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鳥の疾病

文鳥の脛骨骨折

鳥の骨折は、その骨折パターンが品種ごとに様々です。

先日はサザナミインコの骨折についてコメントさせて頂きました。

今回は、文鳥のハクちゃん(恐らく雌、6か月齢)が立てなくなったとのことで来院されました。



歩行を確認しますと左肢をかばって拳上しています。





早速、レントゲン撮影を実施しました。

ちょっと見ずらいかもしれませんが、黄色丸で囲んだ箇所(脛骨)が骨折しています。





さらに患部を拡大します。





骨髄に注射針を骨髄ピンの代わりに入れて固定できると良いのですが、飼主様の意向もあり、骨折部をギブスの外固定ですることとしました。





折れている脛骨をまっすぐに牽引して骨折端を整復します。

この手技が本人にとって一番痛く、術者にとっても指先の感覚で整復しますので難しいところです。



骨折の整復がある程度決まったところで、外固定のために外副子を当ててテーピングします。





このような形で外固定は終了です。



セキセイインコや文鳥位のサイズですと4週間ほどあれば、外固定で骨折端は癒合します。



問題はこの後、おとなしくケージ内で最低3週間ほど生活ができるかという点です。

肢に負担をかけないように止まり木を外します。

平床にすると、それはそれで鳥にとっては、ストレスになると思いますが止むを得ません。

ハクちゃん、骨が癒合するまで頑張っていきましょう。




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投稿者 院長 | 記事URL

オカメインコの翼の骨折(橈・尺骨の若木骨折)


鳥にとって翼は肢の骨同様、重要な器官です。

骨折の発生部位としては、肢に次いで多いのが翼です。

飼育ケージの中で生活している分には問題はないのですが、部屋の中で放鳥した場合、翼を傷つけることがあります。



本日ご紹介するのは、オカメインコのドラコ君(♂、3歳)です。

左の翼が下がっているとのことで来院されました。

翼を触診すると痛がります。



触診では特に翼の骨折時に生じる軋轢音はなく、翼の内出血も認められませんでした。

念のため、レントゲン撮影を実施しました。

下写真をご覧頂いて、異常な点にお気づきになりましたか?



下写真の黄色丸で囲んだ箇所が問題です。

橈骨・尺骨共に亀裂が生じていて、完全に骨折しているわけではありません。

若木骨折(greenstick fracture)とも呼ばれ、弾力性があって骨膜が厚い骨の場合、完全に折れずに生木を折ったようになります。



この場合、骨髄ピンで内固定することはせず、テーピングによる外固定を実施します。

鳥の場合、翼をたたんだ状態でテーピングを行います。



若木骨折をしてる箇所を粘着性テープでしっかりテーピングします。



その後、翼をたたませて胴部の全周を紙テープで胸を圧迫しないようにテーピングします。

この時、強くテーピングしますと胸郭運動が抑制されて、呼吸不全を来しますので要注意です。





ドラコ君はこの状態で約10日~2週間ほど過ごして頂きます。

鳥の羽ばたきは強い力を要しますので、このテーピングで羽ばたきをブロックします。

結果として、若木骨折している橈尺骨に休息を与え、亀裂骨折している部位を回復させます。





デリケートな個体では、このテーピングのストレスで食欲低下や自傷行為に至る場合があります。

ドラコ君、テーピング期間おとなしく過ごして下さいね。



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投稿者 院長 | 記事URL

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