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鳥の疾病

ウズラの皮下気腫

ウズラのズラちゃんは、胸部の腫れが気になって来院されました。





写真では分かりずらいかもしれませんが、下写真の黄色丸の部分が全体的に腫れています。

そして黄色丸内をよく見ると、皮下出血が部分的に認められました。



胸部の皮下に弾力性のあるものが存在しているのが触診で分かります。

光を患部に当てて、皮下を映し出します。



この段階では、その皮下組織に存在するものが液体なのか、否か不明なので試験的に皮下を穿刺します。



穿刺して診ますと液体はなく、空気が吸引されました。

空気を10ml吸引したところで、胸部の腫れは消失しました。



つまり、この腫れは皮下気腫であることが判明しました。

皮下気腫とは、皮下組織に何らかの原因で空気が溜まった状態を言います。

空気の侵入経路は大きく3つあります。

1つ目は皮膚損傷があり、外部からの空気の侵入する場合。

2つ目は胸膜が損傷して、胸腔内の空気が皮下に侵入する場合。

3つ目は気管支損傷・食道損傷があって、空気が縦隔経由で皮下に侵入する場合。

はたしてズラちゃんは何が原因で皮下気腫に至ったか?

呼吸音は正常で、聴診上も問題ありません。

おそらく胸膜損傷や気管損傷・食道損傷ではないと思われました。

翼の周囲や胸部の詳細を確認したのですが、大きな外傷はないようです。





皮膚の受傷跡はすでに治まっているものと考えられました。

ウズラの羽根は密生しており、全体表部をチェックするのは困難です。

胸部の腫脹は治まり、ズラちゃんの症状に変わりはありません。





しばらく経過観察をして、再腫脹がなければ治療は終了です。





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投稿者 院長

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