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スタッフブログ

2015年4月 3日 金曜日

新米獣医師カーリーのつぶやき-part35-~黄疸~

こんにちは、獣医師の苅谷です。

つい先日、春のセンバツ高校野球も終了し、敦賀気比高校が優勝しましたね。

北陸勢としては春夏あわせても初優勝ですので、次の夏の甲子園では他校のマークが更にきつくなるとは思いますが、春夏連覇できるように頑張ってもらいたいところです。


今回は黄疸についてお話しします。

まず黄疸とは、体の中に過剰なビリルビンという物質が溜まり、口の中の粘膜や眼が黄染する状態のことを指します。

ここで出てきたビリルビンとは古くなった赤血球を分解した際に最終的に出てくる黄色の物質です。

正常な体の中ではどのようにビリルビンは動いているのでしょうか?

始めに古くなってしまった赤血球は脾臓にて分解され、ビリルビンができ、肝臓に運ばれます。

肝臓にて体の外へ排出するために加工されて、胆のうの中の胆汁の中に蓄えられ、時期が来たら十二指腸に排出されます。

実は空腹時の嘔吐物の中の黄色いものや便の色はこのビリルビンの色が関係しています。


さて、黄疸が出る場合、どこに異常が出てくるでしょうか?



①では感染症(バベシア症やレプトスピラ症など)、免疫疾患、中毒(タマネギなど)によって多数の赤血球に異常または破壊されることで出てくる多量のビリルビンができ、体から排泄する機能が追い付かず、血中ビリルビンが高くなり、黄疸が出てきます。

②では肝炎や脂肪肝など肝臓に問題があり、肝臓でビリルビンを外に排出するように加工することができず、血中に残り、黄疸が出てきます。

③では胆石や胆管炎、膵炎などで肝臓から胆のう、胆のうから十二指腸への通路が狭くなるor詰まってしまい、ビリルビンが血中に逆流し、黄疸が出ます。

黄疸が出た場合、この①~③の原因が考えられるのですが、ここから先は見た目だけでは判別ができないため、血液検査を行っていきます。




黄疸が出ている場合ではT-Bilつまり総ビリルビンの値が高くなってきます。

残りのALT、AST、ALP、GGTの値でどのような状態かということをみていきますが、

特にALTは肝臓を、GGTは肝胆道系に問題があるときに値が高くなってきます。

膵炎が絡んでいる場合だと、アミラーゼやリパーゼが高くなってきます。

この段階で①の可能性が高いのであれば、血液を塗抹して赤血球をみてみたり、②③の可能性が高ければ超音波などの画像診断に移っていきます。

そこで原因を特定して治療を始めていきます。

①の場合は急性の疾患ですが、②③は沈黙の臓器と称される肝臓が関連するため、症状はあまりでなくても徐々に進行し、肝臓がどうしようにもなくなってきたときに明らかな症状が出てきます。

黄疸が出てくる状態になるとまずいということですね。





症状が出ていなくても血液検査でその兆候を見つけることが可能ですので、高齢になってからは定期的に血液検査をしていくことが必要となって来ると思います。

現在、当院でも春の健康診断として血液検査を行っていますので、心配だなと感じた方は受けられることを一考してください。


血液検査を受けてみようかなと思ったかたは




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投稿者 ブログ担当スタッフ

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