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フェレットの疾病

2017年7月25日 火曜日

フェレットの皮膚腫瘍(その4 線維肉腫)

こんにちは 院長の伊藤です。

本日ご紹介しますのは、ちょっと久しぶりになりますがフェレットの皮膚腫瘍です。

過去にもフェレットの皮膚腫瘍はその1からその3まで紹介させて頂いてますので、こちらフェレットの疾病)をクリックして下さい。


さて本日ご紹介しますのは、フェレットの皮膚腫瘍の中でも悪性度の高い線維肉腫というものです。

マーシャルフェレットのラウル君(去勢済、7歳、体重1kg))は右腋下の腫瘤が大きくなり、当院を受診されました。

患部が床面と干渉して皮膚が破れ、出血を伴っています。



既に患部からは膿が出ており、浸出液と共に腐敗臭が漂うほどで状態はよろしくありません。



全身状態のことを考えるとこのまま抗生剤や消炎剤で腫瘤部の炎症が落ち着く目途も立ちません。

結局、外科的に摘出して腫瘤については病理検査に出すことにしました。



いつものように麻酔導入箱にラウル君を入れてイソフルランによる導入麻酔をします。



次に麻酔導入が出来たら維持麻酔に変えます。

患部周辺は出血や浸出液により汚染された被毛を剃毛します。



腫瘤はラウル君の体と比較しても大きなものです。





自重で腫瘤が餅の様につぶされて扁平状になっているのが分かります。



剃毛後、患部を徹底的に洗浄消毒します。





消毒が完了したところで手術に移ります。



出来るだけ腫瘤を腫瘍と想定して、マージンを広く取るようにします。



腋下の部位に腫瘤は及んでいます。

この場所は神経や動脈が集まっていますので慎重にメスを入れて行きます。





下写真の中央部にありますように太い血管が走行しています。



手術時間を短縮するため、止血を確実にするためにバイクランプを使って血管のシーリングを行います。





下写真は腫瘤の裏側にあたりますが、栄養を腫瘤に運ぶ栄養血管が沢山走行しているのが分かります。



ほとんど出血することなく摘出手術は終了しまた。



腫瘤はこの時点ではどんな腫瘍なのかも分かりませんが、筋肉層まで浸潤は認められませんでした。



極力、死腔を作らないようにするため皮下組織を丹念に縫合して行きます。





皮下組織の縫合は終了です。

関節の可動域はどうしても皮膚形成では皺が出来てしまいます。



細かく皮膚縫合を実施します。





これですべて終了となります。



イソフルランの維持麻酔を終了して、酸素吸入のみでラウル君の覚醒を待ちます。



麻酔から半ば覚醒し始めたラウル君です。



ラウル君は翌日、無事退院して頂きました。



術後2週間目に抜糸のため来院されたラウル君です。



下写真は抜糸後の患部です。

綺麗に皮膚は癒合しました。





摘出した腫瘤です。

表面は床材との干渉で細菌感染で膿瘍化してます。



病理検査の結果は高悪性度の線維肉腫とのことでした。

下写真は患部の低倍率像です。

錯綜状・束状に増殖する異型性に富む紡錘形細胞が認められます。



高倍率の画像です。

間葉系悪性腫瘍が検出され、線維芽細胞由来の線維肉腫と診断されました。

核が大小不同であり、腫瘍細胞の分裂像は多く認められ、悪性度の高さを示しています。



今後はラウル君のこの腫瘍が局所再発や遠隔転移していく可能性がありますので、経過観察が必要となります。

術後の経過は順調なので、定期的な健診を継続して頂きたいと思います。

ラウル君、お疲れ様でした!






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投稿者 もねペットクリニック

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