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鳥の疾病

烏骨鶏の爪切り(その2)


こんにちは 院長の伊藤です。

最近は、採卵鶏に代表される白色食レグホーンペットとして、飼育されるケースが多いようです。

その一方で肉用鶏(ブロイラー)として改良された白色プリマスロック白色コーニッシュをペットとして飼われているご家庭もあります。

本来は農家の軒先などで飼育されていた、これらの家禽類がペットとしての市民権を着実に得ているようです。


そんな中で他の鶏と一線を画す鶏に烏骨鶏が存在します。

この烏骨鶏、ペットとして飼育されているご家庭が意外に多いです。

以前も烏骨鶏の爪切りで、この鶏の詳細をご紹介させて頂きました。

ご興味のある方はこちらをクリックして下さい。


烏骨鶏は烏骨という漢字から、黒い骨を意味するそうです。

実際は、皮膚や内臓、四肢骨に至るまで黒色から暗紫色を呈しています。

羽毛は成鳥でも綿毛です。

解剖学的に一般の鶏と同様に前向きの指3本に加えて、後ろ向きの指が2本から3本(一般の鶏は1本)あり、指の数が5本以上ある鳥類はこの烏骨鶏のみです。


さて、そんな烏骨鶏ですが爪が伸びすぎて、飼育に支障を来すケースが多いです。

ピヨちゃん(4歳、雄)は両側の脚の爪が伸びすぎてカットを希望されての来院です。



いつみても烏骨鶏は独特の雰囲気を漂わせています。

下写真の黄色丸の部位が伸びすぎた爪です。





ニッパーでもこの後肢の爪は硬くカットは容易でありません。

鋸で切断します。





カットした断面です。



次に反対側の爪です。





下写真は切断した爪です。

随分伸ばしましたね。



先回の烏骨鶏の爪切りでもコメントしましたが、この烏骨鶏は独特な雰囲気を持つ外見から、中国では霊鳥とされ不老不死の食材として食された時代があったそうです。



爪については、伸びすぎないようにまめにチェックをされることをお勧めします!





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投稿者 院長 | 記事URL

オカメインコの脛骨骨折の髄内ピンニング固定術


こんにちは 院長の伊藤です。


小型愛玩鳥は、鳥かごに居る時よりも室内で放鳥した時に色んなアクシデントに見舞われることがあります。

アクシデントの一つに骨折があります。

鳥にとって足が折れることは、命に関わる緊急事態です。

確実に骨折部位を整復固定しないと止まり木に停まることもできません。

本日は、鳥の骨折整復術の中で注射針を用いた骨髄内ピンニング固定術をご紹介させて頂きます。



オカメインコのゆず君(雄、10か月齢)は、室内に放鳥した際、飼い主様が誤って足をドアに挟んでしまいました。



来院時には、ゆず君の左足はブラブラ状態でした。

加えて、解放骨折をしており骨折端が皮膚を貫いて出血を伴っていました。



良く見ると、左足が内側のあらぬ方向を向いています。



早速、レントゲン撮影を実施しました。

折れた部位がお分かり頂けるでしょうか?



骨折部位は左脛骨の遠位端にあたります。

骨折部位(下写真黄色丸)を拡大します。



側面像です。





一般的のこのような症例では、骨髄ピンを挿入して骨折整復を実施します。

多くの小型愛玩鳥の足の骨折では、注射針を骨髄ピンの代用として使います。

鳥の種類によって、注射針のサイズを選びます。

今回は、ゆず君の骨髄径と長さにフィットする注射針がたまたま当院の在庫にありません。

既に骨折端は皮膚から突出していますので、緊急の処置が必要です。

やむを得ず一番細いけどある程度の長さのある27G注射針を使用しました。

全身麻酔を施します。



骨折部を徹底的に洗浄消毒します。





皮膚を介して骨折部を指先で整復して、踵から注射針を打ち込みます。





指先の感覚で注射針を進めていきます。



最初はグラついていた骨折部も、ピンニングが成功するとがっちり固定したのが触診で分かります。



骨髄ピンニングの結果をレントゲン撮影しました(下写真黄色丸)。

ゆず君の体の周りに走っているニクロム線は、全身麻酔時に体温低下を防ぐために下に敷いたヒーターです。



患部を拡大します。

骨折端を挟んでピンニングは上手く決まったようです。



踵に打ち込んだピンの付根をニッパーでカットします。

次いで開放していた皮膚の欠損部を縫合します。





骨髄ピン固定は足の回転運動に弱く、最悪指先が膝関節から見て90度近く回ってしまう場合もあります。

そうならないように患部をテープにより保護・固定します。





鳥の全身麻酔は極力短時間で終了させるよう気を使います。

今回は15分以内で手術終了できました。

最後にレントゲン撮影をして骨折部位を確認します。









ガス麻酔を切り、酸素吸入で覚醒を待ちます。



5分程でゆず君は覚醒し始めました。



意識が戻りました。

この時点でケージに戻すと大暴れすることもあり、確実に情緒が安定するまで待ちます。




落ち着いてから、ゆず君をインキュベーターに移動します。

傷口を自傷しますのでフェルト地のカラーを装着します。






術後2日のゆず君です。

歩行も可能となり、食餌も自力でできるようになりました。

術後、うっ血していた左足はピンク色に戻ってきました。

早速、退院して頂くことになりました。



患肢を荷重して速足で歩行できるようになりました。





小型愛玩鳥の場合、脛骨が癒合するのに3週間必要です。

その後はピンを抜去して終了となります。

ゆず君、手術に耐えてくれてお疲れ様でした!




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投稿者 院長 | 記事URL

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