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ウ―パールーパー・カエルの疾病

イエアメガエルの外傷

カエルをペットとして飼育される方は思いのほか多いと感じています。

両生類は哺乳類と異なり、体表部を保護する被毛はなく、薄皮一枚の皮膚で体を保護しています。

多くは水中に棲息して、皮膚は水分で十分に潤ってはいますが、一方で樹上生活を半分おくり、水中生活を半分送るといったライフスタイルをおくる両生類もいます。

本日、ご紹介するイエアメガエルもその1例です。

イエアメガエルはオーストラリアに棲息する大型のアマガエルで身体頑健で寿命は10年以上と言われています。

そんなイエアメガエルのアルース君は左後肢が腫れてきたとのことで来院されました。



写真をよくご覧いただきますと、黄色丸で囲んだ左後肢の太ももが、点状に皮下出血して、大きく腫れ上がっているのがお分かりになると思います。



アルース君の後ろ姿です。

大腿部の腫脹が激しく、陳旧化した皮膚がめくれて瘡蓋の様に皮膚にへばりついてます。



側面から見ますと太ももとふくらはぎの接触してる面が一皮めくれています。



太ももの外側面は2か所の皮膚欠損が認められます。

筋肉層が若干、顔を覗かせています。





太ももの内側面は皮膚が一部欠損しています。

皮膚の点状出血も広いに及んでます。

患部は熱感を帯びています。

飼育環境は樹木を水槽に入れているそうなので、樹皮で後肢を傷つけたのかもしれません。

カエルの外傷に引き続いて起こる細菌感染には、エロモナス属、シュードモナス属、フラボバクテリウム属が原因菌となることが多いです。

アルース君の治療として、抗生剤の投薬と一日数回の0.6%食塩水による薬浴を指示しました。

カエルは口が奥の方まで裂けており、比較的投薬は容易です。







早く良くなってスマートな後肢を見せていただきたく思います。



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投稿者 院長 | 記事URL

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