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ウ―パールーパー・カエルの疾病

ウーパールーパーの異物誤飲(part4)

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、ウーパールーパーの異物誤飲です。

両生類はウーパールーパーであれ、カエルであれ、異物誤飲は臨床の現場ではよく遭遇します。

特にウーパー君達は口腔内は広いのですが、咽頭部から食道にかけては、カエルと比較して狭くなってます。

そのため、咽頭部で異物を誤飲した場合は、口腔内でつかえてしまう事が多いです。

過去にウーパールーパーの異物誤飲を載せていますのでリンクを貼っておきます。


ウーパールーパーの異物誤飲


ウーパールーパーの異物誤飲(part2)



ウーパールーパーの異物誤飲(part3)


名前は未定のウーパールーパー君(93g、性別不明、1歳5か月齢)は飼育槽の底部に敷いた石を誤飲してしまったとのことで来院されました。



下写真にあるように下顎周辺が腫れているのが分かります。



下写真の黄色丸は、触診で硬く感じ、異物の存在を疑います。



検耳鏡で口腔内を診ますと異物らしきものが確認できます。



口腔内に傷をつけないようにリトラクター挿入して、てこの原理で少しずつ石を口腔外へ引き出します。



薄い朱色の石(ガラス製)が吐き出されました。



さらに口腔内を確認するともう一つの石があります。

下写真黄色矢印がまだ口腔内に残っている石です。



下顎に親指を添えて青矢印の方向へ押し出すとすんなりとピンク色の石を吐き出しました。



これでウーパー君の飲み込んでいた異物(石)を吐き出すことに成功しました。



当初、腫れあがっていた下顎の周囲は、石を吐き出した時点でスッキリしたのがお分かり頂けると思います。



両生類は比較的口が大きく開口できるため、異物誤飲は非常に多いです。

口の中に留まっているなら、今回の様に取り出すことも可能ですが、逆に1㎝以下となると胃内に流れてこんで摘出は極めて困難になります。

いざとなれば、開腹して外科的に摘出することになります。

麻酔の難易度もあり、また水の中で生活する動物であるため、術後の細菌感染も懸念されます。

いずれにせよ、両生類の異物誤飲は一つ間違えば、命がけの処置となることを飼主様、くれぐれも頭に入れておいて下さい。





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