、十分なカルシウムやビタミンDの摂取を心がけることと、十分量の紫外線をランプで照射することです。
特に幼体期の飼育環境・食餌のアンバランスなどで代謝性骨疾患は惹起されますので要注意です!
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投稿者 院長 | 記事URL
フトアゴヒゲトカゲの肺炎
フトアゴヒゲトカゲは10年くらい前と比べて、ペットとしてメジャー化したと感じます。
当院では、リクガメ以上にカメレオンやフトアゴヒゲトカゲの来院率が高いです。
このフトアゴヒゲトカゲの疾患の中でも、最近は呼吸不全で来院するケースが多いようです。
本日ご紹介しますのは、フトアゴヒゲトカゲのクルミちゃん(1歳2か月、雌)です。
クルミちゃんは呼吸が荒くなり、開口呼吸を頻繁にするため来院されました。
聴診をしますと呼吸のたびに雑音が聴取されます。
レントゲン撮影を実施しました。
さらに患部を拡大します。
下写真の黄色丸で囲んだ箇所は、肺野が炎症を起こして白くなっています。
クルミちゃんは肺炎に罹患してしまったようです。
開口している時間が長く、あまり動きもしません。
食欲も今後低下しないかと心配なところです。
抗生剤と気管支拡張剤、それからビタミン剤を投薬して経過を診ていくこととします。
フトアゴヒゲトカゲの肺炎の場合は、ウィルス性か細菌性感染で発症する場合が多いです。
飼育環境の温度・湿度設定も重要ですし、食餌のバランスも留意して頂きたいところです。
一般にフトアゴヒゲトカゲをはじめとして、爬虫類は通常鼻呼吸をしますが、開口呼吸に変わったらこれは呼吸がかなり辛いということを認識して下さい。
そして早く受診されることをお勧めします。
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クルミちゃんは呼吸が荒くなり、開口呼吸を頻繁にするため来院されました。
聴診をしますと呼吸のたびに雑音が聴取されます。
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さらに患部を拡大します。
下写真の黄色丸で囲んだ箇所は、肺野が炎症を起こして白くなっています。
クルミちゃんは肺炎に罹患してしまったようです。
開口している時間が長く、あまり動きもしません。
食欲も今後低下しないかと心配なところです。
抗生剤と気管支拡張剤、それからビタミン剤を投薬して経過を診ていくこととします。
フトアゴヒゲトカゲの肺炎の場合は、ウィルス性か細菌性感染で発症する場合が多いです。
飼育環境の温度・湿度設定も重要ですし、食餌のバランスも留意して頂きたいところです。
一般にフトアゴヒゲトカゲをはじめとして、爬虫類は通常鼻呼吸をしますが、開口呼吸に変わったらこれは呼吸がかなり辛いということを認識して下さい。
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