筋骨系の疾患(整形)/犬
2013年4月 3日 水曜日
ポメラニアンの橈尺骨骨折
ポメラニアンのぽむお君は、高いところ(約1m)から落下して骨折をしてしまいました。
ぽむお君(2.5歳、体重1.3kg)は体格の小さなポメラニアンです。
体は小さくても若干、気の強い所もあったりします。
レントゲンを撮ったところ、しっかり橈骨尺骨の遠位端が折れていました。
以前、トイプードルの橈尺骨骨折で報告しましたが、その症例よりもさらに体重が低く、橈骨の細い個体なのでT字型プレートを使用することは困難です。
結局、ウサギの骨折と同様、創外固定法を選択することとなりました。
直径1㎜ほどの創外ピンをピンドリルで固定していきます。
骨折ラインより遠位に1本、近位に3本ピンを入れました。
本当は遠位にもう1本入れたかったのですが、骨折ラインが手根関節が近すぎて無理でした。
創外固定ピンを適切な長さにカットして、パテで固定しやすいように創外ピンをL字に曲げます。
パテでピンを固定することで、骨折ラインを固定して骨癒合を待ちます。
創外固定の場合、華奢な個体に施術することが多いので術後の管理がとても重要になってきます。
暴れる個体ですと、創外ピンをあらぬ所に引っ掛けて抜けたり、再骨折したりする場合も考えられます。
ぽむお君はおとなしくしてくれるみたいで、その点は安心しています。
ぽむお君の体に比べるとスプリントが巨大に見えるかもしれません。
市販のものではこのサイズが最小なんです。
骨が癒合するまでの間、辛抱して下さいね。
よくも痛い目に遭わせてくれたな!と怒ってるぽむお君です。
下写真は、退院後の経過も良好で、1週間後の患部チェックに来院したぽむお君です。
最新型のカラーが素敵ですね!
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ぽむお君(2.5歳、体重1.3kg)は体格の小さなポメラニアンです。
体は小さくても若干、気の強い所もあったりします。
レントゲンを撮ったところ、しっかり橈骨尺骨の遠位端が折れていました。
以前、トイプードルの橈尺骨骨折で報告しましたが、その症例よりもさらに体重が低く、橈骨の細い個体なのでT字型プレートを使用することは困難です。
結局、ウサギの骨折と同様、創外固定法を選択することとなりました。
直径1㎜ほどの創外ピンをピンドリルで固定していきます。
骨折ラインより遠位に1本、近位に3本ピンを入れました。
本当は遠位にもう1本入れたかったのですが、骨折ラインが手根関節が近すぎて無理でした。
創外固定ピンを適切な長さにカットして、パテで固定しやすいように創外ピンをL字に曲げます。
パテでピンを固定することで、骨折ラインを固定して骨癒合を待ちます。
創外固定の場合、華奢な個体に施術することが多いので術後の管理がとても重要になってきます。
暴れる個体ですと、創外ピンをあらぬ所に引っ掛けて抜けたり、再骨折したりする場合も考えられます。
ぽむお君はおとなしくしてくれるみたいで、その点は安心しています。
ぽむお君の体に比べるとスプリントが巨大に見えるかもしれません。
市販のものではこのサイズが最小なんです。
骨が癒合するまでの間、辛抱して下さいね。
よくも痛い目に遭わせてくれたな!と怒ってるぽむお君です。
下写真は、退院後の経過も良好で、1週間後の患部チェックに来院したぽむお君です。
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL
2012年7月28日 土曜日
トイプードルの橈尺骨骨折
一般にトイ種と呼ばれる小型犬種では、日常的に前腕部骨折によく遭遇します。
今回は、トイプードル骨折とも呼ばれる橈尺骨骨折の症例をご紹介します。
体重が1.7kg足らずで今年1歳になるルルちゃんは飛び降りが原因で橈尺骨を骨折してしまいました。
レントゲンにはしっかり橈尺骨共に骨折しているのがお分かり頂けると思います。
ルルちゃんの橈骨は幅が6㎜で厚さが3~4㎜と非常に薄く脆い骨質です。
骨折の整復に当たり、プレートによる内固定を選択しました。
骨折端が手首の関節(手根関節)に近いため普通のプレートでなく、T字型のプレートを使用することとしました。
下の写真にあるタイプです。橈骨固定に必要な分をカットして使用します。
早速、手術に移ります。
骨折部をプレート用骨保持鉗子で固定します。レントゲンではこんな感じです。
プレートを適切な長さにカットして骨折部にあてます。
骨スクリューを入れるための1.5㎜のネジ穴をドリルで作ります。
橈骨遠位端骨折の場合はどうしても手根関節近くをアプローチしますので、靭帯やら動脈やら細かく選り分けてプレートを装着しますのでとても気を使います。
プレート固定も何とか無事終わり、レントゲンで確認しました。
10日ほど入院して頂き、無事ルルrちゃんは退院されました。
暫くはスプリント固定の生活が続きますが、頑張って頂きます!
トイ犬種の橈骨骨折の癒合が遅い原因は、犬自体が活動的で落ち着きがなく、骨折部が不安定である点です。
また橈骨骨髄腔が非常に狭く、骨幹部から骨端部の血管密度が低いためとも言われています。
橈骨骨折の手術を受けても骨癒合不全に陥るケースも多いです。
まずはトイ犬種を飼われている飼主様は、犬を落とさない! 踏みつけない!ことをくれぐれもご注意ください。
今回は、トイプードル骨折とも呼ばれる橈尺骨骨折の症例をご紹介します。
体重が1.7kg足らずで今年1歳になるルルちゃんは飛び降りが原因で橈尺骨を骨折してしまいました。
レントゲンにはしっかり橈尺骨共に骨折しているのがお分かり頂けると思います。
ルルちゃんの橈骨は幅が6㎜で厚さが3~4㎜と非常に薄く脆い骨質です。
骨折の整復に当たり、プレートによる内固定を選択しました。
骨折端が手首の関節(手根関節)に近いため普通のプレートでなく、T字型のプレートを使用することとしました。
下の写真にあるタイプです。橈骨固定に必要な分をカットして使用します。
早速、手術に移ります。
骨折部をプレート用骨保持鉗子で固定します。レントゲンではこんな感じです。
プレートを適切な長さにカットして骨折部にあてます。
骨スクリューを入れるための1.5㎜のネジ穴をドリルで作ります。
橈骨遠位端骨折の場合はどうしても手根関節近くをアプローチしますので、靭帯やら動脈やら細かく選り分けてプレートを装着しますのでとても気を使います。
プレート固定も何とか無事終わり、レントゲンで確認しました。
10日ほど入院して頂き、無事ルルrちゃんは退院されました。
暫くはスプリント固定の生活が続きますが、頑張って頂きます!
トイ犬種の橈骨骨折の癒合が遅い原因は、犬自体が活動的で落ち着きがなく、骨折部が不安定である点です。
また橈骨骨髄腔が非常に狭く、骨幹部から骨端部の血管密度が低いためとも言われています。
橈骨骨折の手術を受けても骨癒合不全に陥るケースも多いです。
まずはトイ犬種を飼われている飼主様は、犬を落とさない! 踏みつけない!ことをくれぐれもご注意ください。
トイ犬種の橈骨ってこんなに細いの?
と思われた方はこちらをクリックして頂けると嬉しいです。
投稿者 もねペットクリニック | 記事URL
2012年6月27日 水曜日
犬の中手骨骨折
生後数か月の子犬は非常に元気で愛くるしく、見ていて飽きませんよね。
しかし、この元気さ余ってアクシデントに見舞われるということもあるのです。
今回ご紹介いたします柴犬のマロンちゃんは、お父さんに抱っこされていて、たまたま落下し右手の中手骨を4本骨折してしまいました。
マロンちゃんは生後3か月です。
成長期の犬は長骨の末端に成長板という個所があって、ここで骨が成長していきます。
犬種により異なりますが、5か月から11か月齢でこの成長板は閉鎖します。
マロンちゃんの受傷時のレントゲン写真を下に載せました。
黄色の円で囲っている箇所ですが、4か所骨折しているのが分かると思います。
成犬であればこの中手骨にピンを入れて固定をするわけですが、成長板を傷つける可能性も高く、スプリントというプラスチック製の前脚を固定する装具で、自然と骨折部に仮骨形成ができ修復させる方法を選択しました。
上のグリーンの包帯で固めているのがスプリントです。
でもマロンちゃんのようなちびっ子には、いささか邪魔な存在です。
機会があれば、咬んで破壊したいところです。
そこでエリザベスカラーを装着しました。
さらにマロンちゃんには負担をかけてしまう結果となりました。
何度か、このスプリントは傷つき、破壊されつつも3週間が経過しました。
仮骨もそろそろきれいにできていると思って、レントゲンを撮影しました。
最初に骨折していた箇所が、きれいにつながっているのがお分かり頂けると思います。
これで、マロンちゃんも長い間の煩わしい装具ともカラーともお別れすることが出来ました。
幼犬は骨が非常に柔らかいため、ちょっとしたことで骨折する可能性があります。
骨折部位や骨折の種類によっては、回復までに何か月も要する場合もあります。
くれぐれもご注意のほどを!
しかし、この元気さ余ってアクシデントに見舞われるということもあるのです。
今回ご紹介いたします柴犬のマロンちゃんは、お父さんに抱っこされていて、たまたま落下し右手の中手骨を4本骨折してしまいました。
マロンちゃんは生後3か月です。
成長期の犬は長骨の末端に成長板という個所があって、ここで骨が成長していきます。
犬種により異なりますが、5か月から11か月齢でこの成長板は閉鎖します。
マロンちゃんの受傷時のレントゲン写真を下に載せました。
黄色の円で囲っている箇所ですが、4か所骨折しているのが分かると思います。
成犬であればこの中手骨にピンを入れて固定をするわけですが、成長板を傷つける可能性も高く、スプリントというプラスチック製の前脚を固定する装具で、自然と骨折部に仮骨形成ができ修復させる方法を選択しました。
上のグリーンの包帯で固めているのがスプリントです。
でもマロンちゃんのようなちびっ子には、いささか邪魔な存在です。
機会があれば、咬んで破壊したいところです。
そこでエリザベスカラーを装着しました。
さらにマロンちゃんには負担をかけてしまう結果となりました。
何度か、このスプリントは傷つき、破壊されつつも3週間が経過しました。
仮骨もそろそろきれいにできていると思って、レントゲンを撮影しました。
最初に骨折していた箇所が、きれいにつながっているのがお分かり頂けると思います。
これで、マロンちゃんも長い間の煩わしい装具ともカラーともお別れすることが出来ました。
幼犬は骨が非常に柔らかいため、ちょっとしたことで骨折する可能性があります。
骨折部位や骨折の種類によっては、回復までに何か月も要する場合もあります。
くれぐれもご注意のほどを!
ちびっ子犬の骨折は大変!
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL