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フェレットの疾病

2011年9月 2日 金曜日

フェレットの副腎疾患(その1)

フェレットは幼年期は比較的疾病の罹患率は低く、異物誤飲等が当院では多い感があります。
一方、中年齢以降になりますと副腎腫瘍、インシュリノーマ、リンパ腫等、直接命にかかわる病気になる確率が一挙に高くなります。

 フェレットは発情期になりますと交尾をしないとエストロジェンが過剰に分泌され、骨髄機能が抑制され死亡することもあり、結局生後早い時期に去勢や避妊を施します。
幼くして去勢・避妊をされてホルモンバランスが崩れると副腎が頑張って内分泌のバランス統御に努めるわけですが、これが中年齢になりますと副腎の過形成・腺腫・腺癌が起こるとされています。

この病気になりますと、以下の特徴的な症状が現れます。

尾部や背中から始まる両側性、対称性の脱毛。
皮膚の痒み(この疾病の40%に認められます。)
雌の場合、外陰部の腫大。
雄の場合、前立腺の腫大に伴う排尿障害(尿漏れ、排尿回数の増加、トイレ以外での不適切な排尿等)。
体臭がきつくなる。
貧血。
四肢や上半身が貧弱になる一方で、腹囲が膨満。

当院では以上の症状に加えてエコーで副腎を描出して、その直径が5mm以上の場合、副腎腫瘍を疑って治療を進めています。

下の写真は尻尾から背部にかけて、脱毛がすすんだフェレットです。また外陰部も腫大しているのがご理解いただけると思います。

一般的には、左副腎の腫瘍は全体の60%、右副腎は25%、両側が15%と報告されています。
左副腎は太い動静脈から独立しており、外科的に摘出が可能です。
一方、右副腎は後大静脈に密接しており外科的な摘出は不可能です。
最近では内科的治療法として、酢酸リュープロレリンの注射を取り入れるエキゾチック専門病院も多いです。
当院では、この酢酸リュープロレリン250μgの皮下注射を実践しています(1~2カ月に1回接種)。
接種後、約2週間で背部脱毛が著しかったフェレットがしっかり、ふさふさに発毛した症例を経験しています。
約1.5~2カ月で発毛が確認されることが多いです。
左副腎だけであれば外科手術で完治は期待できますが、それ以外のケースでは内科的治療で腫瘍を抑えていくという形になります。一生にわたって投薬でコントロールしていくわけです。



投稿者 もねペットクリニック | 記事URL

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