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産科系・生殖器系の疾患/犬

2014年12月 1日 月曜日

フレンチブルドッグの発情行動(ペニスについて)


こんにちは 院長の伊藤です。

犬の発情に伴う行動は雄雌様々です。

当院では特に雄の発情行動でご質問を受けるケースも多く、本日症例を参考に説明させて頂きます。


フレンチブルドッグのぼん君(1歳2か月、雄)はもう一匹同居犬(フレンチブルドッグ、2歳、去勢済)に対してマウンティングの姿勢をとり、ペニスが露出し戻らなくなって困っているとのことで来院されました。



下写真の黄色丸の部分が怒張したペニスになります。



犬のペニスはヒトと異なり、陰茎骨というペニスの中に骨が存在します。

陰茎骨の役目は,雄犬の勃起していない陰茎を導きながら雌犬の外陰部に向けることにあります。

下写真の黄色丸の部分は、亀頭球といいます。

雄が雌の陰部に挿入されると直ちにこの亀頭球が充血を開始します。

亀頭球は平常時の3~5倍に腫大するとされます。

射精している間は、亀頭球は雌の陰部に入って、腫大して栓のような働きをします。

つまり精液が漏れないようにしっかりロックしてしまうわけです。





犬の交配の結合時間は、通常1~2分ですが、場合によっては30~40分持続します。

交配の結合時間は1時間以内であれば正常です。

1時間を超えるようだと何らかの問題が生じたと考えるべきです。

実際にぼん君の場合は、交配しているのでなく同居犬の背中にマウンティングして、その刺激でペニスが怒張しているだけです。

多くの場合は、放置しておいても腫脹した亀頭球が委縮して、ペニスも包皮内に戻ります。

ぼん君は1時間ほどパニスは怒張を続け、収まる気配がありません。

以前、犬の陥頓包茎で詳細をコメントさせて頂きました。

詳しくはこちらをご覧ください。

陥頓包茎に至ると心配なので、ペニスを包皮に戻す処置をしました。



オイルを塗った亀頭球を優しく包皮内に押し戻していきます。



鉗子をてこ代わりにして戻します。

特に問題なくペニスは包皮に納まり、暫く様子をみましたが突出することはありません。



性的に興奮することでペニスが怒張することは自然な生理的現象です。

ただ亀頭球のようにヒトでは存在しない箇所が腫大して、またペニスの長時間にわたる怒張は飼主様からすると異常事態と思われるようです。

射精中(最大1時間くらい)は亀頭球は腫大してます。

包皮から亀頭球が飛び出してから1時間経っても、ペニスが戻らなければ受診して下さい。



ぼん君、お疲れ様でした!




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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