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スタッフブログ

2016年3月31日 木曜日

新米獣医師カーリーのつぶやき-part66~電解質~-

こんにちは、獣医師の苅谷です。

現在スギやヒノキの花粉の最盛期ですね。

今年の花粉は去年よりは多いそうですが、例年と比べると少ないそうです。

私も花粉症持ちでシーズンになると症状が結構現れてきますが、今のところはひどい症状になることなく、偶に症状が出ることがありますが何とか過ごせています。

今回は電解質についてお話しします。





まず電解質とはですが・・・

水などの溶媒に溶かした時に電気が通る性質を持つ物質のことを示します。

体の中で重要となってくる電解質はナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、クロールイオン、リン酸イオン、炭酸水素イオンといったものが主に挙げられます。

これらの電解質は体の中の一つ一つ細胞の内外で複雑かつ微妙な平衡が保たれており、神経細胞が組織に指令を出したり、筋肉が収縮したりします。

またこれらの電解質は体の中のホルモンによりそのバランスは調節されております。

余剰分の電解質は主に腎臓から排出され、もし足りない場合は腎臓から再吸収されます。

電解質は最終的に腎臓で体内の量を調整されることとなります。

さて体内の電解質の異常が出てくる場合はどのような場合があるかというと・・・

まず最終的に体内での量を調整する腎臓が悪くなる、急性腎不全や慢性腎臓病といった場合です。

この状態では腎臓の機能はほとんど落ちており、水分の再吸収および電解質のバランスは取れず、体液量は減少し、電解質の不均衡、脱水状態になり、細胞は正常な活動ができなくなってしまい命の危機に陥ります。

次にあげられるのもはホルモンの過剰分泌または分泌不足で起こる尿崩症やアジソン病といったものです。

腎臓での水分と電解質の再吸収や余剰分の排泄を行うキーとなるホルモンの量が異常となるため、腎臓が悪くなった場合と同じく、体液量は減少し、電解質の不均衡、脱水状態になります。

最後に体からの急激な体液(水分)の変化があった場合です。

これには嘔吐や下痢を繰り返したり、水の過剰摂取、夏になると増えてくる熱中症が挙げられます。

嘔吐や下痢を繰り返すと水分はもちろんのこと、胃液にはクロールイオン、腸液には炭酸水素イオンが含まれ、同時に失われるため、脱水および電解質のバランスが崩れてしまいます。

水の過剰摂取、いわゆる水中毒ですが、水の摂取により体液量は増加しますが、その分、電解質の濃度が低くなってしまうため、中毒症状が出てしまいます。

熱中症はみなさんご存知の通り脱水による体温上昇や多臓器不全が起こり、死に至る怖い状態で、たとえ一命を取り留めても脳や心臓や腎臓といった臓器に後遺症を残す可能性があるものです。




脱水がひどい場合は口から水分を摂取することだけでは追いつかない為、輸液により脱水の状態を改善させなければなりません。

また脱水が起こっている場合は電解質のバランスも崩れているため、血液検査にて電解質を調べて、輸液剤の選択、必要とあらば薬剤を加えて電解質を補正しなければなりません。

最初にもお話ししましたが、電解質は体の中で複雑かつ微妙なバランスをとっています。

まだ早いですが暖かくなってくるとほとんど汗のかけない動物にとっては熱中症になりやすくなってきます。

そのため小まめな水分、電解質の補給に気を使ってください。

今回は以上で終わります。

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投稿者 ブログ担当スタッフ

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