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ハムスターなど小型げっ歯類の疾病

2014年1月31日 金曜日

キンクマハムスターの小形条虫症


ハムスターの内部寄生虫にはいろんな種類が報告されています。

その中で本日、ご紹介しますのは小形条虫という条虫類の中でも膜鱗条虫類に分類される寄生虫です。


キンクマハムスターの ときん君 は左眼が開かないとのことで来院されました。



爪の過長症で眼を傷つけたのが原因と思われ、その事例は点眼療法で問題なかったのですが、下痢を併発しているとのことで検便を実施しました。

下痢で肛門周辺が汚れています。



糞便中に下写真にある寄生虫が見つかりました。



拡大写真です。



この寄生虫卵は小形条虫の卵です。

小形条虫はマウス・ラット・ハムスターを宿主とする寄生虫です。

下写真黄色矢印は六鈎幼虫と呼ばれる幼虫です。



条虫は中間宿主を必要とします。

例えば、瓜実条虫であればノミですし、マンソン裂頭条虫ならばミジンコやカエルなどが中間宿主として有名です。

この小形条虫は条虫類の中で唯一必ずしも中間宿主を必要としない条虫です。

つまり、この虫卵を直接摂取することで感染(自家感染)が成立と言うことです。

食糞癖のある個体では、自家感染を防ぐことは困難です。

症状は、虫体が小型のため通常の感染量では無症状であることが多いとされます。

今回のときん君は感染量が非常に多いため、下痢に至ったと考えられます。

駆虫薬を早速処方して、内服していただいたのですが ときん君はその後、急逝されました。

小形の齧歯類の場合、寄生虫感染でも重度であれば消化管のダメージは大きく、状況によっては死亡する場合もありますので要注意です。

数日に渡って下痢が続くようなら、最寄りの病院で検便を受けられることをお勧めします。

虫卵を直接摂取すれば小形条虫は中間宿主がなくても容易に感染するので、実際ヒトもサルも感染例が報告されています。

ヒトでは成虫にまで腸管内で発育するそうです。






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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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