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その他の疾患/犬

2017年7月20日 木曜日

犬の帝王切開(その3)

こんにちは 院長の伊藤です。

連日猛暑の日が続きますが、皆様のペット達の体調は如何ですか?

熱中症が起こりやすい時期でもありますのでご注意ください。

さて、本日ご紹介しますのは犬の帝王切開です。

これまでにも帝王切開についてコメントした記事がありますのでご興味のある方はこちらこちらをクリックしてご覧ください。


雑種犬のミルクちゃん(雌、1歳5か月齢)は当院で既に妊娠しているのを確認しており、およその出産予定日も分かっていました。



下写真は1週間前のミルクちゃんのレントゲン撮影像です。

胎児は何匹いるかお分かりになりますか?



5匹確認できます。



ミルクちゃんは予定通り、出産予定日の午前5時に陣痛が起こり出産が始まりました。

2匹目を出産後、陣痛は治まり5時間経過しても、3匹目は出てくる気配がありません。

時間的にこのまま、自然分娩に任せるのは危険な状態です。

レントゲンを撮りました。



2匹は間違いなく出産してるのですが、3匹はそのままです。

3匹ともに正常位で逆子ではありません。

頭囲も十分骨盤を通れるサイズで、いわゆる過大児というわけではありません。

陣痛さえ起これば無事出産できるんですが5時間も経過しています。



早速、帝王切開となりました。



胎児に極力麻酔が深くかからないよう注意して全身麻酔をかけます。





乳腺は十分に張っていますので、メスで傷つけないように皮膚切開をします。



下写真は胎児の入っている子宮です。



血管を避けて子宮にメスを入れます。



白い体色の胎児が出て来ました。



胎膜を切開します。



胎児はまだ自発呼吸はしてません。



へその緒を切り、自発呼吸できるようにスタッフに胎児を預けて、背中をこすり刺激を与えて、反応を見て行きます。



ついで体色が黒と白の胎児です。



先ほどと同じ手技で胎児を取り出します。





上記の流れで3匹を無事取出し胎児数の分、胎盤を間違いなく回収します。



3匹分の胎盤を確認しました。



子宮を縫合します。



帝王切開は短時間で済ませなくてはなりません。

母体に深く全身麻酔をかけると覚醒に時間がかかり、胎児にも麻酔が深く回ると命にも関わります。

ミルクちゃんには覚醒後、すぐに胎児に授乳をさせなくてはならないため大変です。



帝王切開を約40分で済ませ、覚醒直後のミルクちゃんです。





ミルクちゃんはまだ麻酔の影響もあり、赤ちゃんには興味を示しません。



3匹の赤ちゃんは自発呼吸も出来ており順調です。



赤ちゃん達は、直ぐにミルクちゃんの乳首を探して、授乳を始めます。



これでミルクちゃんの帝王切開は終了です。

無事手術は終わりました。





下写真は5日後の赤ちゃん達です。

まだ眼ははっきり開けることは出来ませんが、授乳はしっかり出来ているようです。

ミルクちゃんはしっかり、お母さんしているようです。











下写真は18日齢の赤ちゃん達です。

犬らしい風貌になりました。







下写真は46日齢の赤ちゃん達です。

見違えるほど立派になりましたね。






その後も赤ちゃん達は元気に育っています。

ミルクちゃん、お疲れ様でした!



当院では、最近はめっきり少なくなった帝王切開ですが、飼主様と密接に連絡を取りながら出産については対応させて頂いてます。

出産とは、命を紡ぐという作業ですから真摯に取り組みたいです。




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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