ハムスターなど小型げっ歯類の疾病
2013年9月 6日 金曜日
ゴールデンハムスターの角膜損傷
ハムスターは眼球を傷つけて瞼が開かなくなるケースが非常に多いです。
本日ご紹介しますのは、ゴールデンハムスターのくろちゃん(3か月齢、雄)です。
くろちゃんは、左瞼が開かないとのことで来院されました。
目ヤニで瞼がふさがっており、涙も多く出ています。
くろ君の角膜の状態を診ますと角膜上皮の損傷が認められ、その疼痛でさらに自身で眼をこすって酷くなっています。
グレードⅠの表在性角膜潰瘍です。
目ヤニが多量に出てきてますので、生理食塩水で眼球を洗浄します。
眼瞼内に貯留していた目ヤニを洗浄した後は、多少左眼もぱっちりしてきました。
感染性の角膜損傷のため、くろちゃんは暫く抗生剤の点眼が必要となります。
ハムスターの角膜損傷の原因は、爪の過長(特に前足)が多いようです。
次いで、チップのように断端がギザギザの形状をした床材に眼球を当てて受傷するケースも多いです。
今回、くろ君の爪は伸びていませんでした。
しかし、チップを床材として使用していました(下写真)。
しばらくは、チップの使用は中止して頂き、ティシュペーパーを代用して頂くこととしました。
ハムスターの点眼は、案外難しいです。
点眼を飼主様にしっかり頑張って頂きます。
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くろちゃんは、左瞼が開かないとのことで来院されました。
目ヤニで瞼がふさがっており、涙も多く出ています。
くろ君の角膜の状態を診ますと角膜上皮の損傷が認められ、その疼痛でさらに自身で眼をこすって酷くなっています。
グレードⅠの表在性角膜潰瘍です。
目ヤニが多量に出てきてますので、生理食塩水で眼球を洗浄します。
眼瞼内に貯留していた目ヤニを洗浄した後は、多少左眼もぱっちりしてきました。
感染性の角膜損傷のため、くろちゃんは暫く抗生剤の点眼が必要となります。
ハムスターの角膜損傷の原因は、爪の過長(特に前足)が多いようです。
次いで、チップのように断端がギザギザの形状をした床材に眼球を当てて受傷するケースも多いです。
今回、くろ君の爪は伸びていませんでした。
しかし、チップを床材として使用していました(下写真)。
しばらくは、チップの使用は中止して頂き、ティシュペーパーを代用して頂くこととしました。
ハムスターの点眼は、案外難しいです。
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL
2013年9月 4日 水曜日
ゴールデンハムスターの悪性リンパ腫
本日、ご紹介しますのはゴールデンハムスターの悪性リンパ腫です。
ゴールデン系のハムスターはこの悪性リンパ腫が比較的多いです。
特に腫瘍の大きさは短期間に大きいくなることが多く、1~2週間で米粒大から場合によってはキンカン位の大きさに腫大します。
ゴールデンハムスターのポンズ君(2歳、雄)は約1か月位の間に、左腋の腫瘤が大きくなってきたとのことで来院されました。
飼い主様の意向に合わせて、急遽外科的に摘出手術を実施することとなりました。
いつものごとく、ガス麻酔でセンサーを装着してモニターで心拍数・酸素分圧を確認します。
下写真の黄色丸に腫瘍が存在しています。
電気メスで皮膚を切開したところです。
腋下にかけて深い位置に腫瘍が入り込んでいます。
腋下は神経叢や太い動静脈が存在していますので、摘出は慎重に行う必要があります。
動静脈と神経の走行を確認して、これからバイクランプを用いて動脈をシーリングします。
バイクランプのメリットは確実に血管を熱変性させシーリングが完了できることです。
従来は、縫合糸で結紮していましたが場合によっては、結紮部が外れてしまう事があります。
それが、太い動脈であれば致命的になります。
短時間で手術を終了させるためには、このバイクランプは非常に有用です。
熱変性したシーリング箇所を電気メスで離断します。
摘出した腫瘍です。
15㎜ほどの大きさでした。
皮膚をしっかり縫合します。
静脈から犬猫のように点滴はできませんので、皮下にリンゲル液を輸液します。
麻酔から覚醒し始めたポンズ君です。
足取りはふらついていますが、意識は戻っています。
さて摘出した腫瘍ですが、スタンプ染色した顕微鏡写真(低倍・高倍)を下に載せます。
結果として、悪性リンパ腫であることが判明いたしました。
本来、細胞診を実施して腫瘍にどう対処するかを決めるべきなのですが、過去の経緯から術前の細胞診と術後の病理検査との結果が食い違うことがあまりに多く、経験的に外科手術を優先した方が良いと判断したケースは積極的に摘出させて頂いています。
術後の経過も良好で、ポンズ君は現在D-フラクションという抗腫瘍効果の高い栄養補助剤を内服していただいています。
悪性リンパ腫の場合、予後不良となるケースが多いため、今後の経過観察が必要です。
ポンズ君、頑張っていきましょう!
ゴールデン系のハムスターはこの悪性リンパ腫が比較的多いです。
特に腫瘍の大きさは短期間に大きいくなることが多く、1~2週間で米粒大から場合によってはキンカン位の大きさに腫大します。
ゴールデンハムスターのポンズ君(2歳、雄)は約1か月位の間に、左腋の腫瘤が大きくなってきたとのことで来院されました。
飼い主様の意向に合わせて、急遽外科的に摘出手術を実施することとなりました。
いつものごとく、ガス麻酔でセンサーを装着してモニターで心拍数・酸素分圧を確認します。
下写真の黄色丸に腫瘍が存在しています。
電気メスで皮膚を切開したところです。
腋下にかけて深い位置に腫瘍が入り込んでいます。
腋下は神経叢や太い動静脈が存在していますので、摘出は慎重に行う必要があります。
動静脈と神経の走行を確認して、これからバイクランプを用いて動脈をシーリングします。
バイクランプのメリットは確実に血管を熱変性させシーリングが完了できることです。
従来は、縫合糸で結紮していましたが場合によっては、結紮部が外れてしまう事があります。
それが、太い動脈であれば致命的になります。
短時間で手術を終了させるためには、このバイクランプは非常に有用です。
熱変性したシーリング箇所を電気メスで離断します。
摘出した腫瘍です。
15㎜ほどの大きさでした。
皮膚をしっかり縫合します。
静脈から犬猫のように点滴はできませんので、皮下にリンゲル液を輸液します。
麻酔から覚醒し始めたポンズ君です。
足取りはふらついていますが、意識は戻っています。
さて摘出した腫瘍ですが、スタンプ染色した顕微鏡写真(低倍・高倍)を下に載せます。
結果として、悪性リンパ腫であることが判明いたしました。
本来、細胞診を実施して腫瘍にどう対処するかを決めるべきなのですが、過去の経緯から術前の細胞診と術後の病理検査との結果が食い違うことがあまりに多く、経験的に外科手術を優先した方が良いと判断したケースは積極的に摘出させて頂いています。
術後の経過も良好で、ポンズ君は現在D-フラクションという抗腫瘍効果の高い栄養補助剤を内服していただいています。
悪性リンパ腫の場合、予後不良となるケースが多いため、今後の経過観察が必要です。
ポンズ君、頑張っていきましょう!
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