新・ヒョウモントカゲモドキの飼い方・健康管理の紹介

ヒョウモントカゲモドキの飼い方
健康管理の紹介


HPをご覧のみなさまへ
全国から電話でのお問い合わせがありますが、当院では「電話・FAX」での「飼育相談・診療相談(遠隔治療)」は行っておりません。
※診察対象のお問合せ、初診での受付内容(受付時間・持込方法など)、獣医師の不在確認、手術の予約、他の病院からの紹介状による相談は、診察時間内にお願いいたします。
分類学

ヤモリの仲間で爬虫綱有鱗目トカゲモドキ科トカゲモドキ属に分類されます。
学名Eublepharis maculariusといい、英名ではLeopardGecko(レオパードゲッコー)と呼ばれ、爬虫類ファンから「レオパ」の愛称で親しまれています。
日本のペットとして登場したのが1980年代で、当初は野生採取個体でしたが、現在ではほとんどが飼育下で繁殖された個体です。
繁殖された個体は、さまざまな色彩豊かな形態がみられ、人気はさらに高まっています。
野生では、アフガニスタン、インド北西部、パキスタンなどに生息しています。土や砂礫が混じった地面、大小の岩、乾燥に強い植物がまばらに生えているような環境です。
全長20~25㎝、体重60g前後、飼育下では10年以上の寿命と長生きです。
特徴

ヤモリですが、瞬きのできる瞼があります。睡眠時やまぶしい時は閉じることができます。
太い尾が特徴で、なかには身体と同じ位の太さの個体もいます。尾には、栄養を蓄積させる機能があり、食べなくても数か月生きることができますが、その分尾がやせ細っていきます。
また、驚いたり、乱暴に尾を捕まえると自ら尾を切り離す自切という行動をとります。自切後の尾は再生しますが、元通りの尾ではなく、再生尾には骨はなく、突起状の鱗が目立ちません。再生尾は元の尾よりも短くやや太くなる傾向があります。
本来は夜行性で、昼間は巣穴でじっとしていることが多いです。
定期的に脱皮をしますが、乾燥した環境ではうまく脱皮できないことが多いため、適した湿度も必要です。
雌雄の鑑別は、雄の場合、総排泄腔の頭側にブツブツと丸く窪んだ前肛孔が一列に並んでいます。
また、総排泄腔の尾側(尾の付け根)にヘミペニスが収納されているため、一対の膨らみがあります。また、頭部は雌より大きく少しエラが張るような感じです。逆に、雌の場合は前肛孔やヘミペニスの膨らみは認められませんし、頭部は雄のように横幅は広くないです。
繁殖特性

ヒョウモントカゲモドキの繁殖は覚悟が必要です。
なぜなら相性が悪いとケンカをして傷を負ったり、雌の発情を促す過程で死亡することもあります。また、卵づまりや産卵後に痩せてしまうこともあります。
遺伝の勉強もして、交配相手をしっかり選ぶ必要もあります。
出産は一度に二個の卵を産み、それを1~6日(多い時は10日程)繰り返します。
よって1日の繁殖で2~20匹の新生子が誕生することになります。
また最近では爬虫類の販売には規制が多く、手続きも必要になります。
以上のことからしっかりとした目的と知識、準備を持って臨むことが必要です。
成体平均体重 | 60g前後 |
全長 | 20~25cm |
平均寿命 | 10才以上 |
飼育環境

●温度・湿度
温度 : 25℃前後に維持してください。
湿度 : 湿度が低いままの環境ですと、脱皮不全をまねく恐れがあります。昼間は50~60%、夜間は70~80%位に上げてください。ゲージ内を霧吹きで湿らせることが一般的ですが、その他にも、プラスチック製の蓋付き容器を準備し、蓋にはヒョウモントカゲモドキが通れる程度の穴をあけ、容器内には湿らせたミズゴケを硬く絞って敷き詰めることにより容器内が高湿度に保たれ、脱皮を安全に促す方法もあります。
もし、脱皮不全で古い皮が残ってしまった場合、足が浸る程度にぬるま湯を張った容器に入れて温浴させてください。古い皮が柔らかくなるまで2~5分程(長すぎると体調を崩すので注意してください)温浴させたら、綿棒を用いてゆっくりと優しくなでるように皮を取ってください。
●床材
ペットショップでは、細かい砂や、砂利、クルミの殻などが床材として売られていますが、砂による腸閉塞がまれにおきますので避けた方が無難です。飲み込めないペットシーツ、新聞紙、ペーパータオルなどが安心です。
●紫外線
ヒョウモントカゲモドキには紫外線は必要ありません。

