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犬の疾病

犬の海綿状血管腫

血管腫という腫瘍があります。

これは、血管を構成する組織が増殖することで起こる腫瘍です。

ヒトでは、頭頸部や体幹、四肢によくみられる良性腫瘍ですが、犬でも体表部にできることが多いとされます。

本日、ご紹介する海綿状血管腫とは血管腫の仲間ですが、古い血腫と異常に拡張した中小の血管が集まってできたものです。

どちらかというと腫瘍というより、血管の奇形とされる良性の病変です。


ミニュチュア・ダックスのマイちゃんは、半年前に右後肢に腫瘤ができて来院されました。

下写真の黄色丸の箇所がその腫瘤です。

黒い弾力性のある組織です。



患部の細胞診では、血液混入ということで腫瘍細胞は認められないとの診断でした。

患部に物理的な圧迫があり、血腫が生じたものではないかと思われ、暫く経過観察としました。

その後、半年の間に腫瘤は大きく増大し始め、飼い主様の希望もあり、今回外科的に摘出をすることとなりました。

マイちゃんに全身麻酔を施します。





この腫瘤を出来るだけマージンを含めて切除します。









思いのほか、出血が多くバイポーラ(電気メス)で止血を施します。





しっかり縫合して終了です。



摘出した腫瘍です。





上写真の組織から病理標本を作成します。

下写真は顕微鏡で見た低倍率像です。

皮下組織内に海綿状の血管増殖像が認められます。



下写真は高倍率の画像です。

血管を構成する内皮細胞は扁平で悪性の所見は認められません。



マイちゃんは今後、この海綿状血管腫の再発があるか否かは不明ですが、少なくとも良性の病変であり経過を見ていきたいと思います。




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投稿者 院長

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