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目・耳の疾患/犬

2012年5月 1日 火曜日

犬の耳血腫

耳血腫とは耳介部に血液が貯留して腫脹する疾患を指します。

耳介内部で出血が生じる何らかの原因があり、この疾患は起こります。

例えば、外耳炎やミミヒゼンダニの感染があって頭を振ったり、足で耳を搔きむしったりしての物理的外力が耳介部に加わって、生じるとされています。

一旦、耳血腫になって放置しておくと耳介軟骨が委縮し、耳はカリフラワー状に変形します。

こうなると元の耳介に戻すことは残念ながら無理です。

したがって、耳介の外観維持のために外科的手術で治療が行われます。

当院で実施している耳血腫の手術ですが、簡単にイラストで説明しますと以下の通りです。

 
上のイラストにありますように耳介軟骨層間に出血があり、血腫が作られます。
血腫にバイオプシー用のパンチを用いて穴をあけます。
 

パンチした孔から血腫を廃液し、洗浄します。

 
耳介軟骨同士を縫合して、血腫腔を密着させます。
 
最終的に下のイラストのようにパンチ孔を作成します。
 


今回、ご紹介するのは数週間前から耳血腫があり、経過を見ていても改善が認められないとのことで来院されたダルメシアン君です。







パンチで孔をあけて貯留している血液を外に流します。












上の写真はパンチ孔を作り、縫合糸を耳介内側から外側に向け貫通して、マットレス縫合をするところです。





耳を立てるため、耳介の内側面にガーゼを芯にして粘着テープで固定します。



耳血腫は血腫の大きさや耳介軟骨の損傷の程度により、その処置も異なる場合があります。

軽度の耳血腫であれば、血腫部位を針で穿刺して血液を吸引することを繰り返して患部にグルココルチコイドを注入する方法をとることもあります。

最近では血腫部にインターフェロンを注入すると良好な結果が得られたとの報告もあります。

今回のように耳介軟骨の障害が大きなケースは、早めの処置を施さなければ、残念ながら元の耳介の外観に回復することは不可能です。

ケースバイケースですが、外科手術が必要な場合ならば術後の手術部位の保護(バンテージ)が重要で、まめに交換の必要もあり、通院も含めれば1~1.5か月は必要です。




耳血腫って大変!と思われた方は
 

 
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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