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スタッフブログ

2016年2月27日 土曜日

新米獣医師カーリーのつぶやき-part64~滅菌・消毒①~-

こんにちは、獣医師の苅谷です。

今回は滅菌・消毒についてお話しします。





まず滅菌とはあらゆる微生物を殺滅・除去することを示します。

一方、消毒とは病原性のある微生物を症状が現れない程度まで殺滅・減少させることを示します。

つまり滅菌は微生物が全くいない状態にする方法で、消毒は感染症にならない程度まで微生物を弱めてあげる方法ということになります。

では、まずは滅菌の方法についてお話しします。

滅菌の方法には火炎滅菌、乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌、ガス滅菌、ガンマ線滅菌、濾過滅菌といったものが挙げられます。

この中で物理的(熱や放射線など)に滅菌する方法は火炎滅菌、乾熱滅菌、高圧蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、濾過滅菌であり、化学的(薬剤)に滅菌する方法はガス滅菌であります。

火炎滅菌は字のごとく、数秒間火で炙ることにより菌を死滅させる方法です。

火炎によって炙ることのできる範囲は限られてくるため研究室・検査室といったところで使用される試験管などで使用されます。

次に乾熱滅菌についてですが、こちらは火炎に直接炙るという方法でなく、密室の乾燥した高温状態(約180℃)で既定の時間(30分以上)加熱することで菌の蛋白質を変性させることにより菌を死滅させる方法です。

高温に耐えることができる物(金属やガラス器具)で器具内部までしっかりと乾燥させたい場合に使用します。

加熱により滅菌する方法としては最後となりますが、高圧蒸気滅菌についてです。

適当な温度・水蒸気圧にて既定の時間加熱(例:121℃で20分)することにより微生物を死滅させる方法です。

比較的短時間でコストも比較的少なく抑えることができ、無菌的に行う必要がある手術器具で高温高圧に鋼製の手術器具などに使用されます。





一方、滅菌をしたいけれども高温に耐えきれない器具や水の付着を好まない器具、消耗品に使用されるのがガス滅菌やガンマ線滅菌です。

ガス滅菌の場合、エチレンガスを用いることによって低温で滅菌することができるため、耐熱性のないゴムやプラスティックの消耗品、精密な光学機器類などに用いられます。

こちらは高圧蒸気滅菌に比べて、コストがかかってしまい、使用したエチレンガスの除去を含めてかなりの時間が必要となります。

次にガンマ線滅菌についてです。

これはガンマ線(放射線)が生物に与える影響を利用して滅菌する方法です。

高温にならない為、滅菌する器具の形状に影響を与えず、エチレンガスのように有害な化学物質の残留を認めないといった利点はありますが、放射線を使用するうえでは放射線を管理する施設の大がかりな整備が必要であり、金属以外のものだと滅菌するものの材質の劣化が認められるということがあります。

次に濾過滅菌です。

濾過滅菌とは液体物を孔の小さいフィルターに通すことで微生物を除去する方法です。

しかし、フィルターの孔より小さな穴よりもウイルスになってくるとそのまま液体にウイルスが残ってしまうため、濾過滅菌というよりは濾過除菌といったほうが正しいのかもしれません。


滅菌に関してはどうしても無菌的に行わなければならない手術や実験に用いられ、それぞれ必要な機器があるため、日常生活をする上ではあまり関わりのないことだと思います。





一般家庭でも行うとしたら火炎滅菌でバーベキューといったお肉を焼く際に使う金属性のトングといった器具くらいだと思います。

お肉(生肉)の表面には細菌が少なからず存在しているためお肉を網に乗せる際に使用する器具と食べる際に取り分ける器具は別にしなければ食中毒になる危険性があります。

生肉を網におくのに使用した器具で取り分ける場合、一回数秒間火であぶる行為をしたほうが良いのですが、焼いたり取り分けたり食べたりしているとなかなかそこまで手が回らないと思います。

こういった場合は二本ほど準備するのがベターかなと思います。

つまるところ日常生活ではそこまで滅菌する機会はないのかなと思います。

以上で今回は終わります。

次回は日常的によく使用する消毒についてお話しします。


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投稿者 ブログ担当スタッフ

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