寄生虫/うさぎ

2012年12月30日 日曜日

ウサギ・ミミヒゼンダニ感染症

フェレットのミミヒゼンダニについては以前、詳細を報告させて頂きました。

ウサギもフェレット同様、ミミヒゼンダニの感染を受けます。

ウサギ・ミミヒゼンダニ感染の場合は、フェレットより症状は酷いです。

耳の中の掻痒感が強く、ウサギは耳を後ろ足で引掻いたり、頭を振ったりします。

外耳道壁はミミヒゼンダニで穿孔され、結果できた耳垢はコーンフレーク状に固まって層状を呈します。

今回、ご紹介しますのはカペタ君です。



耳をしきりと痒がるとのことで来院されました。

耳の中を確認しますと次の写真の通りです。

黄色丸の中が耳垢がびっしり詰まっています。



黄色矢印の方向から垂直外耳道の中は完全にコーンフレーク状の耳垢が詰まっています。



この耳垢を採取して、顕微鏡検査しました。





しっかりミミヒゼンダニが多数、寄生しているのが確認できました。

ミミヒゼンダニの駆除にはセラメクチンが有効です。

早速、カペタ君に®レボルーションをつけました。

レボルーションはセラメクチンを主成分とする駆虫剤で、ミミヒゼンダニ、回虫、ファイラリア、ノミの予防・駆除に効果があります。

1週間後の再診時のカペタ君です。





耳の中が非常にすっきりしています。

1週間前には、びっしり詰まっていた耳垢が綺麗に無くなっています。

外耳道内に少し残っていた耳垢を検査したところ、ミミヒゼンダニの死骸は見つかりましたが、生存してるミミヒゼンダニはいませんでした。

カペタ君は耳の中の痒みもなくなり快適な生活に戻りました。





多頭飼育されているご家庭では、感染個体がいれば接触することで、他の個体にもミミヒゼンダニは移りますから注意が必要です。

耳を痒がる仕草とコーンフレーク状の耳垢が認められたら、まずはミミヒゼンダニを疑って下さい。





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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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