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筋骨系の疾患(整形)/犬

2013年12月30日 月曜日

トイプードルの大腿骨頭切除手術


昨日をもちまして、今年の当院の診療は終了いたしました。

低血糖のショック状態の急患の仔猫や椎間板ヘルニアで後躯麻痺のダックスフント君など、相変わらずバタバタの中ですが無事終わりました。

当院のHPをいつも見て頂いてる皆様、今年も応援頂きありがとうございました。

来年も皆様の鑑賞に堪えうる内容のHPを作っていきますので宜しくお願い致します。




本日、ご紹介しますのはトイプードルの大腿骨頭切除についてです。

トイプードルのネコポ君(手術時11か月齢、体重3kg、雄)は1か月以上前くらいから右後肢を痛がって、拳上することが多くなったとのことで来院されました。



レントゲン撮影を実施しました。

下写真の黄色丸にありますように右の股関節部の大腿骨頭が骨端分離しています。

しかも姿勢を変えてレントゲン撮影しても、この分離している骨端と大腿骨頭は不自然な形でずれて癒合しています。





おそらく大腿骨頭骨端部が先に剥離骨折を起こし、時間が経過する中で癒合不全を起こしているものと考えられました。

大腿骨の骨端線がまだ閉鎖していない若齢犬では、大腿骨頭への血管供給を骨端血管のみに依存しています。

一旦、この骨端分離を起こすと大腿骨頚が融解を起こし始めます。

そのため、最善の治療法として大腿骨頭切除手術を実施することとしました。



下写真黄色矢印は、大腿部の筋肉を切開分離して、大腿骨頭を露出したところです。



電動鋸で大腿骨頚をなだらかにカットしていきます。







下写真はカットした大腿骨頭(黄色丸)です。





切除した大腿骨頭は不整形な形状を呈していました。





切除後の大腿骨頚が周囲の筋肉に大きく干渉しないように、ロンジュールを使用して切除部を円滑にトリミングします。

最後に切開した筋肉を丁寧に縫合して終了です。



手術後のレントゲン写真です。




大腿骨頭を切除するともう歩行できなくなるのではないかと心配される方が多いです。

この手術の目的は以下の2点です。


第1に大腿骨頭を大きく切除して寛骨臼と大腿骨頭との接触による疼痛を取り除くこと。

第2に大腿骨近位端とこれを取り囲む筋肉との間に線維組織による偽関節を形成させて正常歩行を可能にすること。


ヒトでは直立歩行であり、股関節にかかる荷重は大きいでしょうが、小型犬種にあってはそれほど問題となりません。

1~2か月運動制限して頂ければ正常の歩行は可能です。


手術後、4年経過したネコポ君です。







現在では、股関節の大腿骨頭切除したことを忘れてしまうほどに元気に駆け回っているそうです。





この大腿骨頭切除手術の適応となるのは、レッグペルテス(大腿骨頭壊死症)や整復固定が困難な大腿骨頭剥離骨折、陳旧性股関節脱臼などが対象となります。

あくまで根本治療でなく、最終手段として選択される手術法であることを認識下さい。






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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2013年11月 6日 水曜日

トイプードルの橈尺骨骨折(その2)

トイ種の前腕部骨折(橈尺骨骨折)は日常的に起こりがちな骨折です。

以前、トイプードルの橈尺骨骨折を載せました。

その後も、橈尺骨骨折は途切れることなく起こっています。

手術手技の難しさもあり、受傷年齢が若いこともあり、また骨癒合不全に陥りやすい部位であることから、完治まで時間がかかる骨折であることを認識して頂きたく思います。

飼い主様への注意を喚起するためにも、今後もこの骨折については症例報告を続けていきたいと考えています。



トイプードルのロック君(7か月齢、雄、体重2.6kg)はダイニングテーブルから飛び降りて、前足がブラブラしているとのことで来院されました。



患部をレントゲン撮影しました。





黄色丸で囲んだ部位が骨折部です。

この状態は、いわゆる若木骨折と称される骨折形態をとっています。

若木骨折については、以前オカメインコの若木骨折でご紹介させて頂きましたので、そちらをご参照ください。

体重がある程度あり、骨折ラインも橈骨遠位端でもまだ中央寄りということで、プレートによる内固定を実施することとしました。

しっかり内固定するためにも、上3穴・下3穴の6穴タイプのプレートをインプラントします。



下写真にありますように骨折部が腫れあがって、内出血しています。



骨折部は骨皮質・骨髄が破たんしていますので、それなりに出血はあります。



りトラクターで骨折部を確認します。

骨折部は若干、斜骨折になっているようです。



骨折部をプレート用骨保持鉗子で固定します。



直径1.5㎜の骨皮質スクリューを使用します。

直径1.1㎜のドリルビットでしっかり下穴を作ります。

この後、ねじ山を切るため(タップ)に直径1.5㎜のタッピングをします。





スクリューの穴ができた所で、1か所ずつスクリューを締めていきます。



6本のスクリューでプレートの固定が完了しました。



後は筋肉、皮下組織を縫合しました。



最後に皮膚縫合で終了です。



レントゲン撮影を行い、内固定の最終チェックです。



しばらくは、スプリントで患肢を保護する生活を送って頂くことになります。



橈骨骨折はある程度までは、飼主様の注意で防ぐことは可能です。

一旦、橈骨骨折しますと骨癒合まで時間はかかり、ワンちゃんはもとより飼い主様も介護に気を遣わなくてはなりません。

もし、癒合不全に陥れば、完治までさらに時間を要します。



手術の模様がリアルすぎるとのご指摘を受けることもあります。

しかし、痛い思いをするのは皆様が飼われているワンちゃんであることを忘れないでください。

そして、いくら上手な文体で飼主様の注意を引こうとしても限界はあります。

そんな中、私個人としては血が出ていたり、患部が露出していたりしても、リアルな写真であるほどに飼主様の意識改革につながるなら良しと考えてます。

ロック君、術後はなるべくおとなしく生活していてくださいね!




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2013年10月12日 土曜日

ポメラニアンの橈骨遠位端骨折の外副子固定について


本日のテーマは前腕骨の橈骨が骨折した場合、スプリントと言われる外副子で骨折をしっかり治癒させることが出来るかというものです。

患者様は隣のペットショップのポメラニアン君です。

成体販売の仔犬なのでまだ名前はありません。

ポメ君と呼ばせて頂きます。

ポメ君はまだ生後1.5か月足らずのちびっ子です。



前足をくじいて、びっこを引いているとのことでの来院です。

疼痛が酷いようで泣き叫んでいます。

早速、レントゲンを撮ってみました。





上写真の黄色丸で囲んだ箇所が骨折しています。

橈骨遠位端骨折です。

小型犬種の前腕骨骨折の中でも良く発生する骨折パターンです。

手術が失敗すると骨癒合不全を起こす、難易度の高い骨折と言えます。


以前、トイプードル(生後1歳)の橈骨遠位端骨折をプレート内固定法で治療しました。

その経緯を興味ある方は、こちらをクリックして下さい。

また別件でポメラニアン(生後2.5歳)の同じく橈骨遠位端骨折を創外固定法で治療しました。

その経緯はこちらをクリックして下さい。


上記の2件については、共に生後1年以上経過した大人の犬です。

今回は、まだ生後1.5か月齢の仔犬です。

橈骨の太さは1.2㎜足らずです。

しかも骨自体は強度もなく、ウェハスのごとく脆弱です。

このようなケース事例では、私はギプス固定かスプリント固定で肘からつま先までを外固定して対応するようにしています。

生後数か月は非常に骨成長が著しく、内固定法や創外固定をして患部をがっちり固めるよりも、骨折部位を外固定で包み込むように持って行った方が綺麗な骨癒合を導きます。

下写真はこのポメ君にスプリント固定(黄色矢印)を施したものです。



スプリントとは、プラスチックで肘から下が入るように成型されたもので、粘着テープを使用して骨折患部を外固定します。

勿論、ポメ君からすれば重いし、肘から下は思うに任せて稼働できないし、迷惑千万といったところでしょう。

スプリント固定をした当日から、ポメ君はスプリント破壊に情熱を傾け始めました。

最低、1か月の装着は必要と思いましたが、実際1か月経過するまでにスプリントの再装着を5.6回ほどさせて頂きました。



色々ありましたが、本日、スプリント装着からちょうど1か月経過しました。

ポメ君も邪魔なスプリントと1か月格闘している間に、体は大きくなりました。

このスプリントとお別れできるか否かをレントゲンで判定します。

スプリントを装着したままでレントゲン撮影しました。





上写真の黄色丸は1か月前に骨折していた橈骨遠位端が仮骨が形成され、若干こぶのようになっていますが、いい感じで癒合しています。

念のため、あと1週間ほどはポメ君にまだスプリントを我慢してもらい、その後は外す予定です。

小さな仔犬の骨折は管理が非常に大変です。

しかし、スプリント等の外副子で固定がきちんとできていれば成長が早い分、綺麗に治ります。

ただ高齢犬になるほど、外副子固定での治療は時間がかかるし患者のストレスも大きいと言えます。

ポメ君、早く骨がくっついてよかったね!



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2013年4月 3日 水曜日

ポメラニアンの橈尺骨骨折

ポメラニアンのぽむお君は、高いところ(約1m)から落下して骨折をしてしまいました。

ぽむお君(2.5歳、体重1.3kg)は体格の小さなポメラニアンです。

体は小さくても若干、気の強い所もあったりします。

レントゲンを撮ったところ、しっかり橈骨尺骨の遠位端が折れていました。





以前、トイプードルの橈尺骨骨折で報告しましたが、その症例よりもさらに体重が低く、橈骨の細い個体なのでT字型プレートを使用することは困難です。

結局、ウサギの骨折と同様、創外固定法を選択することとなりました。



直径1㎜ほどの創外ピンをピンドリルで固定していきます。





骨折ラインより遠位に1本、近位に3本ピンを入れました。

本当は遠位にもう1本入れたかったのですが、骨折ラインが手根関節が近すぎて無理でした。



創外固定ピンを適切な長さにカットして、パテで固定しやすいように創外ピンをL字に曲げます。





パテでピンを固定することで、骨折ラインを固定して骨癒合を待ちます。





創外固定の場合、華奢な個体に施術することが多いので術後の管理がとても重要になってきます。

暴れる個体ですと、創外ピンをあらぬ所に引っ掛けて抜けたり、再骨折したりする場合も考えられます。

ぽむお君はおとなしくしてくれるみたいで、その点は安心しています。





ぽむお君の体に比べるとスプリントが巨大に見えるかもしれません。

市販のものではこのサイズが最小なんです。

骨が癒合するまでの間、辛抱して下さいね。





よくも痛い目に遭わせてくれたな!と怒ってるぽむお君です。

下写真は、退院後の経過も良好で、1週間後の患部チェックに来院したぽむお君です。



最新型のカラーが素敵ですね!



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2012年7月28日 土曜日

トイプードルの橈尺骨骨折

一般にトイ種と呼ばれる小型犬種では、日常的に前腕部骨折によく遭遇します。

今回は、トイプードル骨折とも呼ばれる橈尺骨骨折の症例をご紹介します。

体重が1.7kg足らずで今年1歳になるルルちゃんは飛び降りが原因で橈尺骨を骨折してしまいました。







レントゲンにはしっかり橈尺骨共に骨折しているのがお分かり頂けると思います。

ルルちゃんの橈骨は幅が6㎜で厚さが3~4㎜と非常に薄く脆い骨質です。

骨折の整復に当たり、プレートによる内固定を選択しました。

骨折端が手首の関節(手根関節)に近いため普通のプレートでなく、T字型のプレートを使用することとしました。

下の写真にあるタイプです。橈骨固定に必要な分をカットして使用します。



早速、手術に移ります。





骨折部をプレート用骨保持鉗子で固定します。レントゲンではこんな感じです。





プレートを適切な長さにカットして骨折部にあてます。



骨スクリューを入れるための1.5㎜のネジ穴をドリルで作ります。















橈骨遠位端骨折の場合はどうしても手根関節近くをアプローチしますので、靭帯やら動脈やら細かく選り分けてプレートを装着しますのでとても気を使います。

プレート固定も何とか無事終わり、レントゲンで確認しました。



10日ほど入院して頂き、無事ルルrちゃんは退院されました。

暫くはスプリント固定の生活が続きますが、頑張って頂きます!



トイ犬種の橈骨骨折の癒合が遅い原因は、犬自体が活動的で落ち着きがなく、骨折部が不安定である点です。

また橈骨骨髄腔が非常に狭く、骨幹部から骨端部の血管密度が低いためとも言われています。

橈骨骨折の手術を受けても骨癒合不全に陥るケースも多いです。

まずはトイ犬種を飼われている飼主様は、犬を落とさない! 踏みつけない!ことをくれぐれもご注意ください。





トイ犬種の橈骨ってこんなに細いの?
 

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