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泌尿器の疾患/犬

2014年6月22日 日曜日

犬の尿石症(ストルバイト尿石症)


こんにちは 院長の伊藤です。

猫やハムスター、フクロモモンガ等のストルバイト尿石症についてはコメントさせて頂いてるのですが、肝心の犬のストルバイト尿石症については掲載するのを忘れていました。

そんなわけで本日は犬のストルバイト尿石症のお話です。



ミニチュア・シュナウザーのアリスちゃん(2歳6か月、雌)は頻尿・血尿を主徴に来院されました。



早速、尿検査をすると、尿pHは8、潜血反応は陽性、そして下写真のストルバイト結晶が認められました。

ミニチュア・シュナウザーはストルバイト尿石症の好発品種です。

低倍です。



高倍です。



ストルバイト結晶の特徴は4~6面体の西洋棺蓋状あるいはプリズム状を呈する形状です。

次いで膀胱内の状況を把握するため、エコー検査をしました。

下写真の黄色丸が結石と思われます。

全長約10㎜以上ありそうです。



加えてレントゲン撮影を実施しました。

腹背像です。



上写真の黄色丸が結石を示します。

結石を拡大します。



加えて側臥像です。



患部を拡大します。



この結石をそのままして置くわけにはいきません。

さらにこの結石が核になって大きくなっていく可能性があります。

結局、外科的に摘出することとしました。

下写真はアリスちゃんの膀胱です。



メスを入れます。



膀胱切開し、膀胱を圧迫しますと内部から結石が顔を出しました。



下写真黄色丸が摘出した結石です。



切開した部位から生理食塩水で膀胱内部をしっかり洗浄します。

場合によっては、エコーやレントゲン像で見落としている細かな砂粒状の結石もあるかもしれません。



次に膀胱をしっかりと縫合します。

絶えず尿が溜まる臓器なので、縫合部から漏れがあってはなりません。





縫合終了後は生理食塩水を膀胱内に注入して、縫合部からの漏出がないかを確認します。



あとは膀胱を腹腔内に戻して閉腹して終了です。

下写真は、今回摘出したストルバイト結石です。



しばしの入院生活の後、退院当日のアリスちゃんです。





排尿もスムーズにできるようになりました。

排尿障害に陥った場合、最悪尿毒症になって命に関わる場合もあります。

アリスちゃんは、しばらくストルバイト溶解食(s/d)を食べてもらい、ストルバイトが認められなくなったら尿酸性維持食に変更していきます。

お水もしっかり飲んでたくさん排尿するようにしていただきたいところです。

ストルバイト結石の生成原因や症状は猫のストルバイト尿石症の記事を参考にして下さい。

最後に退院でお迎えいただいた飼主様とのツーショットです。




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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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