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ハムスターなど小型げっ歯類の疾病

2012年4月26日 木曜日

デグーマウスの白内障

デグーマウスは以前から人気がある小型げっ歯類です。

彼らの特徴は非常に聡明で社会的な行動を取る点にあります。

鳴き声をうまく使い分けて仲間とコミュニケーションを取ります。

棒などの道具を使って餌を引き寄せるといった行動もとります。

原産がチリの山脈地帯ということから、「アンデスの歌うネズミ」と呼ばれています。


そんな学習能力の高いデグーマウスですが、この品種独特の疾病があります。

最近、特にデグーマウスの幼体で白内障にかかっているケースが非常に多いと感じます。

今回はこのデグーマウスの白内障についてです。

デグーは以前から 糖の代謝能力が低い と言われていました。

つまりは、糖を分解する能力が弱いと解釈されているわけですが、実際は インシュリンの分泌能・活性能が低く て体内に過剰に入ってきた糖を貯蔵することが苦手な動物ということです。

デグーの属する齧歯類の亜目は他の哺乳類と比較して インシュリンの活性が1~10%しか持っていない そうです。

ですから、ハムスターと比較して同じ糖分を摂取したとしても、分泌されるインシュリンが同じ量であったとしてもブドウ糖をグリコーゲンに還元する能力が10分の1くらいしかないから、すぐに高血糖になってしまうのです。

もともとデグーの分布するアンデス山脈が食料の豊富にある地帯ではなく、むしろ飢餓との戦いのような状況にあると思われます。

そんな中で血糖値を下げるインシュリンの必要性はあまりなかったのではないでしょうか?

常時粗食に耐えて生きてきたデグーがペットとして飼育されたところに、ある意味不幸な部分が表在化したようです。

ペットを飼育するうえで、デグーに限らず犬猫でも私たちが飼主様にいつも注意している、過剰な嗜好品の供給があります。

チモシーなどの粗食に耐えていけるデグーですが、飼主様がサツマイモやリンゴ等といった糖分を含んだ嗜好品を与えてしまいがちです。

結果として、糖尿病を招いてしまいます。

糖尿病を背景にして白内障の発症が起こります。








日常の診察でデグーで白内障の幼体を診るにつけ、絶対に 甘みのある根菜類や果実や人のおやつ等は与えないでいただきたい  と強く訴えます。

幼体で糖尿病や白内障とこの先何年も戦っていかなくてはならないのはとても辛いことですね。






デグーマウスに興味を持たれた方は
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投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

2012年4月11日 水曜日

ハムスターの頬袋脱出

ハムスターは頬袋を持っており、この頬袋に食料を入れて巣に運び貯蔵するという習性を持っています。

この袋は伸展性に富んでおり、食料を詰め込むと肩甲骨に達するところまで伸びることもあります。

単独生活をするゴールデンハムスター等は、頬袋に食料を入れたままにしておくことはありません。

しかし、集団で生活するジャンガリアンハムスターは袋に食料を貯め込む傾向が強いといわれます。

まして、ペットとして飼育される場合、おやつ等嗜好性の高い食料を与えますと、他のハムスターに取られたくなくて長期にわたって袋に食料が入れっぱなしということがあります。

そんな頬袋ですが、たくさん食料を詰め込んで吐き出す際に頬袋が反転して外に脱出してしまう事があります。

これを頬袋脱出(頬袋の反転)と呼びます。

頬袋脱出の発見・治療が早期であれば、綿棒などを用いて元の頬の内側へ戻すことが可能です。




上の写真で黄色の円で囲った部分が頬袋です。

まだ脱出したばかりで、袋の傷もありません。






袋自体が脱出することで血行障害を起こしている場合もあり、袋の組織に水が溜まる(浮腫)があれば、20%ブドウ糖で浮腫を取り除きます。

次に綿棒を用いて元の位置に袋を戻しました。

赤の矢印の方向に綿棒で袋を押し込みます。

結果として、きれいに袋は整復しました。

その後の再脱出もありません。

次に別のジャンガリアンハムスターですが、頬袋脱出してから時間がたっており、袋自体にも傷があり、炎症・壊死が認められる状態ですと対応が変わってきます。



黄色い丸の頬袋は長期脱出により、袋の炎症、硬化がおこっていました。

整復処置の効果もないと判断し、外科的に切除することとします。






切除後の頬袋はまた再生されて、機能します。

口の中から何か飛び出していると気づかれましたら、お早めに受診下さい。

小さな動物ですから、できうる限り体に負担のかからない対応をしたいですね。



頬袋脱出、痛そうと思われた方は
 

 
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